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2008年5月16日 (金)

私的録音録画補償金で思うこと

俗に「iPod課金」と呼ばれる問題が議論されています。
そして、この問題は「ダビング10」の紛糾にまで尾を引いています。

個人的には「払ってほしけりゃ払ってやるよ」ってなもんで、
むしろ、騒動の全てが、
機械を作る側と、音の権利を持っている側の我の張り合いにしか見えず、
醜い争いをしているなぁ、程度の、残念な感想しか出てきません。

※上記リンクの記事にしても、
「ダビング10と補償金は別の議論なのに」
といっている側の某権利団体は、
「ダビング10を始めるなら補償金も取る」と言ってる側で、
おいおい、自分がセットにして議論してるじゃないか、
それって矛盾じゃないのか、と思います。

 ところで、補償金なんて制度が、そもそも、なんで出来たのか。

 DATが登場した1985年頃、
「こんなのが出たら、CD丸々コピー出来るではないか。反対!」
という、音源の権利をもっている側からの抵抗があり、
最初は、44.1KHzのサンプリング周波数に未対応で出す、
という苦肉の策で世に登場しましたが、あまり売れません。

 そこで、なんとか44.1KHzにも対応を、
という話しになったとき、それならば、という事で、
「第1世代までのコピーは可」というDRM、
いわゆる「SCMS」に対応させるという条件がつきました。
でも、この頃は、まだ補償金の話しはなかったはずです。

 そもそもDATは玄人向け、というか、かなり業務仕様でしたので、
そんなに「レンタルCDのコピーにがんがん使います」的な、
杞憂に値するほどの問題はなかったからでしょう。

 しかし、MDがドカンと普及し始めた事で状況が変わり、
「どうせCDのコピーに使われるなら、
コピー先のMDの生ディスクに先に著作権料をかけておけ」
という事で、補償金制度が始まった、と理解しています
(当時の状況をリアルタイムで見ていた感想。
しかし、当時は中高校生くらいだなぁ。本当なのかな?)

その後、オーディオ用のCD-Rにも補償金がつき、
映像の方でも、録画用のDVD-Rに補償金がつき、という感じで、
録音・録画メディアにどんどんと補償金が上乗せされるようになりました。
時代時代の、もっとも利用されてそうなメディアに、って事ですよね。

※オーディオ用CD-Rや、録画用DVD-Rというのは、
仕様自体はデータ用と全く同じだけど、
補償金が付加されているから、別系統の扱いなんですよね、実は。

ところが、今、可搬型オーディオのメインは、
ウォークマンやiPodなど、メモリorHDD型となり、
テープやディスクにちょっとずつ入れて、
という形式ではなくなってきました。

また、録画の方でも、HDDにどんどん溜めて、
見終わったら消して、という事で、
DVDに焼いて残す、という習慣が減少しつつあります。

なので、これらの機械にも課金を、って事になるんですよね。

最初にも書いた通り、僕は別に、
補償金が上乗せされても構わん、という立場ですから、
ウォークマンでも何でも、課金してくれて大いに結構と思います。

録音ないし録画した時、その音ないし映像の中に、
著作権(著作隣接権を含む)が全く入っていないものなど、
ほとんどこの世にないと思います。

子供の運動会をビデオに録ったって、
BGMで音楽が流れているかもしれません。

ある意味、「幅広く、あまねく補償料を徴収する」
という考え方は、
テレビの著作権料が包括契約になっているとか、
全ての製品には消費税がかかっているとか、
非常に簡便で手間がかからないと思うんですよね。

そりゃ、一番の理想は、
「今、iPodに10曲転送しましたね。転送料10円いただきます」
「今録った運動会のビデオ、途中に10分、著作権のある曲がありました。3円いただきます」
「レンタルしたCDをコピーしましたね。30円いただきます」
なんて、何か行動するたびに、自動的に著作料が引き落とされていく、
そんなシステムが出来れば完璧なんでしょうけどね。
そりゃ、いくらなんでも無理でしょう。
てゆっか、僕はイヤです、管理・監視されているみたいで。

iPodに課金されるったって、
今2万円で売っている機械がいきなり10万円になるとか、
そんな極端な話しじゃないんですから、
むしろ、MDを買う度にチビチビと補償金を納めている、
と考えるより、最初に一括で払いきってるわけですから、
後は比較的自由にいろいろ出来る「便利料」と思えば、
あまり腹も立たないと思うんですが、いかがでしょうか。

20年来の「DATの怨み」のおかげで、
ユーザの利便が後回しにされているような気がして、
どうも釈然としないのであります。

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コメント

> JASRACについては著作権料の配分などでグレー部分がある。

そのグレーが、黒に近いか、白に近いかは、
中の人間じゃないと分からないところであるが、
少なくとも、グレーである事が、必ずしも「悪」とは限らないな、
とも思う。
うちの会社みたいな小さいところでも、
毎月、「この曲を何曲配信しました」のログを、
数万件も報告しているから、
もっと大きい会社だと、恐らく億単位の件数で計上しているはず。
それを、公明正大に権利者に報告しようとすると、
毎月、段ボール箱数十箱分とか、膨大な明細を送り続ける事になる。
きっと、権利者側も「もういい!」とイヤになるはず。

優秀なアーティストの売上は、
自動的にメジャーレーベルに落ちるような業界システムだし、
なかなか変わっていかないところだと思う。
なんせ、100年以上かけて作り上げられた城壁と要塞は、
そう簡単には壊れないものですよ。

てな事を言ってられるのも、後5年か10年か、って感じではあるけど。

いずれにしても、
アーティスト、著作者、出版社、レコード会社、著作権管理団体など、
それぞれの利害者が、それぞれの都合のいいような事を言っていて、
肝心のリスナーが置き去りになってるような感覚はあるんだけど。

投稿: ごっさん | 2008年5月26日 (月) 10時32分

すこし、ネガティブな話題であるな。

JASRACについては著作権料の配分などでグレー部分がある。
音楽を管理する著作権者団体はJASRACだけではない。
オリコンなども不正操作の疑いがある。
オリコン外のアルバムはレンタル屋にさえ並ばず、インディーズは永遠に日の目を見ない。
初音ミク(歌手?楽器?)等、新しいジャンルに対しての著作権整備が出来ていない。
動画サイトで曲が垂れ流しされている。
レンタル屋にはコピーしてくださいと言わんばかりにCD-Rを販売している・・等々

既に音楽流通の仕組み自体が陳腐化してる気がする。
iPodに課金するのもいいが、優秀なアーチストがより得をするシステムを提案していくのも著作権者団体の仕事だと思う。

投稿: kamo夫 | 2008年5月26日 (月) 00時52分

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