Minolta Rokkor-TC 135mm F4
先日、中野のフジヤカメラに行った時、
2本のレンズを買ってきたのですが、そのうちの1本、
「Minolta Rokkor-TC 135mm F4」です。
お値段は\1.050-なり~。
前玉・後玉にスリ傷があったり、
ヘリコイド付近のネジが取れてたり
(取れてたネジが本体内に転がって?たので、修復は出来た)、
あまり状態は良くなかったですが、
最近は「ジャンク沼」(笑)に慣れてきた事もあり、
分解清掃して、なんとかそれなりの状態となりました。
※ちなみに、もう1本買ったレンズは、OM Zuiko 24mm F2.8。こちらは\6.300-。
ついに、Pen F用の準広角レンズが!
という話しは、試写に行って(まだこれから)、現像あがってから詳しく書きます。
このレンズの、というか、初期ミノルタSRレンズの事を知ったのは、
まだ2週間程度前の事かと思います。
通称「マウンテン・ロッコール」と呼ばれる、
100mm F4.0(初期型)をはじめ、
プリセット絞りの安価な望遠レンズを、
まだ一眼レフに参入したばかりのミノルタが武器としていました。
これも、そういった安価な望遠レンズの1つ。
ちょっと気になっていた時に目の前に現れたので、
あまり悩むことなく、ついつい買ってしまいました。
「使う事を目的とせず」レンズを買ってしまったのは、
先日からエントリーによく書いている、Nikkor 20cm以来の事です。
旧MinoltaのRokkorレンズは、
フランジバックの関係上、
EOS用のマウントアダプターも無いようなので、
これはいずれ、壊れたSR-101あたりを買ってきて、
それと一緒に展示しておくかな・・・、なんて思ってたんですが、
なんと!M42マウントへ改造できるキットを売っているらしい!
既に、Y!奥にあるのも確認しているので、
それを落として、改造して撮影してみたいと思います。
まさか、PENTAXで使えるようになるとは、
購入段階では、思いも寄らぬ事でした。
ホント、「呼ばれた」ような、不思議な縁を感じます。
このレンズは、3群3枚の「トリプレット」型です。
わずか3枚のレンズながら、収差という収差のほとんどを、
あまり気にならないレベルまで補正できる事から、
安価なレンズ(コンパクトカメラ用など)として多く採用されてきました。
戦後すぐ、レンジファインダー黄金期~一眼レフ黎明期の頃は、
100mmくらいの中望遠レンズでも採用された例が多く、
それらは、小型軽量で直径も驚くほど小さくできる事から、
荷物の多い山登りに最適なレンズ、という事で
「マウンテン」の名を冠せられる事がありました。
今、思い浮かぶところでは、
「マウンテン・エルマー」こと、ライカのElmar 10.5cm F6.3
(これは、戦前のレンズ)、
「マウンテン・ニッコール」こと、ニコンの105mm F4.0
(最初はSマウント、後にFマウントにも移植される)、
そして、「マウンテン・ロッコール」こと、ミノルタの100mm F4.0。
しかし、これも135mmになると、「小型で」、とはいかないようで、
まぁ、大きい、とまでは言わないまでも、
それなりに「普通の」サイズの望遠レンズとなります。
試しに、うちにあるレンズと並べてみました。
一番右が、今回購入したRokkor-TC。
一番左は、Super-Multi-Coated TAKUMAR 135mm F3.5。
タクマーの方が、明らかに小さいですもんね^^
で、真ん中は、TAMRONの「70-150mm F3.5 (20A)」です。
小型軽量の中望遠レンズで、写りもいいので、
個人的に「マウンテン・タムロン」と呼んでいます。
(多分、全国見回しても、僕だけでしょう。賛同者募集中!)
製造年代が全く違いますが、
タムロンの方が、ズームで、かつ、開放F値も明るく、
仕様面では太刀打ちできません。
でも、独特な写りになるんだろうな、という予想は出来ます。
たった3枚のレンズが織りなす描き出す世界は、
どんな風に見えるのか?、とても興味があります。
さて、このレンズ、冒頭にも書いた通り、プリセット絞りです。
最初に、黒いリングの方で、設定したい絞りにあわせておきます。
で、実際にその絞りで写したい時は、銀色のリングを、
白い丸と赤い丸が一致するところ(ここで止まる)まで回します。
すると、所定の絞りに絞られる、という事です。
プリセット絞りは、こういう面倒な作業が発生するという大きな弱点がある反面、
自動絞り機構がついていない事から、レンズの構造自体が非常に簡潔となり、
あまり故障しない、というメリットもあります。
(また、簡潔な構造故に、「M42マウントへの改造」なんて事もできる)
また、自動絞りだと、シャッターを押した瞬間、
シャシャッ、と瞬間的に絞りの開け・閉めを行うため、
あまり絞り枚数が多いと故障原因になるから、との事で、
5~7枚程度の絞り羽根で抑える事が多いですが、
逆に、昔のプリセット絞りの時代は、多くの絞り羽根を使い、
ほぼ「真円」になるように出来ています。
で、この135mmも、実に12枚!の絞り羽根が備わっています。
安価なレンズなので、絞り羽根につや消し処理がされていない、
という点に不安を覚えますが、なんとも「よく写りそう」な絞りです。
妖しく光る、モノコートの輝き。
このレンズが製造されたのは、恐らく1960年前後だと思うので、
総天然色写真(笑)での利用はあまり考えていないのかな、
と思います。
ネット上の作例を見ても、お世辞にも、目を見張るような鮮やかな色合い!、
という感じではなさそうでしたので。
最近はそういう、時代錯誤な写りに惹かれる事が多いので、
このレンズでも、どんな「よくない写り」をしてくれるか、
不思議なワクワク感で「復活」の時を待っております。
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