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2008年12月 7日 (日)

KOMURANON MACRO 90-250mm F4.5

前々から気になっていつつ、なかなか縁のなかった、
コムラーの定番テレズーム「925」を買ってきました。

Imgp049901

モノ自体は、カメラ屋のジャンクコーナーなんかでよく見るんですが、
やたら状態が悪かったり、マウントが付いて無かったり
(タムロンばりの交換式なので)、
あるぞ、と思ったら微妙に高かったりと、
気になりながらも手を出せずにいました。

今回、ネジマウント付き、外装に目立った傷無し、カビは大量にあり
(カビ程度は問題にしなくなりつつある…)で\1.050也、という出物をハードオフで発見、
我、捕獲に成功せり。

1981年に倒産した「三協光機」の名(迷?謎?)レンズ「コムラー」は、
まだまだ純正レンズが高かった60~70年代、
安くて、よく写る(自称)レンズとして名を馳せました。
特に、このテレズームは、
「135mmは望遠、200mmは超望遠」と言われた時代に、
テレ端は250mmもある、
しかも中望遠である90mmからの高倍率ズーム(当時)、
そして開放でF4.5という明るさで、
かなり人気を博した、と聞きます。

※このレンズは「コムラノン」名なので、恐らく70年代末くらいの物。
「K.M.C.」(Komura Multi Coating)を名乗っていますが、
ほとんどの玉はモノコートの模様。

そういえば、実家に、ものすごく古いSLの本があるんですが、
そこに、925の広告が載っていた気がします。
これ1本で、SL撮影は万全…、的な内容だったと記憶しています。

実際、「SLブーム」の最中は、
「Nikon FにAuto Nikkor」なんてのは高値の花なので、
少しでも安く機材を揃えるため、
「PENTAX SPにコムラー925」の組み合わせで、
フィルムはNEOPAN SSで頑張ってました、
という方も多かったようです。

しかしまぁ、コムラー925の評判の悪かったこと(笑)
ネットで、当時の忌々しい記憶を語る方の文章を読んだことがあります。

ちまたに溢れるコムラーのジャンク品が、
どれもオンボロばかりなのは、
「なんたコノヤロー!」と投げ捨てられたからではないか、と、
本気で思える程です。

とはいえ、一時代を築いたレンズなので、
どんな写りをするか、是非試してみたかった1本です。

何はともあれ、レンズのカビを掃除しないといけないので、
徹底的に分解を敢行。
「これは、元に戻せないかも・・・」という所までバラシましたが(笑)、
なんとか、元通りに戻す事ができました。

残念ながら、光学系は完全復活ならず、

・中玉にバルサム切れが1箇所
・中玉に斑点模様付きのクモリ(割ときつめ)

という状態です。
カビは、かなり繁殖(汗)されてましたが、
毎度お馴染み「アミラーゼ・アタック!」(意訳・ヨダレ攻撃)にて清掃、
こちらは完璧に除去できました。

ついでに、交換式のマウントから、バネと部品を撤去。
自動絞りだと、*ist Dsにマウントアダプタ、での撮影に支障があるので、
絞りリングを動かすだけで、絞りが動いてくれるようにするためです。

さて、何はともあれ、試写をしてみますか。

このレンズ、ズームリングとピントのヘリコイドの他に、
マクロ撮影用のリングがあります。

まずは、このマクロで、机上のブツを撮ってみると・・・

Imgp047101


な、な・・・、なんすか!!??


こ、このレンズは、ソフトフォーカスなんすか!?


てゆっか・・・、


めっちゃ綺麗なソフトフォーカスなんすけど!


恐らく、思いっきり球面収差が発生しているから、
それがソフトな効果を生んでいるんだろう、と思いますが、
正直、この写りには、かなり魅了されました。

多分、マクロモードだけだと思うんですけどね。
電車の写真ではこうはならないと思いますが、
はてさて、その結果は、いずれの試写にて・・・

あるいは、中玉のバル切れと、クモリ(しかも斑点)も効いている可能性がありますね。

ソフトフォーカスの中には、
「レンコン模様」の特殊絞りを用いるものも存在する、と聞きます。

もし、このソフトフォーカスが、
「本来の球面収差」「中玉のクモリ(しかも斑点)」
の相乗効果にて発生しているとすれば・・・

これは、「天の授かり物」とでも言える、
世界に2つとない、貴重なレンズである、と言えます。

なんか、そんな気で買ってきたわけでもないのに、
大変な事になってきてしまいました・・・coldsweats02

ちなみに、次回のエントリー用に撮影したPEN Fの写真を、
2枚、下に並べてみます。
いずれも、「デジタル処理」は一切加えていません。

Imgp048501

Imgp048601

いずれも、ピントのヘリコイドは「∞」(マクロモードだと、あまり関係がない)、
ズームはワイド端の90mmに設定、
上の写真は、マクロリングにて、ピントをあわせて写したもの。

ソフトで柔らかい描写ですが、
文字はしっかりと読み取れ、線もしっかりしているので、
かならずしも「甘い」描写ではありません。
割と、解像度は高め、と言えます。

一方、下は、そこから少し、より手前にピントがくるように、マクロリングを少し動かしたもの。

ピントが手前にきているので、後ボケになっている、という事です。
すると、さらにソフトな感じになり、幻想的でさえあります。

これが、逆方向にマクロリングを回し、
後ろにピントがくるようにすると、
前ボケは、かなりヒドイ二線ボケ(四線ボケくらいかな?)になります。

おもしろい、おもしろいなぁ!

近頃は「優等生」なレンズばかりが巷に溢れていますが、
こういう「レンズの収差の勉強」になるようなレンズ、
いろいろ遊んでみると、とてもおもしろい事になりそうです。

このレンズで、手当たり次第に、
ブツ撮りしてみたい、
そんな気にさせられる、まさに「迷レンズ」です!

追記:文章一部修正(10/06/13)

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コメント

mc17様

コメント頂いておりましたのに、レス遅くなり大変失礼いたしました。

SLブーム、また925現役の頃を知る方のコメント、
大変貴重なお話しで興味深いです。
925、デジタルで使っても、とりあえず「どうしようもない」とか
「使い物にならない」といった事はありませんので、
それだけ優秀なレンズだったんだろう、と思います。
メーカーが純正でズームレンズを出すようになって、
コムラーとしての特徴や「売り」が無くなったのも、
市場に残れなかった理由の一つかもしれないですね。

トライXは、当時も今も白黒の定番ですね。
富士も、追いつこう追い越そうといろいろ苦労したようですが、
結局「牙城」は崩せないままフィルムの時代が終わって、
でも会社としては富士の方が生き残った、というのも、皮肉なものです。

投稿: ごっさん | 2014年1月12日 (日) 00時25分

懐かしいレンズの紹介ですね 私は925発売時鉄に嵌まっていた世代です
確かにSP時代の品でしたが 開放測光に移りはじめ SL撮りも学生は101やFTb 等
を買うよに成った時期です フィルムはトライXの長巻缶を買って パトローネを写真屋で貰えば
36枚撮りが170円ほどで作れ 多くの方が利用してました SSの粒状性がSLに合わないと思う人も多かったです
925は当時は評判良かったですよ ズームの出始めでしたから 各メーカーの品 解像度が今一つで
その中では 925は価格と性能で頭一つリードしてました 実際当時のトライXでの写真では 十分
許容範囲の画質でした カラーが増える時期に成るとこのズームが廃れてきてたので
バランスは悪かったのかも知れません フレアが多めでしたが トライXと硬調の印画紙が主流のSL
撮影でしたのであまり気になりませんでした また今見るとダサイ外観も 動態物には最適なヘリコイド配置
でそれも人気の出た一つと思います 925持ちと言って友人仲間で持ち方談議したものです
  

投稿: mc17 | 2014年1月 5日 (日) 01時53分

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