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2008年11月 4日 (火)

Nikkor-Q 20cm と Nikkor-Q.C 200mm

今を去ること3年半ほど前、
まだアキバに、ジャンクのカメラ屋「Gracias」があった頃。

買ったばかりの*ist Dsで使える、古いレンズを物色するため、
月に1度か2度は通っておりました。
そこで、TAMRON 75-150mmやら、SMAタクマー50mm F1.4やらと、
今も大事に持っているレンズを、格安で購入してきましたが、

はなから「コレクション」目的で買ったレンズが1本だけありました。

「Nikon F」時代の銘玉、Nikkor-Q Auto 20cm F4.0、です。

Dscf0072

そもそも、コレクターでもないのにこのレンズを買った理由は、
まぁ、現実として安かった事もありますが、
外装、レンズともに非常に美しく、
写真を趣味とする人間として、強く惹かれるものがあったからに他なりません。

センチメートル標記の焦点距離が、レンジファインダー時代のNikonを彷彿とさせ、
柔らかく輝くモノコートが、「日本にニッコールあり」と言われた輝かしい時代を彩っています。

そんなAuto Nikkorですが、最初期型なので、いわゆる「非Ai」レンズです。
「Ai改造」を施さないと、手持ちのD80をはじめ、昨今のNikonのカメラには装着できません。
(D40Xなど、一部機種は除く)
今でも、関東カメラサービスなどで改造工事を請け負ってますが、
そもそも「美しさ」に惹かれて買ったレンズなので
(写真を撮る機械の購入目的としては本末転倒ですが)、
改造してまで使おう、という気にはなれません。

と、いろいろ考えながら、それなら、と思い浮かびました。
同じレンズの最後期型、マルチコート化された200mmのAi改を、
別に買い求めればいいのでは、と。

全く同じレンズでありながら、新しいテクノロジーを施された、
伝統あるAuto Nikkorの写りとはどんなものか、とても興味が沸いてきました。

で、安くて良い物を見つけた、というのは、前回のエントリーの通りです。

実写はいずれ、という事で、今回は、この同じレンズの、しかし、
時を経て大きく変わった姿をご紹介したいと思います。

Imgp038801

まず、外観です。左が「Nikkor-Q.C Auto 200mm F4.0(Ai改)」、
右が「Nikkor-Q Auto 20cm F4.0(非Ai)」です(以下の写真すべて)

基本的なシルエットは同じですが、あちこちのデザインが違います。

内蔵フード根本のギザギザは、後期型の方が少し幅広い。

ピントリングの幅も、後期型の方が広い。

レンズ真ん中の、文字が書いてある部分は、後期型は黒塗装で白抜き文字。
個人的には、初期型の「ニッケルメッキ」が好きだったので、
黒だと普通な感じがするなぁ、と思いますが、
手にしてみると、これはこれでいいものです。

絞りは、最小絞りが、後期型は「F32」まであります。初期は「F22」です。
そのため、ピント指標部分に、絞り込んだ時の被写界深度のメモリが、
F32の分まで刻まれています。

あ、写真撮り忘れましたが、
初期型は、絞り羽根枚数は6枚、後期型は7枚でした。
多少は、ボケ味に影響があるかもしれません。

Imgp039401

真裏、です。

ピントリングに刻まれた距離の数字が、初期と後期で異なります。

初期型だと、最短撮影距離は3mですが(今時ないよなぁ、3m・・・)、
後期型だと、2mとなっています。
光学系は変わっていないので、単に、ヘリコイドの繰り出し量が違う、
という事のようです(実際、回してみると、後期型の方が長くなります)

しかし、この写真を見ると、後期型の距離数字の「3m」が、
写真左端の、ほとんど真左部分にあります。
初期型とは、随分離れています。

実は、どうも、同じ角度にヘリコイドを回した時に繰り出される長さ自体、
初期型と後期型で異なるようです。

初期型だと、例えば、∞から5mまで戻すのに、
ヘリコイドをぐりぐりと結構回さないと戻らないのに対して、
後期型だと、少し回すだけで5mまで戻る、という事になります。

これは、超厳密なピント合わせをする上では、
決してよい事ではありません。
少しヘリコイドを回しただけでも、それなりの距離の移動がある、という事で、
遠方であっても「枕木1本以下」の距離の違いでピントをあわせる鉄道撮影では、
ちょっと不利になったのかな、という気がします。
とはいえ、昨今のAFレンズのように、ほんのちょっとしかピントリングが回らない、
というのに比べれば、随分ピントあわせしやすい気がしますが。

200mm_20cm_1

マウント側のレンズ口です。
ちょっと分かりにくいですが、
右側の初期型は、壁面はギザギザ+焼き付け塗装で反射を防止しています。

一方、左の後期型では、植毛が施されています。
コーティングと共に、より強固な逆光対策がなされている、という事ですね。

200mm_20cm_2

コーティングです。
右は、初期型なのでモノコート。
しかし、この薄い紫色に、強く惹かれてしまったわけです。

で、左は、今時のレンズでもよく見るマルチコート。
この輝きも、また美し・・・

・・・ん?

・・・

なんじゃ?


拭き跡!?


店頭でも、家に帰ってからも気づきませんでした・・・。
さすが、マクロタクマー、包み隠さず写し取ってくれますね・・・

レンズの内側なので、分解して清掃ですね、こりゃ。

ちなみに、このレンズは、最前部は1群2枚の貼り合わせ。
まさか、貼り合わせ面の異常じゃないと願いつつ・・・、
見た感じ、拭いた跡に見えるんだよなぁ・・・(ちと消沈)

てな具合で、ちと駆け足になりましたが、
同じAuto Nikkorの200mm(20cm)ですが、
製造時期によって、大きく異なるもんですね。
ちょっとずつ、改良が施され、よりよい物に変化していったんだな、
という事が、実際に、目の前に2台並べてみると、よく分かります。

ちなみに、S/Nは、20cmは「194216」、200mmは「577752」。
このレンズは、途中、マイチェンを重ねる度にS/Nの数字が大きく飛んでいるので、
数字自体の落差ほどには違いは無さそうですが、
それでも、恐らく20cmの方は1965年頃の製造、
200mmの方は、1973年頃の製造と思われるので、
約8年ほどの時差がある、という事になります。

「Nikon F」によって、本格的な「一眼レフ」の歴史をスタートさせたニコンの、
改良と進化の歴史を、垣間見た気がいたしました。

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コメント

まずは、オープナーを買ってきまする
(ヨドバシで良いのが見つからなかったので、
また週末にも改めて)

投稿: ごっさん | 2008年11月 5日 (水) 23時41分

張り合わせ面の異常だと、わりと同心円状に見えることの方が多いんで
このスパッとしたムラは間違いなく拭き痕じゃろうね。

さあ、レッツ無水アルコホォォル!!ww

投稿: gochi-zoh | 2008年11月 5日 (水) 20時20分

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