« フィリップ・ジョーンズ旧譜、復刻! | トップページ | 新春撮影行・番外篇(1)~兄の撮った秩父鉄道 »

2010年2月 3日 (水)

Ai Nikkor 85mm F2をメンテ&試写

なぜか昔から、あまり馴染みの無かった「85mm」という焦点距離。

割と高級なレンズが多くて手が出しにくかった、
という理由もありますが、
なんとなく、85mmという焦点距離を生かせる写真を撮れなかった事も、
理由の1つです。

去年、去りゆく207系900番代を地下で追い回していた時に初めて、
「明るい中望遠レンズがあるといいなぁ」と感じまして、
じゃあ買おう、とはまいりませんので、
兄から「New Nikkor 85mm F1.8」を借り受けたのでした。

※実はひそかに「SMC PENTAX-A★ 85mm F1.4」を借りれないか、
と思ったが、そう甘くはなかった(笑)

その後もずっと借りっぱなしでしたが、
先日、後継機(って、もう30年も前の話しだけど)である
「Ai Nikkor 85mm F2」のジャンクを安く見つけたので、
早速購入しました。

絞り粘りだったので分解整備。
今回は多少記録の写真を撮っていたので、
「続き」の中に、分解備忘録を書いておきます。
どうぞご参考までに。

Imgp0553

左が、兄から借りている「New Nikkor 85mm F1.8(Ai改)」。
右が、今回購入した「Ai Nikkor 85mm F2」。

わずかに開放F値が暗くなっていますが、
そのマイナス要素を補って余りあるコンパクトさが売りです。

メンテ完了後、早速、部屋の窓から試写をしてみまして、
なかなかおもしろい結果だったので、以下にまとめてみました。

Ai_85mm_f2

左が開放で、1段ずつ絞って、F8までの描写です。
部屋から見える一番遠い建物であるマンションと、
それより手前にある家の屋上にたっている八木アンテナ
(これ、地デジになるとあまり見なくなるんだろうなぁ)。

最初開放で撮った時、あまりに甘い描写で
「あれ、無限遠出てない?」と疑ったんですが、
1絞り絞っただけで、見違えるようにシャープな像を結びました。

更にもう1絞り、F4だと、コントラストもハッキリとし、
色収差もすっかり見えなくなります。
以後、より絞っても、基本的な描写は変わらず、深度が深くなっていきます。

「レンズは、1絞り絞ると収差が改善され、さらに1絞りで問題ない描写に」
というセリフは、レンズの解説書に108つも(?)載っていますが、
個人的に、ここまでセオリー通りな、
しかも、違うレンズで撮ったんじゃないか?、と思えるほどの著しい違いは、
経験した事が無かったので、ビックリしました。

なお、開放だとこんなに甘く、フレアぎみな描写なので、
とても使えないんじゃないか?、と思われそうですが、
多分、これは「ワザと」なんじゃないかな、と思います。

85mmといえば「ポートレートレンズ」と呼ばれ、
人物撮影には欠かせない焦点距離である、と言われています。

恐らく、人物撮影をメインにされるカメラマンであれば、
優れた85mmレンズの1本や2本、必ず持っている事だろうと思います。

このレンズも、主なターゲットは「人物を撮れるレンズが欲しい、
でも、出来るだけ安い方がいい」という層を狙っていたんじゃないかな、
と思います。

普通、開放F値が押さえられたレンズの描写は、
「開放からカリッとシャープで」なんてのが多いような気がしますが、
その理屈を、85mmという焦点距離のレンズに適用するわけにはいかなかった、
という事じゃないでしょうか。

開放で、まもなく1歳になるうちのチビの写真を撮りました。
いやはや、なんとピンのシビアなレンズな事か!
でも、ちゃんとピントがきた時の描写は、
なんとも言えない柔らかく、優しいものでした。

家でチビを撮るなら、絞り開放で。

外で鉄道を撮るなら、なるべくF4、どうしてもならF2.8まで。

そういう使い方をすれば、充分に「二刀流」をこなせると思います。

なかなかおもしろい個性のレンズです。

さて、分解の記録(備忘録)です。

なお、絞りのメンテだけなら、
ヘリコイドの分解の必要すらありません。
ここまでラクチンに分解できるレンズも珍しい気がします。

Imgp0516

(1)マウントにある3つのネジを外し、マウントを外す。
(初期型だと、ネジは5つあるらしい)

Imgp0518

(2)続いて、絞りリングも外す。引っ張れば取れる。
ボールジョイントは使われていないので、
特に神経質になる必要はなし。
(Nikkorで、ボール使った物はみた事がないような?)

Imgp0520

(3)カニ目回しで、後玉を取り外す。
絞りより後ろのレンズは、これで外れる。
(なお、後群は2群2枚。)

Imgp0522

(4)レンズを机の上に置いたままで、
赤丸のネジ3つを外す。
そして、外側を持って持ち上げると、スッポリと中身が抜ける。

Imgp0523

(5)外れた中身(レンズの入っている方)の外側に、
小さなイモネジの頭が見えるので(1箇所)、
それを緩める。とても小さいので、紛失注意(赤丸)

先端部分を持って「ぞうきん絞り」で回すと、外れる(写真左)

Imgp0524

(6)レンズ部分一番外側のカニ目を、カニ目回しで回すと、
レンズユニットがごっそりと外れる。
この中身は3群3枚。
すなわち、レンズとしては5群5枚と、非常にシンプル。

これで、絞りユニット(左側)が剥き出しに。

さて、じゃあ絞りをばらそう・・・、と思ったんですが、
これは現状「謎のまま」です。
外側に3つのネジがあり、
なめるんじゃないかとヒヤヒヤしつつ、
めっちゃ固かったんで気合い入れて外したんですが、
だからといって内側の何かが外れるでもなく。

うーん、困った、絞りの掃除したいのに、
絞りをベンジン漬けにしたいのに・・・

・・・ベンジン漬け?

・・・このまま出来るじゃん(笑)

Imgp0527

シャッター、絞りのメンテナンスには、
やっぱ「ベンジン浴」が一番ですね。
これで、すっぱり油分が取れました。
また、まるで砂金のように、
金属粉が浮き出て取れてしまいました
(写真、絞りの上に乗っている小さな点が、それら)

以上、分解清掃完了。

途中、ヘリコイドをばらす手順が無いので、
もし、ピントの調整に狂いが無いようであれば、
後はメンテ完了後に組み立てれば、それでもうおしまい。
その手順がないだけでも、楽にメンテが出来る、ってもんです。

|

« フィリップ・ジョーンズ旧譜、復刻! | トップページ | 新春撮影行・番外篇(1)~兄の撮った秩父鉄道 »

カメラ」カテゴリの記事

コメント

> ベンジン浴

薬局行けば、大瓶(500CC)が\500位、
リーズナボーで利き目抜群ときたら、
結構はまりますぜ。「Aベンジンいっちょ」とご指名ください。

> 描写

中望遠でカリッとした描写ならマクロレンズの方が・・・、
って事になるから、TAMRONの52Bは高い支持を集めたんだろうな。
あれで子供を撮ると、きっと人形になるに違いないw

85mm F2は、しかし、昔であれば、
その正しい使い方を知らないまま、適当に使ってた事だと思う。
これぞまさしく、デジタル様々・・・

投稿: ごっさん | 2010年2月 5日 (金) 22時04分

>そう甘くはなかった(笑)
別にA☆85/1.4でもよかったんだが、どちらかといえば「3番手のシステム」であるニコンにあっては
A☆85mmやタムロンSP90mmなんかの陰に隠れて、この焦点距離のレンズの運用も滞りがちだったわけで、白羽の矢が立った。
「仕事してこい仕事」みたいなw


>メンテ
弟者は「ベンジン浴」派なんだね。
こちら「分解洗浄」派だった。
ものすごくめんどくさいww

多分そっちのが「正統派」なやり方なんだろうなと思う。なにぶん当方「我流」で「力業」ですからw
というわけで次回から考え直す(爆


>描写
これまた我ら兄弟、見事に対照的な見解が出て面白い。
用途によりけりなんだろうけど、こちらでは「F1.8買って正解だった」という感想。
求めるものの違いやね。当方は本当に鉄道と風景に偏りまくってるから・・・

投稿: gochi-zoh | 2010年2月 4日 (木) 20時29分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« フィリップ・ジョーンズ旧譜、復刻! | トップページ | 新春撮影行・番外篇(1)~兄の撮った秩父鉄道 »