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2009年10月10日 (土)

満身創痍のKonica C35を修理

20年前の今日、89年10月10日は、
初めて一眼レフを買ってもらった日。
Canon EOS630QDに、SIGMAの28-70mmと70-210mmのWズームセット。

当時小学6年生だったごっさんは、
毎月『鉄道ファン』誌に掲載されている広告を親に見せては、
毎日のように「これじゃないといい写真が撮れない!」
と力説していたものです。

今となっては親の立場にいるごっさんとしては、
わずか12歳のガキに、
セットで10万円もするAF一眼レフを買い与えるなど、
あまりの英断には驚くばかりで、今となっては感謝の念に堪えません。

そのEOS630は、残念ながら電子系に異常があり、
EFレンズを装着しての撮影が出来なくなっておりますが、
シャッターや露出回りなどは快調そのもの、
それどころか、2年前にシャッター交換をしてもらったばかりでもあり、
電気が流れなくなるまではバリバリと働いてくれそうで心強いです。

ところで、ねだってEOSを買ってもらうまで、
ごっさんの「メインカメラ」と言えば、
元々は親が使っていた、KonicaのC35AF、いわゆる「ジャスピン」です。

ジャスピンなんかじゃいい写真撮れないよ!、
というのが当時のごっさんの言い分でしたが、
後になって、あれはとても良い物だった事を知りました。

また、そもそもは、「ジャーニーコニカ」と言われた名機、
「C35」の血を引く正統なコンパクトカメラだった事も、
後から知ることになるわけですが。

何の縁か、その「ジャーニーコニカ」のジャンクに巡り会いました。

F1010174

先週、かなり久しぶりに三鷹のハードオフに行きました。

結構大きな店で、ジャンクカメラも「松竹梅」で分けられています。

松: 保証を付ける程良い物でも無いが、状態はまずまずのもの→ショーウィンドウに入っている
竹: 保証を付ける程でもないし、大した値段を付けられるほど良い物でもない→棚に陳列
梅: すっかり壊れている、まさにジャンク→カゴの中に無造作に放り込まれている

このうち、「竹」コーナーの棚の商品を物色していると、
C35のジャンクが置いてあるのが目に止まりました。
値段はなんと\1,575と、かなりお買い得。
外装は意外に綺麗だし、電池の液漏れもなさそう。

早速、買って帰り、動作チェック。

しかし、これがなかなかしぶとかった。

  • 距離計動かず、上下・左右ともズレあり
  • シャッター粘り
  • 露出計不動
  • レンズ汚れ、カビ

これは、カメラにありがちな「四重苦」を全て背負った、
ジャンクの中のジャンク?でした。
うーむ、手強そう・・・

とはいえ、割とシンプルな作りのカメラで、
「ジャンクカメラのメンテナンスの第1歩」的なカメラです。
これを直せないでどうする!、という事で、丹念に直してみました。

詳しい修理方法は、Googleで「コニカ c35 分解」とでも入れて検索すれば、
先人達の修理報告がいろいろあがっており、
僕もそれを参考にしましたので、そちらをどうぞご参照ください。

距離計不動は、内部の固着が原因で、
分解して動かしてやったら動くようになりました。
ホントは、アルコールかベンジンで洗浄する方がベターでしょう。

距離計の調整は、本体をバラさなくても出来ます。
上下の調整は、アクセサリーシューの板をはずすと、穴が開いています。
左右の調整は、フィルム面のレールにあるいかにも?なネジをはずすと、その中にあります。

シャッターの粘りは、シャッター幕そのものではなく、
シャッター機構部の(正面向かって)右下のフライホイールの粘りでした。
これは、どうも持病っぽいです。

とりあえず無水アルコールを1滴たらしたら、快適に回るようになりました。

露出計は、多分、電池室の端子部分との半田の劣化が原因。

てか、この電池室部分が一番てこずりました!

もともと、C35の電池部分は、+の電極と、-の電極が、
電池室の真裏で「オーバークロス」しています。
しかも、1mm程度の間隔で。

液漏れすると一発アウトになるだけでなく、
今回の固体では、電極がはずれてプラプラしてたので、
そうすれば、簡単にショートしてしまうのは一目瞭然。

て事で、ここはエポキシパテにて固めてしまいました。
これで、絶縁もOK。

電池室へのリード線、先を少し切り落としたら、
短くて電池室までとどかなくなってしまいました。
たるまないよう、ギリギリの長さになっておりました。

これは、距離計すぐ下でネジ止めしてかしめられてたからでした。

距離計自体簡単にはずせるので良かったですが、
一時はどうなる事かと思いました。

困ったと言えば、このカメラ、
ものすごく小さいスプリングが随所に使われています。
どのスプリングが、どこで使われているか、
あらかじめよく確認しておく方がいいでしょう。

実際、ある1つのネジがはずれて落ちてしまい、
どう戻していいか分からなくなって四苦八苦してしまいました。

ネットで大きい分解画像を見つけたので、
それを元に戻す事が出来ましたが、一時はどうなる事かと思いました。

レンズを外した後の無限出しは、
シャッターをバルブにして、フィルム面に磨りガラス(僕の場合は擂りアクリル板)を当て、
ルーペで覗くという、いつもの方法で調整しました。
この手のカメラでバルブがついていると、あとの調整が楽でよろしい。

電池は、本来は水銀電池(MR44)ですが、
そんなものはとうの昔に製造中止。
同じサイズのLR44で代用しましたが、露出の精度に大きな問題はなさそうです。
ネガなら、充分許容範囲内でしょう。

て事で、ひとしきりの修理を無事に完了!
早速、今日のうちに試写もしてきました。
他愛もない写真ばかりですが、とりあえず1枚。

091010_27_2
Konica C35
HEXANON 38mm F2.8
Konica-Minolta Centuria Super 400
プログラムEE自動露出
2009/10/10

結果は、ピントも露出も問題なし!
ちょっと逆光には弱いかな?、って感じですし、
シャープさは、先日直したCanonet QL19の方が上かな、って気もしますが、
なんせボディのサイズが違います。
C35は、あのXAよりも少々大きいかな、って程度です。
充分に実用レベルです。

うーん、懐かしい描写だなぁ、やっぱり。
でも、ジャスピンのAFは、さすがにあの当時のものなので、精度が低かった。

それを考えれば、距離計で合わせられるジャーニーコニカ、
ピントのバッチリ合った写真を撮る事ができるのは嬉しいものです。

奇しくも、今日、10月10日修理完了、試写も完了。
C35AFからEOS630QDに乗り換えて、丁度20年目のこの日に、
今度はご先祖のC35が、我が家のラインナップに加わりました。
不思議な因縁を感じると共に、
久しぶりに「HEXANON 38mm F2.8」で写真を撮る事が出来るので、
とても楽しみです。

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