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2008年11月15日 (土)

喜多見でレンズ4本を試写

喜多見の「お立ち台」では、
何度も小田急撮っていたような気がしていましたが、
ちゃんと三脚をかついで撮影に行ったのは、
去年7月、東急8000系を撮影に行って以来なので、
実は1年4ヶ月振り、となります。
我ながら、意外な感じ。
毎日、通勤等で通っているから、そう感じていたのかもしれません。

今日は、撮影、と言うよりは、
ここ最近購入した4本のレンズの試写を目的に喜多見へ行ってきました。

今日試してみたレンズは、以下の4本。

Nikkor-Q Auto 200mm F4.0
Nikkor-Q.C Auto 200mm F4.0
Ai Nikkor 135mm F3.5
Tokina SD 100-300mm F4.0 AT-X340

これらのうち、Nikkor 200mmの2本と、
TokinaのAT-X340については、
ここ最近のエントリーでも詳しく経緯を書いた所です。
(200mmはここここ、AT-Xはここ

135mmについては、200mmを購入する少し前、
新宿西口のキタムラにて購入したもの。
本当は、同じ135mmの、Auto Nikkor時代の古いものか、
同じ光学系のNew Nikkorが欲しいなぁ、と思って探していたのですが
(古い光学系は、Sマウント時代以来のもので、3群4枚のゾナー型)、
この、Ai化に際して新しい光学系になったレンズが、
無傷の正規中古品で「\3.800-」!
更に、その日は全中古品10%引きだったため、
更に\380安くなって「\3.420-」ポッキリ!

これじゃ、買わんわけにはいかんでしょう

さて、実際の試写では、これらの4本のレンズの、
「開放」「F5.6」「F8」の、3つの条件にて撮影し、
その描写を比べる、という形で行いました
(AT-Xはズームなので、100mm、200mm、300mmの3つの焦点域に設定、
都合、全部で18枚の写真を比較する事になります)

以下に、「ピントをあわせた所」「ボケたところ」のそれぞれ、
等倍で切り抜いた画像を、参考までに並べてみました。

切り出し箇所のイメージは、以下の通り。

Dsc_048201

赤い丸が2箇所ありますが、
「ピントをあわせた所」のサンプルは、
電車の顔の、型式番号など、ピントの分かりやすそうなところ。

これはしかし残念ながら、微妙にピントのあってないのもあり、
あまり参考にならないかもしれません・・・
しかも、撮影始めた時は晴れていたのに、
だんだんと曇っていき、撮影終える頃には雨になっていたので、
ますます、こうして比較する意味が分からなくなっているのですが・・・

まず、電車の顔の切り出し結果です。

081115test_1

AT-Xの数枚は、先ほどの言い訳の通りなので、
解像度が甘い、とは決められない気がしますが、
にしても、ニッコールの3本は、開放からシャープで、
ステンレスの質感まで伝わってくるようです。

AT-Xも、ピントさえあえば、同様の結果が期待できそうです。
ただ、ピントをあわせている感じでは、
ピントの山の「薄さ」が半端でなく、
また、ファインダーで見た感じ、ニッコールの方は、
「あ、ここがピンの山だな」とすぐに分かるものが、
AT-Xだと、くるくる回しながら「ここか?ここか?」と悩まないといけなかったので、
確実性には乏しいかもしれません。

さて、次にボケ、です。
これは、背景の、架線が入り乱れているところから、
ほぼ同じ場所を切り取っています。
とはいえ、焦点距離の違うレンズだと、
切り取られる場所に写っているものの大きさが違うので、
これまた、どこまで参考になるのやら、ですが・・・

081115test_2

これは、結構差が出ました。

架線に付いている突起物が、
AT-Xの開放だと、完全にリングボケし、ミラーレンズで撮ったようです。
これも、ファインダー覗きながら「ボケがぐぢゃっとしてそうだなぁ」
って気がしてたんですが、その通りとなりました。

Nikkor 200mmは、上の方がモノコート、下の方がマルチコートですが、
むしろ、モノコートの方が、色収差が少ないように見えます。

分解の練習と称して、何度も何度も分解したモノの200mmですが、
その過程で、光軸調整用と思しきネジを回してしまい、
ギャッ!、と思ったのですが、今回の試写の様子では、
特に問題があるようには見受けられませんでした。
くわばら、くわばら・・・

135mmは、F8まで絞ると、かなり遠い背景までシャープに写ります。
この写真でも、架線に付いている「ギザギザ」を、
最も先鋭に写し取っています。
とても、\3.420で買ったレンズとは思えない写りです(笑)

今日試した中では、AT-X340が一番「イマイチ」でしたが、
基本性能自体は高く、充分使えるレンズだと思います。
ただ、折角「100-300mmだけど開放F値がF4」という特徴をもちながら、
開放で撮るとこのボケ具合、というのは痛いものがあります。
まぁ、\4.200で買ったレンズに文句を言うのも、という話しもありますが・・・

て事で、いくつかの写真をご紹介いたします。

Dsc_046401
Nikon D80
Nikkor-Q Auto 200mm F4.0
1/1250秒 F5.6 (ISO400)
小田急 喜多見駅構内(下り線ホーム上り方)
2008年11月15日

最初に、モノコートの200mmを試写している時に、
毎度の7004Fが通りかかりました。
逆光でなければ、モノコートだからと、問題になる事はなさそうです。
色合いも、マルチコートじゃないと不安になりそうですが、
特に気になる事もありません。

Dsc_047401
Nikon D80
Nikkor-Q.C Auto 200mm F4.0
1/800秒 F4.0開放 (ISO400)
小田急 喜多見駅構内(下り線ホーム上り方)
2008年11月15日
※トリミング済み

今度は、マルチコートの200mm開放で撮った1枚。
少しも気になるところがありません。
最初、窓に写り込んだ緑色が「内面反射のせいか!?」と思い、
何のためのマルチコート!、と思ったら、
丁度、すぐ手前にある信号が写り込んでいたのでした。
あー、ビックリ。

開放でも、APSサイズのセンサーで写すと、
どうしても、あまりボケなくなりますね。
そのために、35mm判と同じフルサイズセンサーが望まれる、
という一面もありますね。

Dsc_048501
Nikon D80
Ai Nikkor 135mm F3.5
1/800秒 F3.5開放 (ISO400)
小田急 喜多見駅構内(下り線ホーム上り方)
2008年11月15日
※トリミング済み

135mmも、開放からキリッとした写りをしています。
多少、無機質な感じもしますが、
鉄道撮るのに問題になる事もありません。
そもそも、ニッコールとはそういうレンズですので。

ただやはり、Auto Nikkor 135mm F3.5のゾナーだと、
どんな写りになるんだろう、という興味もあります。
このレンズがいいレンズだからと言って、
Auto Nikkorを買わないつもり、というわけではありません

Dsc_052401
Nikon D80
Tokina SD 100-300mm F4.0 AT-X340
1/1000秒 F4.0開放 (ISO1600)
小田急 喜多見駅構内(下り線ホーム上り方)
2008年11月15日

新宿からHiSEが戻ってくるのが分かっていたので、
それを撮ったら帰ろう、と思っていましたが、
すっかり雨になってしまい、
否が応でも開放で撮らなきゃいけない条件でした。

折角なら、Nikkor 200mmに戻そうか、とも思いましたが、
この場所から300mm(=35mm判で約450mm)で撮る、
ってのは初めてで、この高圧縮な感じもいいな、と思い、
ちょっと試しで何枚か撮り続けてみました。

相当暗くなっていますが、割といい感じで撮れて、
まずは満足のいくところです。

こうして「ガチンコ勝負」してみると、
それぞれのレンズの良さ、悪さがよく見えてきますね。

にしても、さすがNikkorの単焦点レンズ、
恐ろしくいい描写をするな、と、軽くビビッているところです。

D80では、「Ai改」ないし「Ai」じゃなければ付けられませんが、
それらの単焦点レンズは、もっぱら、
1万円するかしないか、という安い値段で売られています
(もちろん、珍レンズの類は除きますが)。
これらをうまく活用すれば、ズームレンズでは期待できない、
高い描写を堪能できそうで、ますます楽しみになってきました。

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コメント

@シュンジさま

コメントありがとうございます。

新しいレンズも良いんでしょうが、
どうしても、スーパコンピュータで計算し尽くすと、
行き着く所に行き着くというか、
どれも同じな気がして、個性を感じられません。
なんて、贅沢な悩みですが・・・

その点、古いレンズは、いろいろ難点はあっても、
このレンズはこんな描写・・・、というのがおもしろく、
ついつい、無駄な出費を重ねてしまいます^^

Nikkor 43-86mmなんかも、
世間では「ひどいレンズの代名詞」みたいに言われますが、
なんとなく「いい写真が撮れそう」な気がしてきます
(と、まだ持ってないですけどね)

D80だと、Ai改じゃないといけないので、
どうしても選択肢が狭くなってしまいますが、
いろいろ懐かしいレンズで遊んでみたいと思います。

投稿: ごっさん | 2008年11月24日 (月) 01時24分

非Aiのニッコールレンズを、Ai化させずにD40で撮ってる私としては、非常に楽しい内容です。
古いレンズでもそこそこいけるNikonというメーカのすごさをもっと皆に分ってもらいたいものです。

また訪問させて頂きます。

投稿: シュンジ | 2008年11月23日 (日) 23時12分

「特徴のないのが特徴」

なんて日本語は、普通、いやみっぽい、というか、
皮肉を込めて使う言葉だと思うが、
こと、135mmの描写を目の当たりにすると、
突き詰めれば、これは強い武器だな、と思った次第。

やっぱ、ここぞ!、って時に確実に仕留められる武器が、
手元にあるってのは、安心だし、心強いものだ。

今、興味のあるオールドレンズと言えば、
悪名高き?「Komura 925」だが(笑)、
今の目線でこういうレンズを使ってみた時、
少々写りに難があっても「これはこれ、味があってよろしい」
などと寛大な気持ちになれるのは、
50本もレンズがあって、場合によって使い分けられる、
という環境にあるからで、
これが、このズーム1本で、カメラにネオパンを詰めて、
全国のSLを撮って回った当時の「鉄」の皆さんにしたら
「使っとれるか、こんなレンズ!」
とお怒りになるのも、ごもっともな事だろう、と思う。

どこのジャンクコーナーを見ても、
Komura 925のまともなジャンクを見ることが無いところに、
当時のカメラマンの怨念を感じる今日この頃

投稿: ごっさん | 2008年11月17日 (月) 22時47分

AT-X>ボケとか何とか
初期の大口径望遠ズームとあって
何処かしら設計の無理が感じられて来ますな・・・
とは言いつつ最後のHiSEの作例とか見てると、AT-Xの意地が垣間見れるような画像が撮れている。
デジタルとの相性は悪くない部類だったような覚えあるし、普段使いに活用してみては・・・って重いかw

ニッコール系列は、とてもいい意味で「つまらない」レンズと思っている。
本当に誤解のなきよう、厭味でもなんでもなく、褒め言葉としての「つまらない」。
当方のDX18-70EDなんてまさしくその代表選手で
結局、あまり深く考えずに撮れる安定度の高さ、クセらしいクセもなく、無機的ともいえる率直で精緻な描写など
撮れる画像の歩留まりの高さと、そこに費やす「無駄な意識」の少なさが
ああ、俺はこのレンズを使っているんだ・・・という感覚を薄れさせ、ある意味「撮れて当たり前」の感覚に近付き
いつの間にか、そうさせて貰っている有難味を忘れてしまう・・・
優等生ゆえの悲しい性ですねw
で、手放したら手放したで、あとから地味に、ものすごく地味に困って大後悔してしまう。
ワシのニッコール感はこんなんですww


そして今、こっちはαの復活が熱かったりするわけで(爆

投稿: gochi-zoh | 2008年11月17日 (月) 13時39分

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