会社の行き帰りのカバンの中に忍ばせるには、
RICOHFLEXやyashicaflexじゃデカいよなぁ、
なんて事を考えているうちに、
なぜか手元にMAMIYA-6 KIIがやってきてしまいました。
「なぜか」「やってきた」なんて人事のように言ってますが、
もちろんその過程では、
Y!オクで入札したり、代金振り込んだり、
という手順を経ている事は言うまでもありません。
プレミア会員じゃないごっさんが落とせたという事は、
本体代金5000円以下なわけで、安かったんですよ。
なんて、言い訳の上塗りですな。
ジャンクなわけだから、そのままじゃ使えんのは当然です
(だいぶ鍛えられてきました。稼働品には興味が持てなくなってきたごっさん)。
診察しましたところ、
・赤窓のズレ、および退色
・背面皮の破れ
・バックフォーカス不具合(上辺だけ動き、下辺が動かない)
・レンズカビ
・ファインダー汚れ、距離計ズレ(縦横とも)
一応、シャッターはちゃんと動いてるようなので、今回は「触らぬ神に」とします。
いずれ、バラしてベンジンの風呂に入ってもらう日もくるでしょうが。
また、スプリングカメラにありがちな「蛇腹にピンホール」は無く、
遮光は完璧だった事も幸いです。
基本的な修理法は、先達がwebに多数の記録を残している事でもあり、
あまり説明的な説明はしない事としましょう。
赤窓の退色については、
試験勉強の必需品、赤い透明シートを買ってきて、
小さく切り出して交換を試みましたが、
ちょっと分厚かったため(一応、薄いの選んだんだけどね)、
645と66を切り替える内部のシャッターが固定されなくなってしまい、失敗。
いずれ、薄いのを買ってきてリベンジしましょう。
ファインダーの清掃は、狭い隙間だと綿棒が入らないので厄介ですが、
ふと、うちのチビが使ってる「ベビー綿棒」が使えんじゃないか、
と思って試してみたら大当たり。
細いので狭いところでも奥まで届きます。
しかも、柔肌のベイビー用なので、綿部分が柔らかい。
レンズやガラスに傷をつける心配もありません。
※今回使ったのは、ピップが出しているベビー綿棒。
試しに、レンズのカビ取りにも使ってみました。
50年前のレンズ、拭けば飛ばずに傷がつくのが当たり前ですが、
目立った男の勲章を残す事もなく、キレイな輝きを取り戻しました。
ファインダーだけじゃなく、普通に、レンズ掃除に重宝しそうですぞ。
て事で、一通りのメンテナンスを終えた所で、
フィルムを詰めて、毎度ながら、会社近くを散歩しながら試写。
見事な像を結んでくれました。
MAMIYA-6 KII
Setagaya Koki SEKOR S. 7.5cm F3.5
Kodak E100GX
1/100秒 F5.6
2009年8月26日
会社から東京タワーが見えなくなりそうなほど、
高いビル・マンションが建設中。
三田・麻布十番・芝のトライアングル地帯は、
まさに「Always」そのままって感じの昭和なエリアでしたが、
ついにここまで開発の手が来てしまっております。
ピントを合わせたのは、中心のこじゃれたアパート。
等倍に、倍率ドン。
非常に先鋭な像を結んでおります。
アパートは無限ではないので、奥のビルはわずかにボケてます。
こういうわずかな写りの違いが、「奥行き」として表現されるのが、
ブローニーなんだなぁ、などと30を過ぎてしったごっさん。
今の写真を撮った場所を右に向くと、こんな景色。
MAMIYA-6 KII
Setagaya Koki SEKOR S. 7.5cm F3.5
Kodak E100GX
1/100秒 F5.6
2009年8月26日
正面は二の橋、という事は後方は一の橋。
上を走るは首都高速。
この、今立っている、一の橋と二の橋の間にかかる小さい橋こそが、
平成と昭和をタイムスリップする事のできる「ミステリーゾーン」。
今日も、Canonet QL19の試写でこの橋を渡りましたが、
渡った途端、そこは昭和30~40年代。
古びたお店の前では、おじいさんが孫と遊んでいる。
きっとお店の店主なんだろうけど、そんなのは知らんとばかりにホッタラカシ。
そんな様子を含めて、ここは「昭和」「下町」「古き良き」、
そういう言葉が似合う街。住所で言えば「港区三田1丁目」。
残念ながら、三丁目ではありませんでした。
QL19の試写がうまくいっていれば、よりディープな写真をご紹介できます。
で、今の写真で、二の橋のたもと付近を、等倍でドン。
充分、「何が写っているか」分かります。それで、充分に驚異です。
なんせ、これは1956年に発売されたカメラ。
まだ、日本が「戦後」だった頃のレンズが結んだ像です。
RICOHFLEX、Yasicaflexのいずれも、初めて撮った時は
「こ、これがブローニーの威力!」と驚いたもんですが、
今回は、それを更に上回る衝撃を受けました。
「世田谷光機」のセコールで、どんな東京を写していきましょうか。
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