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2007年10月13日 (土)

さらば、鳥取三洋のケータイ

三洋電機が、ケータイ電話事業を京セラに売却する事を発表した。

三洋、京セラに携帯事業売却 基本合意

このニュース自体は、以前から噂されていた事でもあり、大きなニュースではあったが、
比較的冷静に受け止められているように思われる。

しかし、個人的に、今回の売却劇でショックを受けた事がある。
鳥取三洋」が含まれいないのである。
鳥取三洋のケータイ事業は売らない。けど、三洋はケータイから撤退する。
これはつまり、鳥取三洋製のケータイが消滅する事を意味する。

昔からのauユーザーなら、かつて、「ST」型番のケータイが売られていた事を覚えているであろう。
あれは、「三洋マルチメディア鳥取」(現在の鳥取三洋)の略で、同じ三洋グループでありながら、
完全な「別メーカー」として端末をauに納品していたのである。

「A5306ST」の、ちょっと変わった機能を試す
au端末の型番から「ST」が消えた?

後に、三洋本体の完全子会社になってからは、「SA」型番に編入されたが、
あくまで独自路線で端末の開発製造を続けてきた。

薄いけど頑丈〜「A5405SA」、中身の秘密
つながっていたい気持ちを大事に〜「A5405SA」
女の子にインタビューして作りました〜お菓子携帯「Sweets」ができるまで
開発者インタビュー W53SAの開発について(SANYOケータイアリーナ)

規模の小さい会社だったので、それほど機種は多くなく、地味な端末が多いが、
他のメーカーがあまり手を出さない機種の製造を率先して製造し、独自のブランドを築き上げた。
中でも、日本ケータイ史に残る傑作である「INFOBAR」「talby」、そして「INFOBAR2」を製造したメーカー、
と言えば、いかに優れた技術力を持っていたか、多くの方に認められる事であろう。

第4回 今だから話せる「au design project」(後編)
talbyの“ちょっとした”工夫
携帯の“小技”を探せ──ハンズフリー編

ケータイ作りが、「複数の大企業でプラットフォームを共通化し」、
「いかに大量に生産し」、「いかに多くのキャリアで売るか」
といった方向に動いている現状においては、
鳥取三洋のように「細々と、他で作らないようなケータイを、じっくりと」、
という姿勢は、残念ながら通用しなくなっている。
しかし、そういう企業があったからこそ、
「INFOBAR」や「talby」のような「異端児」が生まれ得たのだ、という事は、
記憶されてしかるべきだと思う。

そういえば、この年末に発売される事が発表された「INFOBAR2」。
あまりに唐突に、妙な時期に発表されたので、おかしいな?、と思ったのであるが。

ひょっとすると、三洋と京セラが「鳥取三洋完全撤退」を発表する前に、
auと鳥取三洋の最高傑作である「INFOBAR2」を発表して既成事実を作ってしまおう、
という、いわばフライングだったのではなかろうか、と考えるのは邪推だろうか。

INFOBAR 2は「au design projectの集大成」

そういえば、「INFOBAR」は、最後の「ST」型番機だった(裏型番はA5307ST)。
もし、「INFOBAR2」が鳥取三洋製最後のケータイになるとすれば、
「INFOBAR」は、二度、鳥取三洋の「集大成」機として世にでる事になる。

あと2年くらいして、「最近、いいケータイが無いね」なんて会話をする事があれば、
ふと、かつて鳥取三洋製の素晴らしいケータイがあった事を、思い出して欲しい。

追伸・決して、鳥取三洋の回し者でも、auの回し者でも、ITmediaの回し者でもありません。

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