「21世紀の標準レンズ」は気になる
先日、あるカメラ屋にて小耳に挟んだ、
お客さんと店員との会話。
「ニコンも新しい50mm出しましたけどね、
それよりは、シグマの方が全然いいですよ。
ホントは、F1.2に出来るだけの設計なのに、
余裕のある設計でF1.4に抑えてますからね。」
ほぉ。
どっちがいい云々、については、
主観の問題もあるので、1つの意見でありましょうし。
ホントはF1.2ってのは、初めて聞いた話しなので、
真偽の程は定かではないんですが、
ここまで店員さんが、シグマのレンズをイチオシできる、
しかも、天下のNikkorをさしおいて、という事実については、
充分驚くに値する事かと思います。
にしても近頃は、「新標準レンズ」がいろいろと発売されて、
昔からの「標準レンズ党」としては嬉しい限りです。
昔はよく、「武者修行」と称して、
カメラ1台に50mmだけをつけて撮影に、という事をしていました。
安易にズームの力を借りず、
たった1本のレンズ、たった一通りの画角で、
望遠的に撮ったり、広角的に撮ったり。
そのために、どんな工夫が必要か?、
なんて事を、いろいろ試行錯誤しながら撮影するのは、
いい勉強になるもんです。
※随分前にアップしたこの写真も、
その一貫で写した中の1枚でした。
最近発売された標準レンズとしては、
・Carl Zeiss Planar T* 1.4/50
・ULTRON 40mm F2 SLII Aspherical
・NOKTON 58mm F1.4 SLII
・AF-S NIKKOR 50mm F1.4G
・50mm F1.4 EX DG HSM
まず、プラナーについては、最近、というには、発売されたのは少し前ですが、
タイミング良く、今日、EFマウントの発売日告知もありましたから、
まぁ、一応最近の、って事で。
これはもう、泣く子も黙る天下のツァイス、天下のプラナーですから、
ゼッタイ良いに決まっています。
こんないいレンズが、5万円ばかしで買える時代になるとは、
10年前の京セラツァイスの時代は考えられませんでした。
しかも、マウントは、M42にKa、F、そしてEFと選びたい放題。
これは、生きているうちに欲しい、と心底思うレンズです。
ウルトロンは、兄が持っているのを借用した事があります。
抜けの良さといい、シャープネスといい、
パンケーキなので多少手を抜いています、
的な部分が全く見られない、傑作レンズの1つと思います。
これこそ、「散歩標準レンズ」としては最適の1本と思います。
去年末のボーナスで、本気で買おうかと悩んでおりました。
ノクトンは、ホントは、数年前に「復刻トプコール」として出ていたレンズの、
光学系をそのまま継承したレンズ。
復刻、とは銘打ちながら、光学系は新規設計だったというトプコール
(特許だなんだと、いろいろ弊害があったんでしょう)、
ボケが美しく柔らかい描写をするレンズのようで、
これはこれで興味はありますが、買っても使い道ないだろうなぁ、
というのが正直なところ。
Nikkorは、レンズの善し悪しはこちらにおいといて、
「なぜGレンズ!絞りリングが無い!」という叫び声が、
ネットから聞こえてきます。
まぁ確かに、折角のフルサイズ対応の標準レンズを、
ちゃんとフルサイズで使おうと思えば、
ボディ側で絞りを制御できる一部のカメラでしか使用できず、
「ニコンといえば、FかF2かF3か」というユーザには、
あまり嬉しくない事かと思います。
しかも、標準レンズが好きなニコンユーザに限って、
FMやらFEやらニコマートやら(?)を愛好している、
という事情もあるでしょう。
ただこればかりは、「50年の歴史を誇るFマウント」という幻想の賜物で、
仕方のない事だと思います。
現実には、ここ20年ばかりに発売されたニコンのAFカメラなら、
たいがい使えるわけですから、
そんなに「困った、困った!」という事態に陥る事もないでしょう。
そして、シグマ。
標準レンズなのに、フィルター径が77mm!!
先日ジャンクで買った21-35mmと同じ前玉径とは、
ちょっと「お散歩レンズ」には向かなさそうですね。
でも、きっちり狙って撮るような使い方と思えば、
これは最高の描写を約束してくれる標準レンズなんだろうな、
と期待をさせられてしまいます。
ただ、このシグマの50mmも、
ペンタとニコンのマウントには絞り輪がついていないそうで、
今の自分のシステムには不向きである、と言えます。
ペンタだと、*ist Dsでしか使えないので
(フィルムは、MZ-3、MX、SuperAで、絞り輪必須なのばかり)、
折角の35mm判イメージサークルを生かせず。
ニコンだと、現実的にはD80のみ。
フィルムで撮影するには、マウントアダプタを介してEOSに、となる。
一番現実的なのはEOSだが、
630に5(5Dではない)という陣容には不釣り合いな気もするし、
これ以上、EOSシステムを増やすのもなぁ、と正直思っている。
うーむ。
こうも不向きなら、
いっそ、最初から、SAマウントを買って、
SD14やらSA-9を専用ボディとして買ってきて
「純正シグマシステム」を楽しむ方がいいじゃん、
って気もしてくるわけです(笑)
折角のウキウキするレンズだからなぁ、と残念に思いつつ、
その方が、無駄遣い抑制で丁度いいかも、と思ったりもします
そうそう、シグマの標準レンズと言えば、
隠れた名作?と言えるのが、マクロの50mmF2.8。
とにかくビシバシとシャープに写るレンズらしく、
値段も実質2万円台半ばと手頃で、
大きさもF1.4よりはだいぶ小さいと思いますし、
意外と普通に使える標準レンズになるのでは?、と思います。
「お散歩レンズ」として使う時は、絞って写す事も多いでしょうから
(現実に、F1.4開放で撮る機会はあまりないですからね。
余程狙って撮らない限りは)、
新50mmの発売によって、再評価されてもいいレンズなのかな?、
という気がします。
これも前々から気になっていますが、
なんせ、Nikkorは「鷹の目」55mmF2.8が導入され、
ペンタの方も、「ビシバシシャープ」なSMC MACRO TAKUMARがあり、
やはり、活躍の場があまり無さそうな状況になってきました。
ZEN仕上げの外装ベタつきの安いジャンクが出たら、
それを安くかって塗装はがしちゃえばいいのかな。
うーむ。
| 固定リンク
「カメラ」カテゴリの記事
- COSMICAR TV 6.5mm F1.8は、Nikon 1 J5の良い相棒(2023.08.23)
- ペンタックス「フィルムカメラプロジェクト」に寄せて(2022.12.20)
- KamLanの魚眼、8mm F3.0 Fisheyeで上野駅撮り(2022.08.21)
- PEN EES-2散歩(2) 跨線橋の隙間(2022.08.17)
- PEN EES-2散歩(1) 生麦駅(2022.07.10)
コメント