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2009年9月26日 (土)

SIGMAのカタログ、90年8月版

前回、89年4月版のSIGMAのカタログPDFを掲載しましたが、
今回はそれから1年4ヶ月後、90年8月版です。

SIGMAカタログ(1990年8月1日版)

このカタログから、
90年代シグマの意匠を決定づける「UC」と「ZEN」が採用され始めており、
まさに、昭和から平成に移って生まれ変わろうとしている時代のカタログである、と言えます
(ちょっと大げさですかね)

ちなみに、「UC」とは「Ultra Compact」の事で、まさに「超小型」の意。
開放F値を暗くしてでも小型で軽量なレンズを、という設計意図です。

これは、AF時代のレンズ作りを意識したものでしょう。
MFだと、なるべく明るいレンズにして、
ピントを合わせやすい方が好まれたでしょうが、
AFなら、F5.6の範囲に収まっていれば、カメラ的には問題なし。
少々暗くてもピントを合わせられます。

また、AF時代は、良くも悪くも「素人が一眼レフを使う時代」でもあります。
Canonが「EOS kiss」の先祖である「EOS 1000」を発売したのは、
まさにこの1990年。
大きくて思いカメラが好まれる時代から、
少しでも軽く、お母さんでも使える一眼レフが求められていた時代に、
AFのレンズを小型化するのは難しい
(特に、レンズ内モーター採用のEFマウントの場合)事を逆手にとって、
小型軽量なレンズを売りにしたSIGMAには先見の明がありました。

「ZEN」とは「Zeitgeist, Enhance, Non Glare」(時代精神、強化、反射防止)の意味。
発売当初こそ、シックで柔らかい手触りの、
なかなか独特の風合いの塗装で異彩を放っていましたが、
20年経ってみると、加水分解?をおこしてベトベトな状態のジャンクが多く存在し、
中古価格の下落、というか値段が全く付かない、という悲惨な状況を生んでおります。

ついでに言えば、特にEFマウントのレンズの場合、
この時代のレンズを、より新しい世代のEOSに装着すると、
エラーが発生して使用できない、という問題が発生する事でも知られています。
(まぁ、これはキヤノン社のいぢわるなのではないか、と思うのですが)

しばらくは、SIGMAの方でROM交換を行ってくれておりましたが、
そのサービスも既に終了しており、ますます、「SIGMAの古いレンズは使えない」
という状況に陥る一因となっております。
(そういう意味だと、EOS630のような古いカメラを手元に置いておくと、
古いレンズを使う時でも安心できます)

さて、掲載されているレンズの一言コメント。

89年のカタログでは、
各レンズに「イプシロン」「オメガ」「イータ」など、
ギリシア語のアルファベットが付与されておりましたが、
それらは一切廃止されており、このカタログ上に記載はありません。

89年段階ではMFしかなかった「21-35mm F3.5-4.2」がAF化されています。
僕は、FマウントのMFを持っていますが
(ご多分に漏れず、ZEN仕上げのベトベトジャンク)、
非常によい写りのレンズで気に入っており
この時のエントリを参照のこと)、
いつかはAFの方も欲しいなぁ、と思っています。
なお、次回掲載する91年8月のカタログの表紙には、
誇らしげに「91-92 ヨーロピアン・レンズ・オブ・ザ・イヤー」を受賞、
というメッセージが謳われております。

先日、PEN F用にと購入した「28-70mm F3.5-4.5 UC ZEN」は、
このカタログに載っているので、
「UC ZEN」としては第1世代になりそうです。
MFレンズなのに、ヘリコイドがプラスチックだった・・・、
という事は、先日も書いたところです。
既に、設計が「AFベース」に変わり始めているわけですね。
(それでもまぁ、ちゃんとMFも出していただけ、
良心的だった、と解釈してあげたいところではあります。)

24mm F2.8は、89年時点でAF化されてましたが、
28mm F2.8は、この時点でまだAF化されておりません。
これは多分、間もなく発売されるF1.8の存在を見越して、
AF化を見送ってたんだろうなぁ、と思われます。
なお、F2.8のMFレンズは、95年のカタログまで掲載が続いておりました
(ただし、本編には非掲載、巻末の一覧にのみ)

前回も書いた通り、「400mm APO F5.6」は、
89年版では「白レンズ」でしたが、この時からZEN仕上げに。
ただし、レンズには「赤線」が残されており、「APO」文字は白色。

91年のカタログからは、赤線が消え、代わりに「APO」文字が赤色に。

ところが、僕が持っている400mmは「APO」文字が金色です。

うーん、細かい違いがいろいろあるんだなー。

ようやく、AFとMFのラインナップ数が同じくらいになり、
UCやZENも浸透してくるなど、
「過渡期」な雰囲気が漂ってくるカタログです。

次回になると、いよいよ、SIGMAの代表的なレンズである
「28mm F1.8」および「180mm F2.8 マクロ」が登場してきます。

※掲載レンズの一覧は、以下「続き」を参照。

△: 前回は載っておらず、新たに掲載された新商品
▲: 前回掲載されていたレンズの改良品

■AFレンズ
△ 21-35mm F3.5-4.2
▲ 28-70mm F3.5-4.5 UC ZEN
28-200mm F4-5.6
35-70mm F3.5-4.5
35-135mm F3.5-4.5
55-200mm F4-5.6
▲ 70-210mm F4-5.6 UC ZEN
70-210mm APO F3.5-4.5
75-200mm F3.8
75-300mm F4.5-5.6
▲ 75-300mm APO F4.5-5.6 ZEN
24mm F2.8
△ 50mm マクロ F2.8
△ 90mm マクロ F2.8
▲ 300mm APO F2.8 ZEN
400mm F5.6
▲ 400mm APO F5.6 ZEN
▲ 500mm APO F4.5 ZEN
△ 500mm APO F7.2 ZEN
U-AF 55-200mm F4.5 ※MFマウント向けAFレンズ

■MFレンズ
21-35mm F3.5-4.2
▲ 28-70mm F3.5-4.5 UC ZEN
28-200mm F4-5.6
35-70mm F3.5-4.5
35-135mm F3.5-4.5
55-200mm F4-5.6
▲ 70-210mm F4-5.6 UC ZEN
70-210mm APO F3.5-4.5
75-200mm F3.8
75-300mm F4.5-5.6
▲ 75-300mm APO F4.5-5.6 ZEN
▲ 100-500mm APO F5.6-8 ZEN
▲ 350-1200mm APO F11 ZEN
△ 15mm F2.8 FISH-EYE
24mm F2.8
28mm F2.8
50mm マクロ F2.8
90mm マクロ F2.8
▲ 300mm APO F2.8 ZEN
400mm F5.6
▲ 400mm APO F5.6
▲ 500mm APO F4.5
△ 500mm APO F7.2 ZEN ※近日発売
▲ 600mm F8 ZEN

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