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2009年4月14日 (火)

コンデジをCマウント改造

先日、525円で購入した、COSMICARのCマウントレンズ。

これを生かせるボディを・・・、と思い、
以前、Dマウント改造した時の要領で、今回も、
安物のコンデジを改造してみました。

今回の改造で餌食?となったのは、
exemodeの「DC850」という800万画素のコンデジ。
エグゼモードのオンラインショップで、
アウトレット品として販売されていたものです。

Dsc_123301

ホントは、800万画素もいらなかったんですがね。
安いコンデジなら、500万画素ぐらいの方が、
ノイズなんかの心配が少なくなるので。
そう思っていながらこの機種を買った理由は、
仕様に「1/1.8型のCMOS」と書いてあったからです。
「1/2.5型じゃないなら大丈夫かな」、と。
少しでもセンサーが大きい方が有利ですので。

しかし、届いたDC850の説明書を開いてみると、

「1/2.5型CMOS」だって。

あれぇ~!?

騙されちゃったぁ~(爆)

・・・まぁ、買っちゃったもんはしゃーないので、
当初の予定通りに改造を始めてみました。

改造のポイントは、ざっくり書いてみると、

(1)レンズを取っ払う
(2)でも、赤外線カットフィルターは残す
(3)レンズの撤去後にマウントを付ける

ホントに簡単にかいちゃいました。

この中で、まず、(1)のポイントをクリアするために、
どのコンデジを選ぶかが重要になってきます。

昨今のコンデジは、AFにズームに手ぶれ補正、
屈折光学にレンズ収納など、
様々な仕掛けが満載で、それらの機能を取っ払ってしまうと、
カメラがエラーを吐いて使用する事ができません。

なるべく簡単に改造するなら
「単焦点」(それっぽく「デジタルズーム」なんて書いてある事が多い)、
「固定焦点」(AF非搭載)の物を選ぶといいです。

メジャーなメーカーのデジカメで、そんなものは売ってませんので、
ディスカウントストアに売ってそうな、
安いカメラの中から、それでもなんとかなりそうなのをチョイスします。

以前改造したOGOB-01も、今回改造の元としたDC850も、
共にこの条件をクリアしています。

(2)については、特殊用途向けに改造するなら、
あえて撤去しておくというのも手でしょうが、
普通の写りをして欲しいなら必須です。
おおむね、レンズユニットの最後群がIRカットフィルターなので、
壊さないように慎重に取り外し、
センサーの上に、適切な方法で固定しなくてはいけません。

そして、(3)のマウントですが、Dマウントの時は、これで随分苦労しました。

そもそもDマウントは、「ダブル8」
(8mmムービーの規格でも、初期のものに相当)向けなので、
アクセサリ類など、今では中古・ジャンクじゃなきゃ入手不可能。
それも、骨董品になると、決して安くなかったりするし、
市場に出てくる事さえ稀です。

その点、Cマウントは、今でも防犯カメラ等で現役バリバリの規格なので、
アクセサリ類は、アキバの専門店等に行けばいくらでも買えます。

マウントとして使えるのは、「C/CSマウント変換リング」
です。

「CSマウント」は、Cマウントと全く同じネジで、
フランジバック長だけが違う規格です。
CSマウントのカメラには、このリングをかます事で、Cマウントのレンズを使う事が出来ます。
(フォーサーズのレンズを、マイクロフォーサーズで使えるような感じ)

コンデジから取り外したレンズの跡に、このリングをくっつける事で、
立派なCマウントになる(はず)、という寸法です。

では、早速改造に移ります。

まず、カメラをバラします。
ひたすらネジをはずし、ガチャガチャやれば分解できます。
・・・いい加減な説明だなぁ、と思われるかもしれませんが、
これも、安物デジカメだからこそです。
メジャーないいデジカメだと、
ネジを巧妙に隠したり、そもそもネジが無かったりするかも?なので、
簡単に分解できない可能性もあります。

分解すると、レンズユニットが見えてきます。

Dsc_123901

この黒い塊の中に、4枚のレンズ(ガラス、プラがそれぞれ2枚ずつ)入っている、
っていうんですから、なかなか大したもんです。

ちなみに、このレンズユニットは、
見た感じ、前回バラしたOGOB-01と、ほぼ同じ作りでした。

で、これをはずしてみると、

Dsc_124201

こうなります。

レンズユニットの後ろで赤く輝いているのが、
赤外線(IR)カットフィルターです。

前回の改造では、このユニットの真ん中で切断して、
レンズを全てはずし、IRカットフィルターだけ残し、
またユニットを元に戻したんですが、
今回は、このフィルターだけ取り外し、
CMOSの上に直置きする事にしました。

Dsc_125001

実は、この工程でかなり時間を費やしたんですが、
とりあえず、CMOSに装着した状態に飛びます。
(作業に没頭すると、写真を取り忘れてしまう・・・)

最初は、高粘度のボンドでくっつけようと思いましたが、
粘度が高いので流れ込む心配はないとはいえ、
強度に難がありそうだったので、
ご覧の通り、エポキシパテで無理矢理くっつけてしまいました。

さて、次に、Cマウントの装着です。

今回、コンデジを改造するにあたって、
前回経験のあるOGOB-01を再度改造しようか、とも思ったんですが、
あれは、Dマウントの直径にピッタリな、というか、ギリギリな穴しか開いておらず、
また、その穴が随分隅の方に寄っていたので、
Cマウント改造するには不利な機体だな、と思われました。

その点、DC850は、レンズ自体が本体中央よりですし、
レンズの回りに大きな装飾の輪っかがあったので、
そこをくりぬけば比較的簡単に改造できそうだな、と思われた事もあります。

で、Pカッター等でグリグリ作業し、穴をあけてみました。

Dsc_124701

ちょっとみすぼらしい気がしますが、
どうせ後で成型するので、これで充分です。

この穴にC/CSマウント変換リングをいれ、
その段階でインフの調整をし
(・・・この段取りで、実は大きな失敗をしたのですが、それは後述)、
高さを決めたところで、エポキシパテを山のように盛り、
しっかりと固定します。

Dsc_126801

ここでまた、OGOB-01じゃなくて、DC850を選んだ理由をもう1つ。

前回、エポキシでDマウントを作った時、
いざ、本体を組み立てようとすると、
エポキシが本体基板と干渉し、組み立てられない、という問題が発生しました。
結局、一部のエポキシをカッターで削り、なんとかはめることが出来ましたが、
その時の教訓として「あまり薄型のカメラにはしない方がいい」
という事を学びました。

今回、こんなにエポキシパテを盛りましたが、
本体の基板には全く接触しませんでした。

装着完了したところを、表から見てみると、こんな感じ。

Dsc_127201

まだ、飾りの輪っかをつけてませんが、
それでも、不自然じゃない仕上がりです。
我ながら、うまい具合に工作完了!
・・・そう、工作は、ね・・・

Dsc_127401

完成し、組み上げたDC850に、COSMICARを装着!
見事な一体感です!

Dsc_128301

前回改造した、DマウントのOGOB-01と並べてみました。

こうしてみると、レンズの大きさが桁違いですね。
マウント自体はそれほど違わない気がするんですが、
少し大きいだけで、これだけ大きいレンズも作れるとは、
随分Cマウントというのは懐の深い規格ですね。

Dsc_128801

双方、レンズをはずし、上からのぞき込んでみました。

やっぱ、CCD(CMOS)のサイズ、同じだよなぁ、
1/2.5型だよなぁ・・・(汗

さて、ここからは試写を・・・!

・・・と思っていたんですが、

問題が発生しました。

さっき、マウントを固定する際、インフのチェックでは、
当然、このCOSMICARを使ったわけですが、

ワイド端の12.5mmだとイマイチピントの山が分からなかったので、
テレ端の75mmで調整したんですが。

その結果、テレ端では、ちょいオーバーインフ程度となったので、
これで完璧!、と思ったんですが、

実際完成したDC850にCOSMICARを装着してみると、

ワイド寄りでは、どこにもピントが合わないんですよ(泣

ちゃんとピントがあう場所があるのは、だいたい30mmくらいまでで、
それよりワイドになると、どこにもピントがあいません。

失敗した~

・・・と思って意気消沈していたんですが、

このエントリを書きながら、冷静に考えてみました。

「マウントが、適切なフランジバック長よりも長い、つまり、
撮像面よりも離れていれば、
∞は合わなくても近接撮影は出来るはずで、どこにもピンがこないはずはない」

「という事は、どこにもピントが合わないのは、
適切なフランジバック長よりも、
より撮像面に近くなっているからで、
レンズをちゃんと締め込まなければピンが来るようになるのでは?」

そこで、今度はちゃんとレンズのネジを締め込まず、
少々緩めてみますと・・・

あ!、やっぱり、ピント合うようになるじゃん!

・・・普通に考えればすぐに気づきそうなもんなんですが、
ひとたび「失敗した~」と思ってアツクなると、気づかないもんですね。

では、どれくらいズレているのか、簡易チェックしてみました。

手元に、0.3mmと0.5mm、そして1.2mmのプラ版があったので、
それを、マウントとレンズの間に、
スペーサーとして挟んでみました。

まず、0.5mm。

これだと、ピントを最短にして、
無限にギリギリアウトで合わない、という感じ。

つまり、これだとまだ薄い。

では、1.2mmでは?

今度は逆に、ピントを無限にあわせても、
1m程度先にピントがあう状態なので、
行きすぎた、という事になります。

え~、0.7mmでこんなに変わるわけ~?

・・・まさか、こんなに厳密なものと思ってなかったので、
かなり驚き。なめていました。
OGOB-01をDマウント化した時、
あまりにスムーズに行きすぎたせいもありますが。

まぁでも、スペーサーを挟めば解決しそうという事で、
なんとかなりそうな気がしてきました。

そこで今度は、0.3mmと0.5mmのプラ板を接着し、
0.8mmにして挟んでみました。

さて、どうか・・・

・・・お?

・・・おぉ!

だいぶ合ってきた!

これだと、∞でほぼ無限が出てますが、
もう気持ち、更に回したら完璧だなぁ、ってところ。

つまり、0.8mmは微妙に厚い、という事になるので、
0.7mmのスペーサーを挟めばいい、という事でしょう!

・・・0.5mmだとまだどこにもピント合わなかったのに・・・、
0.2mmの間に完璧に収めろってかぁ?
こりゃ難易度高いわ~

まぁでも、Cマウント用のマクロリングを2枚
(0.2mmと0.5mm)買ってくれば大丈夫そうなメドがたったんで、
「ただレンズを装着して飾るしか能がない」失敗作になる事もなく、
なんとか撮影に使えそうな気がしてきました。

※4/15修正:
書いてた時は夜だったので、こう書きましたが、
翌朝、改めて試してみたら、
むしろ、「ちょっとオーバーインフ」という感じで、
現状(0.8mm)より短くしてはいけない、
という事になりそうです。
0.85mmくらい?そんな微妙な・・・

・・・そんな事で解決するとはつゆしらず、
既に2号機の発注を済ませているごっさん(爆)

しかも、ズームじゃインフの調整が出来なさそうだからと、
COSMICARの単焦点レンズまで発注しちゃったぁ。

「Cマウント沼」にズブズブと沈み始めております

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コメント

Cマウントのフランジバックは
17.526mmだそうですよ。
細かいな~。
今回みたいに、スペーサーで解決、ってのが
現実的な解決策かもしれません。
Nで鍛えた技を…、
と言えるほどの技はないか…

独身は、土曜日までです。

投稿: ごっさん | 2009年4月14日 (火) 22時36分

遊んでますね~~
楽しく拝見しました~~ちょびっとやりたくなってきましたw
長時間露光できるコンデジでそのように安いやつがあったら、天文用に改造したいですね~
当然IRはカットですが・・・

無限調整は大切ですね~Cマウント規格でマウント前面から焦点まで何ミリなんでしょ?
天文でスチール時代のピン合わせは、フィル面に剃刀を当てて出してましたよ(スクリーンは暗いし、ピンが微妙に甘い)デジでは無理ですがw

ps:まだ独身タイムっすか?|▽ ̄)

投稿: 金長狸 | 2009年4月14日 (火) 21時00分

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