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2009年1月15日 (木)

HANIMEX 135mm、その正体は?

*09/12/30追記:またまた絞りの粘り再発、
再清掃時にばらし方の記録を取り、アップしましたので、ご参考までに。


Dsc_086501

ハードオフで、変わったレンズを見つけました。

HANIMEX AUTOMATIC 135mm F2.8

素性は分からなかったですが、
作りが大変良さそうであった事、
Pマウント(M42マウント)ですが、
絞りは手動と自動が選択でき、デジタルでも使用できる事、
レンズにカビ等みられず状態が良かったこと、
一方で、ヘリコイドはカラカラと空回りし、
絞りはビクともしないほど固着するなど、
腕が鳴る状態であった事(?)、
そして、値段も\1.575と手頃であった事などから、
購入してみました。

帰って、何はともあれ分解です。

ヘリコイドがカラカラと空回していた原因は、
単にイモネジが揺るんでいただけでした。

では、絞りは・・・、と思って、更に分解を進めていきますが、

中玉を取りだしてよく見てみると・・・

Dsc_087501

組み上げてからの写真なので分かりにくいかもですが、
赤い丸の部分、なんと「打ち傷」があります。

何か、キリのようなものをガツン!、と当てたような、深い傷です。

「なんと、これは分解品・・・」

ちょっと不安になってきました。

その不安は、見事的中。

微動だにしなかった絞りをばらしてみると・・・

油まみれ~

をいをい、絞りに油を差したのはどいつぢゃ~

少し油がつくだけで粘るのが絞り、そこに、
「油漬け」のごとく注油してあるんですから、
そりゃ、動かなくて当然です・・・

幸い、ばらして無水アルコールで拭き取ったら、
快適に動き始めたので、機構的な問題はありませんでした。

※ちなみに、絞りの動きをよくするために潤滑剤を使いたい場合は、
「鉛筆をヤスリで削って、炭素の粉を振りかける」のが一番いいそうです。

この調子じゃ、きっとヘリコイドも・・・、と思ってばらしてみると、
グリスの他に、何やら、黄色いネチャっとした液体が・・・、
丁度、木工用ボンドのような液体です。

何をつけたのぢゃ~

こちらも、つまようじでヘリコイドの谷間を掻き出し、
ティッシュがグリスと黄色い液体とゴミとでヒドイ状態になりつつも、
ちゃんとしたグリスを塗ったら、スムーズに動くようになりました。

レンズは、さっきの打ち傷以外は、大した汚れ等もなく、
とても美しい状態でした(モノコートでしたけど)

Dsc_087201

組み上げて、無限の調整も終えて、修理完了!

古き良きレンズの意匠そのままの、実に頼もしいレンズです。

ちなみに・・・、

HANIMEXという会社について調べてみましたが、
元は、オーストラリアの貿易会社、あるいは商社?のようです。

海外では、カメラの製造を専門としない会社が、
独自にブランドを立てて、OEMでかき集めたカメラやレンズを販売する、
という商売がたくさんあったようです。

有名なところでは、「Vivitar」なんかが有名でしたね・・・、
って、過去形で書こうと思ったら、なんと、今も現役!
トイカメラ界では、HOLGAやLOMOと並んで有名なようです。

※Kマウントのカメラも、今でも発売しているらしい!
多分、昔からのつき合いのCOSINA製かと思われますが。

今回買った135mmも、多分、OEMで製造されたレンズで、
しかも「Made in Japan」と書いてあります。

日本で、この手のレンズをOEM製造していた会社となると、
Tokinaや富岡、サン、コミネ、キノ精密、といったところが思い浮かびますが、
さて、一体どこが製造しているレンズなのか・・・

なんとなく、こう、京セラZeissを思わせる意匠から、
富岡の文字が脳内をちらつきますが、はてさて・・・

という事で、試写の結果は、このようになりました。

Imgp066201
PENTAX *ist Ds
HANIMEX AUTOMATIC 135mm F2.8
1/2500秒 F2.8(開放) ISO400
小田急 喜多見駅
2009年1月12日

まず、絞り開放にて。
実は、ちょっとピントをはずしてしまったので、
顔がイマイチがっつりきてないですが、
さすがF2.8ともなると、
背景へのなだらかなボケかたが、実に美しいです。

Imgp066801
PENTAX *ist Ds
HANIMEX AUTOMATIC 135mm F2.8
1/500秒 F4.0 ISO400
小田急 喜多見駅
2009年1月12日

1絞り絞ってみると、よりシャープですっきりしますが、
個人的には、開放の方が、このレンズらしい写りになるのではないか、
と思います。

なんせ、Pマウントの135mm単玉は、
TakumarのF3.5に、先日試写したRokkor 135mm F4.0と、
これで3本にもなってしまうわけですから(笑)、
このレンズの特色である開放F2.8をフルに活用したいところです。

いいレンズが手に入ったと喜んでいるんですが、
さて、ただでさえあまり使わない135mm、
どれだけ出番があるのか、ちと不安・・・

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コメント

ktmkt2164様

コメントをありがとうございました。

YASHICA ML 135mm F2.8、確かに、同じレンズのようですね。
ピントリングの幅とかデザインが少々違いますが、
距離目盛りが全く同じですから、兄弟レンズですね。

TokinaのOEMの可能性は考えていましたが、
HOYAも写真レンズを作っていたとは意外でした。

情報をありがとうございました。

投稿: ごっさん | 2012年6月22日 (金) 12時42分

YashicaのML135mmに関心があって、ここに来てしまいました。
このレンズ、HOYA製(Tokina OEM?)のようですね。

http://www.ebay.com/itm/Hanimex-HMC-Automatic-MC-Lens-No-887487-1-2-8-f-135mm-With-Softcase-/150836533836?pt=UK_Lenses_Filters_Lenses&hash=item231e8eda4c

http://www.hi-ho.ne.jp/sbko-hq/OTHERS/HMC_135mm.html

僭越ながら、ご参考まで。

投稿: ktmkt2164 | 2012年6月21日 (木) 01時28分

@しんすけ様

兄の言うとおり、これを↓とっさに思い浮かべました。

キヤ141系
http://ja.wikipedia.org/wiki/JR%E8%A5%BF%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%82%AD%E3%83%A4141%E7%B3%BB%E6%B0%97%E5%8B%95%E8%BB%8A

計測車です。
年に一度くらい、JR西日本から借りてきて、
線路の点検をしています。

ただ、全身シルバーじゃないですもんねぇ・・・?

そういや、高千穂から買ってきた阿佐東線の車両は、
そろそろ納車されるのかな?違うかなぁ。

※そういや、NHKは、今はその辺でしたね。
どうも、城山の向こう、助任川沿いのイメージが・・・。
さすがに、今のNHKの場所が国鉄病院だった時代は、
おぼろげにしか覚えておりません。

投稿: ごっさん | 2009年1月17日 (土) 01時36分

劣化したグリスは、場合により成分の一部が液状化することもあるような感じがする。
その辺はもしかしたら「劣化して成分分離した挙げ句風化(加水分解的なもの?)した」とワシは見ますな・・・


>しんすけさまー
稀に、西日本から「キヤ検」を借りてくる事があるようでして。
しかし目撃情報が四国系のwebページには未だ見当たらないので、なんとも言えませぬ・・・(汗

投稿: gochi-zoh | 2009年1月16日 (金) 22時38分

ごっさん先生、ごち兄師匠、お寒うございます。

話題に関係なき質問です。

昨日の15時過ぎのこと、徳島市両国通りを車で北進中、正面に徳島駅を出発したであろう、
駅構内を東進する列車が目に入りました。
そう、四電支社とNHKの間、城山がバックに見える通りです。
二軒屋方面に走るその見たこともない車輌、全身シルバーで普通列車の用として供する車輌ではないような容姿。

昔、ロータリーがあって、徳島初の歩道橋があった両国交差点からの距離、あの通りの幅、光線の具合・・・。
見間違えかも分かりませぬが、あれは何だったのでしょう?

PS:奥さまの体調はいかがですか?
   間もなくですね!

投稿: しんすけ | 2009年1月16日 (金) 11時50分

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