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2009年12月 3日 (木)

SUPER YASHINON-R 20cm F4.5

*10/03/22追記:
どうも、このレンズはトキナー(当時の東京光器)製のようです。
その辺の話しはこちらのエントリを参照。

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ホントは、作例撮ってから載せようと思ったんですが、
次はいつ撮影に行けるか分からないし、
ネットにもあまり情報が出てないレンズのようなので、
とりあえず紹介までという事でアップします。

※12/29追記:新幹線500系の撮影で試写してみました。
個人的には期待を大きく上回る描写を得られました。(追記ここまで)

先日、日本橋のキタムラ(旧きむら)のジャンクコーナーで見つけたレンズです。
ヤシカのプラクチカスクリューマウント(M42)のテレで、

SUPER YASHINON-R 1:4.5 f=20cm

Imgp097301

、というレンズです。

カビあり、フードと前キャップ(これはKOMURAの社外品)で1000円とお買い得でした。
でも、実際ばらしてみると、
ヘリコイドからにじみ出たグリスがベトついて汚れていた模様。
カビもありましたが多少でした。
前玉縁にクモリありましたが、写りにはあまり影響しない程度かと。

絞りは自動絞りではなく、プリセット絞りです。
ただ、一般的にプリセット絞りのレンズは、
絞り値を設定するリングと、
実際に絞るリングと、双方に絞り値が書いてあります。

このレンズは、絞り値を設定する方にだけ数値が書かれ、
絞る方のリングには何も記されていません。
赤い点が見えますが、これはレンズに固定されており、
銀色はギザギザ部分だけが回ります。

両方のリングに数値が書いてあると、
例えば設定値をF8にしていたとしても、
絞る方のリングをF5.6にすればF5.6で撮影できる、
という事になりますが、このレンズでは、そういう事は出来ません。
純粋に「絞りを開けるor絞る」の役割と割り切っているようです。

Imgp097701

完全にバラしたわけではないので、
レンズ構成は不明ですが、
古いレンズですから、そう変わった仕掛けがあるとも思えません。

前玉は2枚で、いずれも凹凸レンズ、共に前方の方が凸。
直径も結構あり、構成は2群2枚。

後玉も凹凸レンズで径は小さく、球面は緩やかで、ぱっと見は平面のよう。
こちらも、前方の方が凸なので、マウント側が凹です。
実は、一度、逆に装着してしまったのですが、
著しく無限がズレた以外は、全体にピントはシャープだし、
充分満足のいく画像が得られましたので、
実際、曲率は小さい玉であると考えられます。

中玉をバラしてないのですが、
前玉群と後玉の形から推測するに、恐らく中玉は1群1枚の両凹型で、
全体では4群4枚の「エルノスター型」ではないかな?、と思われます。
昔の、比較的明るい望遠レンズにはよく見られる構成です。

買った時は、3群3枚のトリプレットかな?、と思っていたので、
しっかり前玉が2枚あるのを確認して「こりゃ、期待できそう」と思ったごっさんです。

絞りは、かなり枚数が多いです。
多分、15枚だと思いますが、1枚程度の数え間違い?はあるかもしれません。
同じプリセット絞りのレンズでも、コムラーのレンズだと、
特定の絞りでは多角形の形になり、まぁそれはそれで面白いんですが、
このレンズは、開放から最小絞りまで、全て真円です。
絞り自体も、多少テカってますが、コムラーよりは反射防止されてそうです。

Imgp098701

これも古いペンタックス(旭光学)のレンズ、
「Super-Multicoated-Takumar 200mm F4」と並べてみました。
なお、この状態、どちらもフード付きです。

フードを付けると、ほぼ同じ長さですが、
YASHINONの方は、前方(右側)の線から右がフードなので、
フード無しの状態では、YASHINONの方が長い、という事になります。
買った時には「こりゃ、Tele-Takumar 200mm F5.6並みのコンパクトさだ」
と思っていたので、並べてみるとむしろ長いとは、ちょっと驚きでした。

長いですが、こう並べてみると分かる通り細身のレンズなので、
とてもコンパクトな気がしてくるわけです。
自動絞りがないだけでこうも違うかな?、という程です。
また、何と言っても、三脚座も付いているのがポイント高いです。
細身で長いと、カメラ側で三脚にセットするとグラつきそうな気がするので、
こういう仕掛けは非常に嬉しいです。

さて、このレンズはいつ頃のものでしょう?

ヤシカがスクリューマウントのカメラを出したのは1961年の事です。

また、他社になりますが、Nikonが「cm」表記を「mm」に変更したのが、
1962年から67年頃の話しのようです。

このレンズはcm表記なので、
おおよそ1961~65年頃のレンズなのでは?、と推察されます。

部屋から適当に試写した感じでは、
ピントはシャープですがエッジが立っていない、
ごっさん好みの写りのようです。
また、ボケはかなり綺麗なようで、デジイチで撮っても立体感がありますので、
フィルムの35mm判で撮ると、より立体的な描写をするものと期待がもてます。

多少コントラストが眠い感じもしますが、
曇っている事が原因か、そもそもそうなのかは分かりません。
ただ、デジでもフィルムでも、充分に補正可能な範囲だと思います。

古いレンズですが、よい描写をしてくれそうなレンズなので、
かなり実戦的に使えるものと期待しています。

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