盛り上がらないなー
興味ないなー
と、8/7までは思ってたんですけどね。
うちの奥さんが、どうも熱烈な五輪ファンだったようで。
いつもは見もしない番組表雑誌を買ってきて
「今日は何を見ようかな。ひょひょひょ」と笑っております。
で、僕がPCをいじったりしている横で
「よっしゃー!」「おー!」「おしー!」
と大はしゃぎ。
そうなってくると、僕も興味を抱かずにはおられませんわな。
女子ソフトの表彰式の頃になると、
日の丸を見てウルウルしそうになるくらいでありました。
やっぱ、「何か」があるんですね、五輪というものには。
そして、ついつい「にわか評論家」のような戯れ言の1つでも言いたくなるわけです。
そんなものはネットに氾濫していると知りつつ、
ちょいと思いの丈を。
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東京五輪以来のお家芸、柔道は、
「波乱」と言われる展開が続いた。
なんて事は今更触れても仕方ないので省略。
一番印象に残った試合は、上野雅恵選手の決勝戦。
「一本!」という審判の判定の後も、押さえ込みを解かない上野選手。
実際のところ、「今の一本?」かどうか、ちゃんと確認するまでは、
という事で押さえ込んでいたらしい。
やった!、と思って実は違った、なんて事の無いよう、
「念には念を」の精神、ですね。
そして、その直後も、大声援の歓声の中、
一礼をし、畳を降りるまでは、決して表情を緩めませんでした。
「礼に始まり、礼に終わる」
高校の柔道の授業の時、「柔道場に出入りする時は、必ず一礼する事」
と先生から教わりました。
それもあって、「最近の柔道は、畳の上で飛び跳ねたり、ガッツポーズしたり。
なんか違和感あるなー」と思ってましたので、
上野選手の決勝戦「の後」は、とてもすがすがしいものでした。
柔道の礼儀、と言えば、今回の柔道で、
メダルのプレゼンターをつとめた、東京五輪メダリストのアントン・ヘーシンク氏。
東京五輪の試合で一本を決めた時、
オランダ選手団は喜びのあまり、畳の上に駆け上がろうとしたそうですが、
金メダルを決めたヘーシンク氏は冷静に、その人達に「マテ!」と制止し、
決して畳には上がらせず、最後の一礼まで「形」を崩さなかったそうです。
ヘーシンク氏が、上野選手にメダルを授与したかどうかは失念しましたが、
「礼」「道」を重んじる柔道を、久しぶりに見た気がします。
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柔道は、篠原さんの解説が最高だったなぁ。
「石井は、しゃべらん方がいいですね。」
が、流行語大賞になるかもしれない勢いですが(ウソ)、
他にも、
アナ「篠原さんは、(外人同士の試合について)こういう試合だと喋らないですね」
篠原さん「えぇ、こういうツマラン試合はダイキライですから。」
アナ「ヘーシンクさんは大きいですねぇ」
篠原さん「上村さんも大きいですよ」
※上村さんは、メキシコ五輪のメダリスト。
ヘーシンクさんと並んでプレゼンターをつとめる。
偉「大」な人、という意味での大きい、という事のよう。
どこか、「篠原語録」のDVDを出してくれないものだろうか。
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「史上最強」の文字があまりに虚しい野球。
結果は負け越し、韓米キューバには1勝も出来ず。
WBCで世界一になったのが、今となってはウソのよう。
とにかくガックリで、どうもやる気が出ない、ここ数日。
でも、当たり前かもしれません。
本当にいい選手は、みな海の向こう。
正直、「すごみの無い打線だなー」と思いました。
結果は、ご覧の通り。
監督が監督ですから、「打低投高」になるのは分かり切ってましたが、
にしても、という感想。
とりあえず、「コワイ」人がいないのはいかんのではないか、と思います。
極論、清原選手を4番に座らせておく、と。
結果はいいんですよ、この際。
ピッチャーを「ギロッ」と睨み付けてもらい、
ストレートを投げてきたら、ホームランならぬ、ピッチャーライナーを一発。
ヒッ!、とビビらせれれば、こちらのもの。
まぁ、極端な意見ですが、そういう事も見据えて、来春のWBCに繋げて欲しいものです。
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女子ソフトの決勝の素晴らしさは、言わずもがな。
解説の宇都木監督がスゴかった。
いけー!!
おっけー!!
よーし!よーし!!よーーし!!!
やった~~~!!!
※まさか、放送席から「監督」してたのでは、ってくらいです。
・・・こういう解説(?)が許されるのも、宇都木監督だからこそ、ですね。
そりゃ、感無量でしょう。
メダルを決めた瞬間以降、テレビのスピーカから、
宇都木監督の解説は聞こえなくなり、
ただただ、歓喜にむせび、涙する声だけが聞こえてきました。
少し時間が経って、表彰式の中継。
選手一人一人にメダルをかけてもらている映像を見ながら、
落ち着きを取り戻された宇都木監督は、
「○○は、アテネの時は・・・」「●●は・・・」
と、それぞれの選手の思い出を語ってらっしゃいました。
誰よりも日本ソフトボールの事を気に掛け、愛してらっしゃる、
宇都木監督ならではの、感動的な表彰式でした。
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県民としては、女子の400mと800m自由形は気に掛けてました。
五輪前から、亜衣ちゃんは、水着の事などで、悩んでいた様子。
果たして、本当の泳ぎができるのか・・・
カメラに映る亜衣ちゃんは、いつものようににこやかな笑顔でしたが、
結果については、皆さんもご存じの通り。
泳ぎ終えた後のインタビューで、
「自分自身の精一杯の泳ぎをしたつもりだったのですが・・・」
という亜衣ちゃんの言葉に、インタビュアーから
「そういう姿勢は素晴らしいと思いますよ」
と声をかけられ、感極まって涙する様子、胸に染みました。
メダルの重圧、勝つ事の意味・・・
振り返ってみると、メダルを取ってガッツポーズを決めている選手よりも、
すぐ隣のレーンで泳いでいたライバルと肩を組んで健闘をたたえ合う北島選手や、
金銀を最後まで争いつつ、互いの健闘をたたえ合う、ロシアとグルジアの射撃の選手や、
表彰式で金メダルの台に上る前に、
銅と銀の選手に握手してから昇った、「中国のヤワラちゃん」や、
「負けて」獲得した銀メダルをニコニコと掲げる塚田選手や、
結果はビリなれど、最後まで走りきったマラソンの佐藤選手と、迎える観客の歓声。
そういったものが、強く印象に残る五輪でした。
開催地がどこであろうと、「スポーツマンシップ」の美しさに触れ、
いい気持ちになった、夢と幻の2008年8月でありました。
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