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2007年12月

2007年12月31日 (月)

そして、L21D復活篇

今日もカミサンは昼くらいまで寝ていたので
(おかげで、風邪はほぼ完治しました)、
その間に、アキバへ行ってきました。

FMV L21D復活作戦、電源の修理のため、
まずは、元々入っていた電源を分解して、
不良コンデンサの交換に挑戦してみる事にしました。
それがダメなら、普通のATX電源を改造して
「外付け電源」化工事をする、という二段構えの作戦です。

電源内部のどのコンデンサを交換すべきかは、
Googleで「L21D 電源」と検索すると、
詳しい解説のブログを見つける事ができると思いますので、
そちらを参考にしてみました。

そこに書いてあった3つのコンデンサをアキバにて購入。
ちなみに、3つで\310なり。

で、帰ってから、半田ごて片手に、作業作業・・・

・・・

治りました(笑)

Ca390311

※手元に余っていたUSBデバイスが、
「NEC PC-98配列キーボード」と「SONYのマウス」しか無かったので、
なんか違和感があります(汗

こんな、コンデンサ3つ交換するだけで、
電源が供給されるようになるなんて、なんか不思議な気がします。

※作業中の写真は撮り忘れてたので、
取り出した不良品コンデンサ3つを撮影。しかもピンボケ。

Ca390310

でも、まだ不安定なのかどうか、
途中、「Acronis True Image」でバックアップを取っていて、
そろそろ終わったかな、という頃合いで覗いてみたら、シャットダウンしてました。
その時以外は、数時間いろいろいじっていた時も安定していたので、
電源が悪いのか、たんに熱暴走なのか判断はつきませんでしたが、
少なくとも、電源の方からきな臭い煙が出ている様子もないので、
とりあえずはオペ成功かな、というところです。

いやぁ、1280*768という半端なワイド液晶(今更ないんじゃないかな)ながら、
17インチもあるので広大だし、これってIPSか?と思えるいい液晶です(多分違うけど)

これは「お遊びPC」にはもってこいな感じです。いいXmasプレゼント!\310!(爆)

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2007年12月30日 (日)

L21D修理計画

本当は、この時間はすでに徳島入りしている予定でしたが、

まだ関東におります(汗

カミサンが大風邪をひいてしまいまして、
今日は一日寝込んでおりました。
幸い、医者からもらった薬がかなり強力なようで、
もうほぼ治ってますので、大晦日には絶対帰れるだろう、
という事で、その日の指定券(剛毅にもグリーン車)を取りました。
それにも乗れなかったら、さすがに勿体ないなぁ・・・

※今日乗る予定だった、
「えきねっとで予約し」「成田空港で発券した」
「ひかりの指定席」は、切符ライブラリに納める事にします(笑)

さて、想定外に時間ができたので、
先日ゴミ捨て場で拾った、富士通の「FMV L21D」の分解をしました。

ネットで調べてみると、電源がかなり脆弱らしく、
この機体の故障原因のほとんどは電源のようです。

この機種、いわゆる「液晶一体型」なので、
多くを除いて独自規格。

残念ながら、電源も「多くを除いた」中に入っています。

マザボやドライブへの電源供給部分は、完全にATX規格でしたが、
それ以外に、液晶へも電源を供給しないといけませんからね。
2時間ほどかけてばらし、電源だけをゴッソリ抜き出してみましたが、
確かに、液晶への電源供給コネクタは、特殊形状でした。

せめてボルテージだけでも分かれば、
そのコネクタを切り取って、市販のATX電源にくっつけて、
という事もできようもんですが、
本体にも電源にも、それが何Vなのか書いてません。
たぶん、12Vだろうなぁ、と予想はしつつ、
違ってたらあらぬ故障の原因になりそうなので、この作戦はとれそうにありません。

となると、電源そのものを交換するか、直すか、という選択肢になります。
でも、そもそも脆弱な電源なわけですから、
仮にヤフオクで「L21D用電源、生きてます」を落としたとしても、
同じ原因でいずれ故障する事は明白。それも非現実的です。

・・・直すしかねぇかなぁ。

で、まさかと思いつつネットで調べてみると、
いやぁ、いらっしゃるもんです、
L21Dの電源をばらして直しました、というレポートを発見。

ようするに、ある特定の3つのコンデンサが逝ってしまうようなのです。
そこに過負荷がかかっているからか、
そのコンデンサが安物だからかは分かりませんが、
丈夫な同等品に交換すれば、使えるようになるはず。

うちのもばらして確認してみましたが、
確かに、頭の部分がふくれているので、死んでいる事が分かります。

て事で、次にアキバに行くときにコンデンサを買ってきて、
交換してみる事にしました!

・・・半田ごてを使うのは苦手ですが・・・

ちなみにこのL21D、えらく内部が埃まみれでビックリしました。
あり得ないくらい、ビッシリとこびりついていました。
しかも、明らかに黄色い埃・・・、
学校か工事現場の近くで使っていたのかな?、って思うくらいです。
ついでなんで、ファンなど特にひどいところを掃除しておきました。

さて、年明け、このPCが生き返る事はあるんでしょうか・・・!?

無理とあきらめたら、中に入っている120GBのHDDと、
PHILIPSのキャプチャボードと、Celeron 2.1GHzを抜き出して、
余っているPC3200のメモリと組み合わせて別のマシンを組み立てようかな(汗

※早速追記

ばらした電源の中身を覗いたら、
液晶用電源には「12V」が伸びていました。
作戦変更で、普通のATX電源の外付け化も検討かな。

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2007年12月28日 (金)

嗚呼、師走

前回のエントリーから2週間以上空いてしまいました。

毎年、この時期は仕事だなんだとバタバタするので、
「今年こそは真っ当な師走を!」と思っていたんですが。

いくら自分がそのつもりでも、
外からゴロゴロ仕事が舞い込んでくるとあっては、
自己防衛にも限度がありまして。

もう明日で仕事納めだって~

明後日から帰省だよ~

年賀状は、やっと今書き終えて、明日投函です。
去年みたいに、正月に印刷していた程ヒドクはないですが、
果たして、ちゃんと元旦に届くのかどうか・・・

そういや、今手元にあるプリンタ、EPSONのPM-A950は、
その、去年の年賀状のために買ったのでした。
実家の、兄貴のプリンタで印刷するつもりで帰省。
で、印刷してみると・・・、あれ、なんか汚いぞ???

調べてみると、官製年賀はがき(という言い方はもうしない?)の、
「インクジェット写真用」という一番いいハガキは、
染料系インクでしか使えず、兄貴の顔料系には不適、という有様。
それに気づいたのが大晦日。
そして、元旦早々、徳島にできたばかりのY電気に駆け込んだのでした・・・

年明け早々のあけおめエントリーには、年賀状の画像をアップします。

さて、この2週間ばかりの出来事。

■プレステ3を買った

↑明らかに無駄な買い物(汗
だって、PS3のゲームも、BDディスクも買う予定無し~。
PSやPS2をやるために買いました。(主にカミサン)
後、先日からWMVとDivXの再生も対応したので、
PCでエンコしたHDムービーを再生できるようになれば、
BDレコーダを買う必要はなくなるかな、と・・・

のために、コンポーネント入力のボードも買ってきたのですが、
まだ試しておりません。封もあけておらず。こちらも、確実に越年。

■PCを拾った

↑いくら粗大ゴミ有料になったり、PCはお店で回収となっても、
捨てる人は捨てるんですよ。
そして、拾う人もいるんです。それが、僕のような人間(汗

割と新しいPCです。富士通の一体型、「FMV L21D」。

持ち帰って(やたら重かった・・・、調べてみたら、約15Kg!)、
まずは起動チェック・・・、と思って電源ケーブルさしても、うんともすんとも言わず。
あちゃ~、よりにもよって電源かよ、逝ってるの・・・

HDDくらいなら、交換すれば済みますが、
こういう一体型PCの電源は特殊なので、ATXのを買ってきて交換、
とはいかないんですよね・・・

しかも、調べてみると、この機種の電源は弱い、との事。

ますます困った事に・・・

ものはよさげなので、どうオペしたもんかと、いろいろ考え中。

・・・他にもいろいろあった気がしますが、頭がボーッとしてて思い出せません。

 ひょっとすると、今年最後のブログになるかもなので、念のため暮れの挨拶。

 みなさま、良い新年をお迎え下さい!

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2007年12月11日 (火)

僕のコダクローム(小田急5000形・百合ヶ丘にて)

ニッコールのサンニッパに、コダクローム。

果たして、この「蜜月」とも言える組み合わせで、
どれだけのシャッターが切られた事でしょう。

何万枚…、いや、何億万かもしれませんね。

そんな黄金コンビにも、終焉の時が来てしまったようです。

かつて、リバーサルフィルムの代名詞のような存在であったコダクローム。
ポール・サイモンの歌にもなったコダクローム。

※そういえば、ポール・サイモンの「僕のコダクローム」では、
ニコンのカメラでコダクロームを撮る、と歌われてましたね。

特殊な現像方式であるがゆえ、また、ASA64という暗い感度であるがゆえ、
デジタルの時代に適応できず、
既にフィルムの販売が終了、
国内での現像も、あと1週間余りで終了となります。

カメラを手にし、いろんなフィルムを試していた時期から、
コダクローム(とトライX)は、憧れの存在でした。
いろんな雑誌の写真を見ていると、どれもキヤノンやニコンのカメラ、
そして、Kodakの「コダクローム」という表記があったからです。

今年春、生産中止の報を聞き、急いで買い漁った3本のコダクローム
(うち、1本は実家に兄のもとに回送)。

さて、最後のコダクローム、何を撮ろうか…、とあれこれ考えているうちに、
もう「現像終了」のXデーが近づいてまいりました。

近頃お気に入りのポイントと言えば、小田急の百合ヶ丘。
ここで、こちらも終焉の時を迎えようとしている5000系を撮るのも悪くない…、
と思っていたのですが、そういう時に限って天気が悪かったり、
用事があったりで、やはりなかなか撮りに行けず。

で、ようやく、12月1日に、フィルムに収める事ができました。

071201_15
Canon EOS630
Ai Nikkor ED 300mm F2.8
1/180秒 F2.8開放
Kodachrome 64
小田急 百合ヶ丘駅構内
2007年12月1日
※デュープ機材
Nikon D7000
Super-Multi-Coated Macro Takumar 50mm F4
(「muk camera service」製マウントアダプタ使用)
1/6秒 F5.6 (ISO100)

※12/3/16:画像差し替え(スキャン→デュープ)

300mmの超望遠でF2.8開放、これこそ大口径の醍醐味!
…と言いたいところですが、この程度の曇り(いわゆる薄曇り)でも、
鉄道を撮るシャッター速度に少しでも近づけるには、
1絞りたりとも絞れんのですよ(汗
というか、だからこそ、サンニッパとコダクロームは相性がいいんだろうな、
と、今更ながらに感じた次第。

でも、1/180秒では、「快速急行」をピタリと止めるには不足でした…。
等解像度だと、文字が微妙にブレているのです。
(上の写真は、縮小してシャープかけているので、あまり目立ちませんが)
まぁでも、サンニッパだからこそ、この程度で済んだんですよね。
ズームだと開放はF5.6ですから、シャッターは1/30秒?
…無理無理(汗

やはり、コダクロームは難しいフィルムなのだ…、
しかし、もはやその真価を発揮させる事はできない、
さらばコダクローム、歴史の中にその名を刻め…

…と思ったら、12月20日は、あくまで「国内現像」が終了で、
これからはアメリカ現像に移行するそうなので、
残りの1本を死蔵させる事はなさそうです。
ホッ!
この「正真正銘、最後のコダクローム」では、
秩父鉄道の101系でも写しに行きますかね!

…だって、「KODACHROME」は、

「あの明るいすてきな色
夏の緑のいい感じ
世界じゅうに太陽いっぱい」

…ですもの、ね。

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2007年12月 5日 (水)

上越・会津に行ってきました!その2「ばんえつのC57に乗った」

ちょっと間が空いてしまいました。
上越・会津の道中記。

主たる旅行の目的は、C57-180「ばんえつ物語号」に乗ること。

そういえば、SL列車に乗るのは、相当久しぶりです。

何度か撮影には行ったんですけどね。
いつも、「撮影」「乗る」を天秤にかけると、
迷う事なく「撮影」になるので、
先回りして撮るのが当たり前となっておりました。

写した事があるのは、
「SLやまぐち号」「D51 498」「パレオエクスプレス」、そして「C56 160」。
ちなみに、C56は瀬戸大橋を走っている時に撮影したものです。
これも、いずれご紹介しましょう。

じゃあ乗ったのは・・・、と思って記憶をたどってみますと、
まず間違いなく、小学生の時、旅行で大井川鐵道に行った時のみ、です。

「鉄」としてはあるまじき行為(笑)

今回は、特に「カミサンにSL列車を体験させる」
という主たる目的があったので、いつもなら考えつく事もない、
「SLに乗りに行く」という旅行をする事になりました。

期せずして、僕が乗った11月25日の「ばんえつ」は、
2007年度最後の運行日でした。
冬になると、雪でSLどころじゃなくなりますもんね。
実は、11月に入ってから指定券を購入し、
11月末の三連休がまるっきり空席で余裕だったので
「人気ないのかなぁ、寂しいなぁ・・・」と思ってたんですが、
考えてみりゃ、運休する可能性のある11月末に乗りにいくなんて、
結構「賭け」だったのかもしれないですね。

実際、僕たちが新潟に行く直前は、日本海側は大雪で、
列車が止まったり道路が通行止めになったりと、結構大変でした。
直前まで「ホンマに走るんやろか・・・」とドキドキしてたくらいです。

講釈はこの辺にして、写真をご紹介しましょう。

Imgp919701

新潟駅で出発を待つ「貴婦人」こと、C57。
10月だと、デフが「門鉄デフ」になっていたようですが、
この時は既に11月なので、ノーマルに戻っています。残念!
でも、集煙装置のないC57は、まさに「貴婦人」、その美しい出で立ちには目を見張ります。
そういえば、西日本の「SLやまぐち号」でお馴染み「C57 1」は、
現役時代は新津機関区にいたはずですから、この180の先輩だったわけですね。

Imgp920501

Imgp920701

運転席にも乗せてもらいました。
子供たちが列を作って待っていたので、そそくさとチラミしただけですが、
写真やテレビではお馴染みの運転席、ホンモノはさすがに迫力があります。
うかつに触るとSLが動かなくなりそうで、ちと怖いです。

Imgp927401

磐越西線でも最も有名な撮影ポイントの1つ、
「一ノ戸鉄橋」で撮影する鉄ちゃんのみなさま。
さすが、年度内最後の運転で日曜日、しかも晴れという事で、
カメラの砲列が出来ています。
おもしろい事に、シャッターを切った後のカメラマンのみなさん、
客車に向かって一同に手を振っています(分かりますかね?)
今回、沿線のいろんな方が、列車に向かって手を振っていたのが印象的でした。
きっと、中に乗っている子供たちはみな喜んでいた事と思います。
楽しい鉄道の旅が、一生の思い出になると嬉しいですね!

Imgp927901

遠くに会津磐梯山(かな?)をのぞみ、まもなく喜多方、
いよいよラストスパート!のC57です。
山から駆け下りているので、さすがに煙はあがっていません。
(本来、無駄な煙を出さずに走る方が、機関士の腕は良い)
カーブの度に、窓をあけてこんなアングルの写真ばかり撮ってました。
沿線で撮影されてたみなさん、ひょっとして邪魔だったかしら?
ごめんなさいね、どうもやはり、写真を撮れずにはおられず・・・

今回の「ばんえつ物語号」で、1つ残念な事がありました。
途中駅で約1分の停車後、ゆっくり走り始めた列車が、
突然の急制動でガクン!、と急停車。
何事?と騒然となる車内。

なんて事はない、降りてしまった子供が乗れなくなり、
それに気づいた、車内の母親?祖母?が、
よりにもよって「緊急通報ボタン」を押したために制動がかかったわけです。

安全確認等で10分ほど足止めを食い、まったく本当に、
と憤慨していたわけでありますが、

それが、三川駅というところでの話しだったのですが、

これが、さっき写真を掲載した「一ノ戸鉄橋」を通過する頃には、
ダイヤ通りに戻っておりました(笑)

もちろん、津川駅や山都駅など、本来の停車時間を短縮したりして、
ダイヤの回復を図っていた事は事実ですが、
そもそも、津川駅は給水のための停車なので、
縮めるにしても限度があります。
実際、発車した段階では、やはり定時よりも遅れていました。

つまり、C57は「自力で」回復運転をしてしまった事になります。

お世辞にも軽いとは言えない客車を7両も引っ張り、
お世辞にも平坦線とはいえない磐越西線。

確か、車内放送では「最高時速は70km」とか言ってたように思いますが、

あのジョイント音、80km以上出てたと思うんだよなぁ。


恐るべし、貴婦人。


SLなんて、ノンビリとことこ、なんて思っていると、
「わしゃ、まだまだ現役じゃ!」(貴婦人はそんな口はきかない?)
と怒られてしまったような気分です。

嬉しく、頼もしい限り。

※そういえば、C57 180には「重油併燃装置」付きだったような。そのおかげか?

Ca390292

終点・会津若松で、「あいづライナー」運用につく、485系「あかべぇ」の出迎えを受けました。
同じ「あかべぇ」の、夕方の便で郡山に抜け、そのまま東京へと戻る事になります。
その間は会津観光を堪能していたわけですが、それはまた次回のお話。

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2007年12月 4日 (火)

私的ミシュラン論

「ミシュランのタイヤは非常に優秀です。
ミシュランのタイヤを履いた車であちこち旅をしましょう。
旅先での食事や宿で戸惑わないように、
弊社が自信を持ってお薦めできる店をご紹介します。」

ミシュランのガイドブックは、そんな理由で作られたと聞きます。
(微妙に違うかもしれませんが、ご勘弁を。)

フランス旅行の定番ガイドブックの東京版、
まさかこんなに大反響になるとは、
ミシュランマンも驚きでしょう。

実は、僕が最初に就職した会社はと、ある料理屋でした。
(料理人でも、サービスでもありません。事務員です。)
わずか1年3ヶ月しかいませんでしたが、
今でも、あの頃の濃密な経験が体中に染み付いています。

あの会社で共に仕事をした名料理人のうち、実に3名もの方が、
ミシュランで★を獲得しました。これは、望外の喜びです。

にしても、ミシュランを巡るあれこれ、ネットで議論されてますね。
そんな高い店に行けるかよ、とか、日本人向きじゃねぇだろ、とか、
そんなにお偉い本なのかよ、とか。

でも、ミシュランだからこんな感じだろう、と思っていたので、特に違和感は覚えませんでした。

そもそもミシュランは、最初に書いた通り、旅先でいい食事を楽しみたい人に、
お薦めのお店を紹介するガイドとして作られています。
(レストランだけじゃなくてホテルも紹介されてる、という事はあまり知られてないような?)
いい食事とは、ただ美味しいだけじゃなく、
サービスとか、雰囲気まで堪能できて初めて成立するもの、
という前提は、是非理解しておくべきでしょう。

もちろん、主観の相違というものもあります。
旅先だからこそ、なるべく食事の予算や時間を節約して、
少しでも多く観光したり買い物したり、と思う人もありましょう。
それはそれで価値観ですし、おかしくもないと思いますが、
たた、ミシュランを必要とはしない方だろうな、とも思います。

例えば、寿司。
同じ寿司を食べるにしても、
回る寿司もあれば、すべてのネタが「時価」な、
僕みたいな若造では「とりあえず、入らない方が良さそう…」
と二の足を踏んでしまうような店までピンキリです。
かといって、「ごはんの上に魚(等)が載っている」、という基本スタイルは、
回ろうが高かろうが変わりがありません。
また、回るからマズイとも限りませんし、
高いけどおいしいと評判の寿司屋でも
「あそこの主人はワサビを入れすぎるので、どうも苦手」
「店の中にゴキ○リがいた」など、マイナス要因があるかもしれません。

同じ寿司でも、なぜ、50円の玉子がぐるぐる回る店から、
一通り食べたら云万円という店まであるのか。
食材にこだわるとか、生きの良い魚を仕入れてるとか、
そういう理由だけで片付かない理由としては、
やはり、内装だとか食器、調度品へのこだわりを忘れるわけにはいきません。

同じ料理でも、100円均一で買ってきた皿(最近は、いいのもありますけど)と、
魯山人の国宝的皿で出されるのだと、やはり、気分が違ってきます。
食べる側も、思わず身構えてしまいそうになります。

コンクリートの打ちっ放しの店内で食べるのと(個人的にはそういう店も好き)、
ちゃんとした和室の中で、いい掛け軸もかけてあって、
外では純日本庭園でししおどしが「コロン」と響いているところでは、
やはり趣が変わってきます。

少ない客数しか入らない店に、多くのスタッフがいて充実しているとすれば、
その店は人件費もしっかりかけている、客を大事にしている、という事になります。
経営者にとっては、人件費をいかに削るかは、常に頭の痛いところ。
でも、そこを削ってしまうと、接客がおろそかになって客の印象が落ちる事になります。
それは、長期的に見れば、客足が遠のく一因ともなります。
ファミレスならともかく、いい店であれば死活問題です。

効率をあまり考えないのも、こういう店の特徴かもしれません。
チェーン店の牛丼は300円から400円くらいですが、
材料を工場で大量に生産する事でコストを押さえるなど、
工業製品的に原材料を下げる努力をしています。
もし、個々のお店で、材料の買い付けから全て行うとすると、
とてもそこまで安い値段で販売する事はできません。

たった一皿にかけるコストの違いは、
その辺のチェーン店と、ミシュランに載っていたような、
一度の食事で1万とか2万のお店とでは、
えらく違う、という事になります。

結局、ミシュランに載るような店というのは、
味の善し悪しじゃないんですよね。
「芸術」とか「教養」とか「時間」「空間」とか、
いろんなものを、食事を通して演出しているかどうか、
というのが、判断基準として重要になってくるんじゃないでしょうか。

僕もたまには、そういう「ハレ」の店で食事をしたくもなります。
今年は、春に、カミサン(当時はカノジョ)の誕生日のお祝いで、
とあるフレンチのお店に行きました。
その店は、ミシュランでは★★を取っていました。
料理の美味しさは当然ながら、客にいい時間を提供し、もてなそう、
というスタッフの心遣いが徹底していた事が印象的です。

特別な時に行きたくなる、行って損はしないのが、
ミシュランに載っているお店だろう、と思います。

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