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2008年5月14日 (水)

「著作隣接権」はお金がかかる

日本で初めてのWEBサーバーが稼働したのが、
92年9月30日といいますから、
たったの16年前の話し。
ごっさんは、もう中学3年生になってました。

それ以来、現在までのネットの進化の速さは、
もはや、イギリス「産業革命」なんて問題にならないくらい、
人間の文化と生活に全てを変えてしまいました。

あまりに変革が早いので、
いろいろ追いつかない事も多く、
昨今では、ネットでの著作権や、
「iPod課金」などの問題が「時代遅れなのでは」
「今の時代に求められているものを」などと論議されております。

その辺の話しはちょっと横に置いておきまして、
意外に語られないのが「著作隣接権」。

分かりやすく言えば、
著作物(CDでも本でも何でもいいですが)を作る際、
発生した費用を負担した人の権利、とでも言えばいいでしょうか。

例えば、ベートーヴェンの交響曲を録音してCDにするとします。

ベートーヴェンは、とっくの昔に鬼籍に入ってますから、
当然、「著作権」は切れています。
演奏しようが録音しようは配信しようが、
その対価を、ベートーヴェンの子孫に払う必要はありません。
(いるのかな、子孫って??)

でも、録音するという事は、それ相応の費用がかかります。

まず、楽譜を用意する。
買う、もしくは借りる、という事になります。
入手するためには、送ってもらうなら送料が、
買いに行くなら交通費がかかります。
フルオケの楽譜一式なんて、そう安いもんでもありません。

オーケストラは、少なくとも50名、多ければ100名にもなります。

オケの奏者のギャラは、まぁ、大体、1回の録音で2万か3万、
ってところでしょう。
それだけ聞くと、意外に安いような、と思いますが、
2万が50名でも100万円、3万が100名なら300万円!
結構な額が、一度に発生します。

ホールを借りるのは、これもピンキリですが、
1日借りて10万のところから、50万のところまで。
録音は、たいがい2日くらいは最低かかりますから、
20万から100万、という感じでしょうか。

録音するという事は、録音エンジニアが働きます。
たくさんの機材を必要としますが、
これらも、相当の費用で買ったり借りたりしたものです。
もちろん、エンジニアさんの給料(ギャラ)だって発生します。

録音が済んだら、マスターを作って工場で製造し、流通に載せて、
あちこちでプロモーションもして・・・、となると、
1枚のCDを作るのに、まぁ、安くあがって500万、
普通に考えても、だいたい1000万くらいの経費がかかる、
と考えていいでしょう。

1枚3000円のCDを5000枚売って1500万円の売上。
でも、CDって、5000枚も売れないんですよ。
世の中の多くのCDは、500枚も売れれば御の字。
日頃、オリコンあたりで目にする「ミリオン」なんて数字は、
ごくごく一部のアーティストのCDだけの話しですから。
\3000のが500枚って事は、売上は150万円なので、850万円の赤字!

CDを作るってのは、結構大変な事なのです。

クラシックのフルオケを例にとったのでバカ高いですが、
J-POPだからって、これより安い、とは限りません。

こういった諸々の費用をレコード会社は負担し、
その代わり、その音源を自由に扱う(売るなり売らないなり)権利を得ます。
それを「著作隣接権」と言います
(かなりおおざっぱな解釈ですが、間違ってはいません)

ここではCDを例にとりましたが、
他の著作物に関しても似たようなものです。

そう考えると、CDなど著作物を安易にコピーする事が、
製造販売している会社に大きな負担になる事、
それが、文化そのものを破壊する事に繋がる事が分かると思います。
そんな実体を、一人でも多くの方にご理解いただきたいなぁ、と思うのです。

それは、例えば勝手サイトの違法「着うた」でも同様です。
著作隣接権を持つ会社は、当然、
その著作物の二次利用(CDの音源を着うたにする、など)についても
権利を持っています。商品なので当然です。

「好きな曲だから、いろんな人にも聴いてもらいたいから」
などと言うと、非常に文化的に聞こえますが、
それは実はとんでもない話しなんですよ。

デジタルの時代になると、完璧な複製をいとも簡単に作れるので、
何でも無料でいいものが手に入る、と錯覚しがちですが、
そもそも、創作物を作る人達がどうやってメシを食っているか、
という事を考えれば、迂闊な事はできないはずなのです。

どんなにネットやらデジタルやらと言っても、
人間は三度の飯(二度かもですが)を食わない事には生きていけません。

その辺の「メシの種」の事が改善されれば、
コピーして配るなり、ネットに上げるなり、
どうぞいくらでも、ってなると思うんですけどね。
その方が、工場を動かす必要がないので、
効率は非常によろしい。
そんな時代を、模索していかなきゃいかなぁ、と思ったりしております。

・・・と、ここまでの話しとは随分次元が違うかもしれませんが、
こんな記事がITmediaに載ってました。
根幹部分では同じ事です。ご参考までに。

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