コンデジをCマウント改造
先日、525円で購入した、COSMICARのCマウントレンズ。
これを生かせるボディを・・・、と思い、
以前、Dマウント改造した時の要領で、今回も、
安物のコンデジを改造してみました。
今回の改造で餌食?となったのは、
exemodeの「DC850」という800万画素のコンデジ。
エグゼモードのオンラインショップで、
アウトレット品として販売されていたものです。
ホントは、800万画素もいらなかったんですがね。
安いコンデジなら、500万画素ぐらいの方が、
ノイズなんかの心配が少なくなるので。
そう思っていながらこの機種を買った理由は、
仕様に「1/1.8型のCMOS」と書いてあったからです。
「1/2.5型じゃないなら大丈夫かな」、と。
少しでもセンサーが大きい方が有利ですので。
しかし、届いたDC850の説明書を開いてみると、
「1/2.5型CMOS」だって。
あれぇ~!?
騙されちゃったぁ~(爆)
・・・まぁ、買っちゃったもんはしゃーないので、
当初の予定通りに改造を始めてみました。
改造のポイントは、ざっくり書いてみると、
(1)レンズを取っ払う
(2)でも、赤外線カットフィルターは残す
(3)レンズの撤去後にマウントを付ける
ホントに簡単にかいちゃいました。
この中で、まず、(1)のポイントをクリアするために、
どのコンデジを選ぶかが重要になってきます。
昨今のコンデジは、AFにズームに手ぶれ補正、
屈折光学にレンズ収納など、
様々な仕掛けが満載で、それらの機能を取っ払ってしまうと、
カメラがエラーを吐いて使用する事ができません。
なるべく簡単に改造するなら
「単焦点」(それっぽく「デジタルズーム」なんて書いてある事が多い)、
「固定焦点」(AF非搭載)の物を選ぶといいです。
メジャーなメーカーのデジカメで、そんなものは売ってませんので、
ディスカウントストアに売ってそうな、
安いカメラの中から、それでもなんとかなりそうなのをチョイスします。
以前改造したOGOB-01も、今回改造の元としたDC850も、
共にこの条件をクリアしています。
(2)については、特殊用途向けに改造するなら、
あえて撤去しておくというのも手でしょうが、
普通の写りをして欲しいなら必須です。
おおむね、レンズユニットの最後群がIRカットフィルターなので、
壊さないように慎重に取り外し、
センサーの上に、適切な方法で固定しなくてはいけません。
そして、(3)のマウントですが、Dマウントの時は、これで随分苦労しました。
そもそもDマウントは、「ダブル8」
(8mmムービーの規格でも、初期のものに相当)向けなので、
アクセサリ類など、今では中古・ジャンクじゃなきゃ入手不可能。
それも、骨董品になると、決して安くなかったりするし、
市場に出てくる事さえ稀です。
その点、Cマウントは、今でも防犯カメラ等で現役バリバリの規格なので、
アクセサリ類は、アキバの専門店等に行けばいくらでも買えます。
マウントとして使えるのは、「C/CSマウント変換リング」
です。
「CSマウント」は、Cマウントと全く同じネジで、
フランジバック長だけが違う規格です。
CSマウントのカメラには、このリングをかます事で、Cマウントのレンズを使う事が出来ます。
(フォーサーズのレンズを、マイクロフォーサーズで使えるような感じ)
コンデジから取り外したレンズの跡に、このリングをくっつける事で、
立派なCマウントになる(はず)、という寸法です。
では、早速改造に移ります。
まず、カメラをバラします。
ひたすらネジをはずし、ガチャガチャやれば分解できます。
・・・いい加減な説明だなぁ、と思われるかもしれませんが、
これも、安物デジカメだからこそです。
メジャーないいデジカメだと、
ネジを巧妙に隠したり、そもそもネジが無かったりするかも?なので、
簡単に分解できない可能性もあります。
分解すると、レンズユニットが見えてきます。
この黒い塊の中に、4枚のレンズ(ガラス、プラがそれぞれ2枚ずつ)入っている、
っていうんですから、なかなか大したもんです。
ちなみに、このレンズユニットは、
見た感じ、前回バラしたOGOB-01と、ほぼ同じ作りでした。
で、これをはずしてみると、
こうなります。
レンズユニットの後ろで赤く輝いているのが、
赤外線(IR)カットフィルターです。
前回の改造では、このユニットの真ん中で切断して、
レンズを全てはずし、IRカットフィルターだけ残し、
またユニットを元に戻したんですが、
今回は、このフィルターだけ取り外し、
CMOSの上に直置きする事にしました。
実は、この工程でかなり時間を費やしたんですが、
とりあえず、CMOSに装着した状態に飛びます。
(作業に没頭すると、写真を取り忘れてしまう・・・)
最初は、高粘度のボンドでくっつけようと思いましたが、
粘度が高いので流れ込む心配はないとはいえ、
強度に難がありそうだったので、
ご覧の通り、エポキシパテで無理矢理くっつけてしまいました。
さて、次に、Cマウントの装着です。
今回、コンデジを改造するにあたって、
前回経験のあるOGOB-01を再度改造しようか、とも思ったんですが、
あれは、Dマウントの直径にピッタリな、というか、ギリギリな穴しか開いておらず、
また、その穴が随分隅の方に寄っていたので、
Cマウント改造するには不利な機体だな、と思われました。
その点、DC850は、レンズ自体が本体中央よりですし、
レンズの回りに大きな装飾の輪っかがあったので、
そこをくりぬけば比較的簡単に改造できそうだな、と思われた事もあります。
で、Pカッター等でグリグリ作業し、穴をあけてみました。
ちょっとみすぼらしい気がしますが、
どうせ後で成型するので、これで充分です。
この穴にC/CSマウント変換リングをいれ、
その段階でインフの調整をし
(・・・この段取りで、実は大きな失敗をしたのですが、それは後述)、
高さを決めたところで、エポキシパテを山のように盛り、
しっかりと固定します。
ここでまた、OGOB-01じゃなくて、DC850を選んだ理由をもう1つ。
前回、エポキシでDマウントを作った時、
いざ、本体を組み立てようとすると、
エポキシが本体基板と干渉し、組み立てられない、という問題が発生しました。
結局、一部のエポキシをカッターで削り、なんとかはめることが出来ましたが、
その時の教訓として「あまり薄型のカメラにはしない方がいい」
という事を学びました。
今回、こんなにエポキシパテを盛りましたが、
本体の基板には全く接触しませんでした。
装着完了したところを、表から見てみると、こんな感じ。
まだ、飾りの輪っかをつけてませんが、
それでも、不自然じゃない仕上がりです。
我ながら、うまい具合に工作完了!
・・・そう、工作は、ね・・・
完成し、組み上げたDC850に、COSMICARを装着!
見事な一体感です!
前回改造した、DマウントのOGOB-01と並べてみました。
こうしてみると、レンズの大きさが桁違いですね。
マウント自体はそれほど違わない気がするんですが、
少し大きいだけで、これだけ大きいレンズも作れるとは、
随分Cマウントというのは懐の深い規格ですね。
双方、レンズをはずし、上からのぞき込んでみました。
やっぱ、CCD(CMOS)のサイズ、同じだよなぁ、
1/2.5型だよなぁ・・・(汗
さて、ここからは試写を・・・!
・・・と思っていたんですが、
問題が発生しました。
さっき、マウントを固定する際、インフのチェックでは、
当然、このCOSMICARを使ったわけですが、
ワイド端の12.5mmだとイマイチピントの山が分からなかったので、
テレ端の75mmで調整したんですが。
その結果、テレ端では、ちょいオーバーインフ程度となったので、
これで完璧!、と思ったんですが、
実際完成したDC850にCOSMICARを装着してみると、
ワイド寄りでは、どこにもピントが合わないんですよ(泣
ちゃんとピントがあう場所があるのは、だいたい30mmくらいまでで、
それよりワイドになると、どこにもピントがあいません。
失敗した~
・・・と思って意気消沈していたんですが、
このエントリを書きながら、冷静に考えてみました。
「マウントが、適切なフランジバック長よりも長い、つまり、
撮像面よりも離れていれば、
∞は合わなくても近接撮影は出来るはずで、どこにもピンがこないはずはない」
「という事は、どこにもピントが合わないのは、
適切なフランジバック長よりも、
より撮像面に近くなっているからで、
レンズをちゃんと締め込まなければピンが来るようになるのでは?」
そこで、今度はちゃんとレンズのネジを締め込まず、
少々緩めてみますと・・・
あ!、やっぱり、ピント合うようになるじゃん!
・・・普通に考えればすぐに気づきそうなもんなんですが、
ひとたび「失敗した~」と思ってアツクなると、気づかないもんですね。
では、どれくらいズレているのか、簡易チェックしてみました。
手元に、0.3mmと0.5mm、そして1.2mmのプラ版があったので、
それを、マウントとレンズの間に、
スペーサーとして挟んでみました。
まず、0.5mm。
これだと、ピントを最短にして、
無限にギリギリアウトで合わない、という感じ。
つまり、これだとまだ薄い。
では、1.2mmでは?
今度は逆に、ピントを無限にあわせても、
1m程度先にピントがあう状態なので、
行きすぎた、という事になります。
え~、0.7mmでこんなに変わるわけ~?
・・・まさか、こんなに厳密なものと思ってなかったので、
かなり驚き。なめていました。
OGOB-01をDマウント化した時、
あまりにスムーズに行きすぎたせいもありますが。
まぁでも、スペーサーを挟めば解決しそうという事で、
なんとかなりそうな気がしてきました。
そこで今度は、0.3mmと0.5mmのプラ板を接着し、
0.8mmにして挟んでみました。
さて、どうか・・・
・・・お?
・・・おぉ!
だいぶ合ってきた!
これだと、∞でほぼ無限が出てますが、
もう気持ち、更に回したら完璧だなぁ、ってところ。
つまり、0.8mmは微妙に厚い、という事になるので、
0.7mmのスペーサーを挟めばいい、という事でしょう!
・・・0.5mmだとまだどこにもピント合わなかったのに・・・、
0.2mmの間に完璧に収めろってかぁ?
こりゃ難易度高いわ~
まぁでも、Cマウント用のマクロリングを2枚
(0.2mmと0.5mm)買ってくれば大丈夫そうなメドがたったんで、
「ただレンズを装着して飾るしか能がない」失敗作になる事もなく、
なんとか撮影に使えそうな気がしてきました。
※4/15修正:
書いてた時は夜だったので、こう書きましたが、
翌朝、改めて試してみたら、
むしろ、「ちょっとオーバーインフ」という感じで、
現状(0.8mm)より短くしてはいけない、
という事になりそうです。
0.85mmくらい?そんな微妙な・・・
・・・そんな事で解決するとはつゆしらず、
既に2号機の発注を済ませているごっさん(爆)
しかも、ズームじゃインフの調整が出来なさそうだからと、
COSMICARの単焦点レンズまで発注しちゃったぁ。
「Cマウント沼」にズブズブと沈み始めております
| 固定リンク
「カメラ」カテゴリの記事
- 銚子へ ~Canon PにFerrania P30を詰めて (6)「1000人画廊」でDS3を撮ってからの犬吠埼(2024.10.04)
- 銚子へ ~Canon PにFerrania P30を詰めて (5)電車とJupiterと猫と(2024.09.30)
- 銚子へ ~Canon PにFerrania P30を詰めて (4)アシカ島付近(2024.09.12)
- 銚子へ ~Canon PにFerrania P30を詰めて (3)髪毛黒生駅、もとい、笠上黒生駅(2024.07.13)
- 銚子へ ~Canon PにFerrania P30を詰めて (2)本銚子駅(2024.07.11)
コメント
Cマウントのフランジバックは
17.526mmだそうですよ。
細かいな~。
今回みたいに、スペーサーで解決、ってのが
現実的な解決策かもしれません。
Nで鍛えた技を…、
と言えるほどの技はないか…
独身は、土曜日までです。
投稿: ごっさん | 2009年4月14日 (火) 22時36分
遊んでますね~~
楽しく拝見しました~~ちょびっとやりたくなってきましたw
長時間露光できるコンデジでそのように安いやつがあったら、天文用に改造したいですね~
当然IRはカットですが・・・
無限調整は大切ですね~Cマウント規格でマウント前面から焦点まで何ミリなんでしょ?
天文でスチール時代のピン合わせは、フィル面に剃刀を当てて出してましたよ(スクリーンは暗いし、ピンが微妙に甘い)デジでは無理ですがw
ps:まだ独身タイムっすか?|▽ ̄)
投稿: 金長狸 | 2009年4月14日 (火) 21時00分