「yashica-8」を購入
昨日、毎度ながらハードオフに行きましたら、
やたら8mmキャメラのジャンクがゴロゴロしていました。
※先に補足しておきますが、
8mmと言っても、SONYが80年代末に発売した磁気テープのVTRじゃないですよ。
8mm幅のフィルムに記録する映像キャメラです。
なんて言っても、若い人はチンプンカンプンですかね。
って、自分も若いつもりでいますけど(汗
※なんとなく、映像用のカメラは「キャメラ」と呼ぶ方が、
しっくりくるような気がするのはごっさんだけ?
そんな8mmキャメラの中に、
小型でシンプルで、しかも使えそうなものがありました。
「yashica-8」。なんと、ヤシカも8mmを出してたんですね。
※「ヤシカ」は、現在の京セラです。
なんとゼンマイ式!の8mmキャメラですが、
店頭で、ジリジリとゼンマイを巻いて、
シャッターボタンを押してみると、
「ジジジジジジジジジジジ・・・」
を、動いてるじゃないですか。
露出計も何もない、昔ながらのキャメラなので、
「ゼンマイ巻けて」「シャッター動いて」「レンズついていれば」
撮影する事が可能なはず、と思い、
一方で、値段も数千円程度だったので、
ダメでもオブジェにはなるな、との判断で購入してきました。
嗚呼、ついに8mmの世界に顔を突っ込んでしまった・・・(汗
SO905iCSと並べてみましたが、
割と小型ですよね。
昔から、「映像を撮れる小型の撮影機」
というのは、需要があったんですね。
今風に言えば、SONYのHDハンディカム「HDR-TG1」みたいなもんですね。
このキャメラ、レンズが2個ついています。
昔の映像用キャメラは、レンズを切り替えて使えるようになっています
(今みたいに、ズームレンズなんてものはありませんでしたから)
いずれも「Cine Yashinon」と書いてあります。
短い方は13mm F1.4、長玉は38mm F1.4
(映像に使うフィルムは感度が暗いので、開放値が明るいですね)。
マウントはネジ式で、直径が15mm程度。
調べてみると、どうも「Dマウント」という、
古い8mmカメラとしては最もスタンダードなマウントのようです。
8mmのフィルムキャメラと言ってもいろいろ種類があり、
この「yashica-8」は古いものなので、
「ダブル8」という規格のもの。
16mmのフィルム(今でも、ドラマや映画で使われる事がある)を用いるもので、
まず片方半分を使い、最後まで使ったらひっくり返して、
もう半分の方を使う。現像したら、真っ二つに割いて、接合する、というものです。
カセットテープみたいなもんですね。
でも、カートリッジに入っておらず、フィルムむき出しなので、
ひっくり返す時は、ダークボックスなど遮光できるものの中で、
が必須となります。
空のリールが入っておりましたので、
買ってきたフィルムの端を、このリールに巻き付けて装填します。
最後まで使い切ったら、ひっくり返して「B面」に撮影。
それも済めば、元のリールにフィルムが戻るので、
付属のリールは常に手元にある、という事になります。
後に、カートリッジ式で操作が簡単、かつ、音声の記録もできる、
というスーパー8(Kodak)、シングル8(フジ)が登場し、
「ダブル8」は過去の規格となりましたが、
そもそも、映画用の16mmフィルムを使いますので、
ある意味、8mmが廃れても使いつづける事ができるかもしれない、
という期待感があります。
だからって、Kodakに電話して「映画用の16mmフィルムを○フィート下さい!」
なんて注文をできるわけでもないので、
都内に存在する8mm専門店(機材の販売から、フィルムの販売・現像までフォロー)
が、そんな映画用フィルムを裁断して分売していますから、
それを用いる事になるだろうな、と思います。
※以前、テレビで見かけて気になっていた、
墨田の「レトロ通販」に行ってみようかな、と思います。
で、撮影し終わったら、
まさか映写機で壁に投影するわけにもいかないので、
すぐに、デジタル化してDVDにでも焼いてもらう事になるかな、
と思います。
理論的には、家のスキャナで1コマずつ取り込んでいき、
BMPないしTIFの画像にしておいて、
それをズラッと並べて動画にエンコードすれば、
かなり高画質なムービーにできると思うんですが
(静止画の段階で1920×1080にしておけば、HD動画になりますしね)、
まぁ、そこまでの根性を発揮できるほど、
時間と我慢力があるかと言えば、自信はまったくありません(汗
写真上のスライド式のバーは、ファインダーの焦点距離を指定するもの。
このカメラには13mm、38mmのレンズがついているので、
レンズをグルッと回してチェンジしたら、
このスライドも動かして焦点距離を手動で切り替えるわけです。
真ん中のダイヤルを回すと、フレーム数が変わります。
「ダブル8」時代の8mmキャメラは、
16フレーム/秒が標準だったようなんですが、
このキャメラは、8フレや、TVフレ(15コマ/秒。
そもそも、テレビは30フレ/秒ですが、インターレース表示のため、
もし30フレ/秒で撮影すると、すだれ状態になってしまいます)、
映画と同じ24フレ(近頃、ブルーレイの普及でにわかに注目されてますね)、
そして、なんと64フレ/秒でも撮影できる、というハイスペック!
フレーム数を変えると、シャッターの音もすごい事になっていきます。
録音して、mp3にしてみました。
まず、標準の16フレーム/秒だと、↓
「16frame.mp3」をダウンロード
映画規格である24フレになると、ちょっとうるさくなる↓
「24frame.mp3」をダウンロード
32フレ(何に使う?)だと、かなり「映写機」っぽい音になる↓
「32frame.mp3」をダウンロード
64フレだと、かなりけたたましい音になる。↓ちなみに、これら4点、録音レベル同じです。
「64frame.mp3」をダウンロード
もし、これでちゃんと映像を撮るなら、やっぱり24フレでしょうね。
BDの規格とも相性がいいですから、
あとでデジタル化するのに楽そうです。
ただ、フレーム数が上がると、ゼンマイをフルに巻いても、
10秒とか、20秒とか、ちょっとの時間しか撮れません。
今の時代、HDD内臓のムービーだと、HD動画を数時間撮れます、
なんてのも当たり前ですから、あまりに不便そうに感じます。
ちょうど先日、「鉄道写真の神様」と、我々兄弟があがめ奉っている、
広田尚敬氏のブログ(氏のブログが読める時代になるとは、感慨深いです)
を読んでましたら、
昔は、映像を撮るのは気迫のある仕事だったのだ、と述懐されてました。
それを読んでいた事も、「ゼンマイ式のキャメラ」を欲しくなった理由の1つです。
今も昔も、広田さんの一挙手一投足には、影響されっぱなしです。
さっきも書いたとおり、「ダブル8」は音声記録できない規格なので、
音も一緒に残したい、と思ったら、レコーダも一緒にもっていって、
撮影後に、PC上でオーバーラップさせる、という手段が必要になるでしょう。
まぁ、昔とは違って、その辺の作業が「不可能」ではない時代になった、
というだけでも、喜ばしい限りです。
映像は古めかしいのに、音だけはデジタルの96KHz/24bitです、
なんてシッチャカメッチャカな映像を作ってみたいですね(笑)
「yashinon-8」のロゴが古めかしくていい感じ。
なかなか「持ってていい気分になる機械」です。
早く、試写をしてみたいところです。
| 固定リンク
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- ペンタックス「フィルムカメラプロジェクト」に寄せて(2022.12.20)
- 「すずめの戸締まり」に出てきたあの場所3選(2022.11.20)
- 大糸線廃線?問題、活性化へ向けての私見(2022.08.01)
- 追悼・西村京太郎氏~「西日本鉄道殺人事件」を読む(2022.03.07)
- 鉄道写真は「ありのまま」こそが美しい(2021.04.12)
「カメラ」カテゴリの記事
- 銚子へ ~Canon PにFerrania P30を詰めて (3)髪毛黒生駅、もとい、笠上黒生駅(2024.07.13)
- 銚子へ ~Canon PにFerrania P30を詰めて (2)本銚子駅(2024.07.11)
- 銚子へ ~Canon PにFerrania P30を詰めて (1)序章(2024.07.10)
- COSMICAR TV 6.5mm F1.8は、Nikon 1 J5の良い相棒(2023.08.23)
- ペンタックス「フィルムカメラプロジェクト」に寄せて(2022.12.20)
コメント
mits tosh様
すっかりレスが遅くなってしまい、失礼しました。
いやぁ、実際に動く画を見られて感動しました。
恐らく、日本で本格的に8mmが広まったのは、
フジの「Single8」が発売されて以降の事だと思うので、
「ダブルエイト」のフィルムで撮影された映像は、
なかなか残っていないような気がします。なかなか貴重ですね。
まだ他にフィルムがあるようなら、是非テレシネしてもらって、
YouTubeにアップされると良いのでは、と思います。
投稿: ごっさん | 2016年1月 4日 (月) 22時29分
はじめまして。つい最近、ヤシカ8で撮影したフィルムが出てきたので、デジタイズし、YouTubeに載せました。当時の撮影行記述から撮影機種が分かりました。鉄道ファンでない方から見るとボケたなんでもない映像かもしれませんが、本当に貴重な映像だと考えています。どうぞYouTubeでご確認ください。
投稿: mits tosh | 2015年12月13日 (日) 10時03分
2008年6月 8日 (日)
「yashica-8」を購入
またの名を「浪花のバタやん」だす。
今度は偉い美しいヤシカ8見せてもらい、感動です。
小生も飾っていますがな・・・
前にお便りしましたな。
ほなごめんヤス。
投稿: 太秦右京 | 2013年6月30日 (日) 07時30分
牛若丸様
はじめまして。コメントありがとうございました。
また、リンクのご報告もありがとうございました。
お役に立てて嬉しいです。
現実には、その後、フィルムを買う事もなく、
本当にただの「飾り」として余生?を過ごしております。
レンズだけは、デジカメを改造して取り付けられるようにして、
一応、撮影できるようになっております。
一番右上の検索窓で「Dマウント」と入力して頂けると、
その辺の話しもいろいろ書いてあります。
ニコンやオリンパスのレンズも買い足しました。
レンズの方だけは、いろいろと遊んでおります。
ブログ拝見しました。
とても「夢の国」のネズミとは思えないですね(笑)
出来れば、動く画も、そのうち拝見したいものです。
投稿: ごっさん | 2011年4月 8日 (金) 23時15分
初めまして
牛若丸と申します。
ヤシカ8で検索してこちらの記事に辿り着きました。
私のブログで約50年前にヤシカ8で撮影した画像を掲載しカメラの紹介としてこちらの記事に記事中リンクを張らせて頂きました。
細部まで紹介されていて大変懐かしく思いました。
このカメラは父が使っていたもので、私も撮らせて貰いました。
1971年に徳島で阿波踊りの撮影に使用したのが最後だったように思います。
記事に書かれているフィルムの反転はダークバッグ無しで、自分の体で影を作って素早く入換える事で何とかなりました。端の数秒間は光が被りますが、その後は問題なく撮影できました。
PCの作成やレンズの分解など色々されている様ですのでまたゆっくり拝見に伺いたいと思っています。
まずは、リンクの御挨拶でした。
投稿: 牛若丸 | 2011年4月 8日 (金) 12時12分
なるほど、ガワを使って中身は当世風ですか。
同じのをもう1個売ってましたから、
それも買ってきてばらしてみましょうかね。
でも、個人的に、前から、
8mmの描写に興味があるんですよ。
なので、これは、現役復帰を目論んでおります。
さすがに、3本もレンズついているのは、ないですねぇ。
あっても高いですね、5000円でお釣りがくる8mmなんて、
こっちにはあまり売っておりませんですよ。
どこかの家の押し入れを捜索させてもらって、
それをもらってくる、って手段もあるかもですがね。
投稿: ごっさん | 2008年6月 9日 (月) 23時08分
おお~レンズがターレットだーすげ~~
中身を生かす方向なのですね~
わしなら、小型のデジタル録画装置放り込んでしまいたいです・・・夢も浪漫もぶち壊しですが・・・因みに、3本ぐらいついてるのが売ってましたか?
投稿: 金長狸 | 2008年6月 9日 (月) 19時47分