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2010年2月16日 (火)

「あすか事件」に見る、撮り鉄のマナーと気配り

そもそも「あすか事件」という表現は好きになれんのですがね。
「あすか」に対して失礼ではないですか。
かの悲運の名車「みやび」を継ぐ者として生まれ出でた、
関西が誇る名列車でありますのに。
まぁでも、そう表現するのが最も分かりやすいと思いますので、そのままで。

いやしかし、あちこちの新聞で大々的に取り上げられております。

レア車両に「撮り鉄」殺到、線路内で撮影 電車立ち往生 (朝日新聞)
鉄ヲタ暴走、電車止める…JR関西本線 (サンスポ) ※リンク切れ
迷惑な「撮り鉄」列車止め19本が運休に (日刊スポーツ) ※リンク切れ

なんとも情けない話しではないですか。
しばらく、線路脇でカメラを携帯するのが億劫になりそうです。

ところで、今回の事件は、どこで発生したのでしょう?

話しを総合すると、最初に発見したのは「河内堅上-三郷」間で、
上下線の間に侵入しているファンが数人いた、との事。

この辺?


大きな地図で見る

えーっと、線路の間に入れるのって、
トンネル出た直後くらいしかないと思うんですが?
え?こ、こんな狭いところに?そりゃ無茶苦茶やろ!

※蛇足ながら、この場所は、
そもそも、北岸に線路が走っていたんですが、
大規模な地滑り地帯のため、南岸を迂回するよう、
ルート変更をしたところです。
なので、短い駅間で2回も大和川を渡ります。
北岸の古いトンネルは、既に地滑りで埋没・・・
していたと思ったら、去年、奇跡的に見つかった、
と報道されてました。なので、よく覚えています。

幻の旧鉄道トンネル、残っていた 昭和初期に閉鎖 大阪 (朝日新聞)

一番問題となったのは、この「河内堅上-三郷」間のようですね。

次いで、「高井田-河内堅上」間にも侵入者があって、
運行が抑止される事態に。

今度は、多分、この辺りでしょう。


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ここはどうも、かつてD51の撮影でも定番として知られた、
まさに、関西線を代表する「お立ち台」の模様。

関西線 河内堅上 撮影 (Google画像検索)

ここは、上下線間の間隔があいているので、
まぁ、さっきの場所(と推定される)に比べれば、
安全性、という観点で言えば「まだまし」な方です。

もちろん、敷地内である事は間違いがないので、
この場所で撮影して構わない、という理由にはなり得ない事は当然です。

ひょっとすると、この後者の場合、
かつては、中に入っての撮影が「黙認」されていた、
という可能性もありますね。
国鉄の頃はおおらかで、ホントは敷地内だけど、
まぁ気をつけてりゃ大丈夫だから、って感じで。

これももちろん、中に入って良い、という理由にはなりません。

黙認・是認とは、何も悪い事がないならまぁ許してやっても、
という意味で、現実、世の中にはマナー違反な鉄が増殖中。
そういう状況下では、もはや黙認する事は不可。

時代は移り変わり、万事は流転していくのです。


・・・と、マナー論については、
あちこちのブログでも散々述べられているところですが、
ここは、ちょっと別の視点、すなわち「気配り」について。

さっき、Google画像検索のリンクを貼りましたが、
そこの画像を見る限り、河内堅上-高井田間で撮影する場合は、
別の高台から俯瞰する形で撮影するのが定番の様子。

という事は、線路脇に三脚を構え、撮影をするという事は、
もっとも定番なポイントで撮影する人の邪魔になる、という事です。

鉄道撮影の大原則は「早い者勝ち」。
先にポイントを押さえた人が優先であり、
例えプロであろうとも、後から来て、その場所をあけてください、
というのはルール違反な事です。

じゃあ別の場所で、と思った時に、
その撮影者よりも前に出る事、
これも当然、ルール違反な事です。
撮影者より前という事は、
その場所はフレームの中に入っている可能性が高いからです。

くだんの鉄橋の場合、
恐らく最も多くのファンが集まるであろう場所は、
鉄橋を俯瞰する高台であろう、という事は、
それなりに関西線のロケーションを知っている人なら、
簡単に予想できる事だと思います。

すると、自分が線路脇に立つことは、
そういった他のカメラマンのフレーム内に侵入する行為である、
という事も、当然予想できてしかるべき事ではないか、
と思うわけです。
他の撮影者に対する「気配り」があれば、
そういう場所に、そもそも入っていこう、
という考えが思い浮かんでこないはずなんであります。

もちろん、気配りが行き届かない事もあります。

ここで撮ろうかな、と思ったところに立ち、
回りをキョロキョロ見回し、よし、大丈夫そうだな、と思ったところで、
背後のはるか5kmも先から、
2000mmの超望遠で撮影しようとしている人が
「ちっ!そこに立つんじゃない!」と思ったところで、
そりゃさすがにどうしようもありゃしません(ちょっと例が極端ですが)

それでも、ある程度鉄道撮影に覚えがあれば、
自分の立ち位置が、回りから見た時にどうなるのか、分かると思います。
自分がここにいて大丈夫なのか?
あの小高い丘の上に立っている人は、
実はこちらを狙ってるんじゃないか?、
という事を、ある程度考える習慣はつけてしかるべきだと思います。

かと言って・・・、じゃあ、先にポジションについていた人は、
自分のフレーム内に人が侵入してきたからといって、
拡声器で「どけや、こらー!」とドヤしていいんでしょうか。

答えは、もちろん「ノー」なのです。

なぜなら、それも「気配り」だからです。

「他の撮影者の迷惑にならないように」、
と回りに配慮するのも、「気配り」。

一方、フレーム内に人が入ってきたとしても、
「まぁ、あれも風景の一部やね」とか、
「いいよ、レタッチの腕前の見せ所サ」
と度量の大きいところを見せられるのも、また「気配り」。

マナーを守る、なんてのは「イロハのイ」なんでありますが、
気配り、あるいは寛容とか、譲り合いとか。

そういう気持ちを大事にする心も、
「撮り鉄」を自称する人間には、大事にして欲しいんであります。

Img_0105
Canon iVIS HF100
高徳線 相生駅付近
2008年10月18日

※リバイバル急行「阿波」を待ち構える撮り鉄達。
山の上からしっかり観察しておりましたよ。フムフム・・・

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鉄道」カテゴリの記事

コメント

悦郎様

コメントありがとうございました。

マナーという言葉の意味を理解していない、
あるいは履き違えているのも甚だしい話しですね。
自分は決してそんな暴言を吐かない人間ですが、
とても申し訳ない気持ちになります。

これは鉄道マナー云々以前の話しですが、
最近は「もっともらしい」事を言う人が増えている気がします。
一見理屈が通りそうな事を盾にして、
主張したり権利を振りかざすような人が、です。

一番大事なのは「撮らせてもらっている」という気持ちなのではないでしょうか。
人様の土地、あるいは公共の、皆の場所の一部を、
個人の趣味のためだけに占有しているわけですから、
むしろありがたい、と思わないといけないはずです。

趣味人同士が、互いの利益を損なわないよう、
暗黙の了解のもとで場所を譲り合ったり、
邪魔をしない、というのは大事な事ですが、
それは、マナーと言うよりは「ルール」だろう、と思います。
あくまで、内輪の人間だけの話で、
それを、地元で生活している一般の方に求めるのは、
とてもマナーと言えるものではないように思います。

この記事を書いたのは、もう4年も前の事ですが、
ある意味、状況は悪くなってるのかもなぁ、という印象を受けました。

投稿: ごっさん | 2014年3月26日 (水) 01時19分

はじめまして。ごっさん様
ちょっと聞いてください。誰に言えば分からず、ネットで拝見させて頂いたので、コメントを読んでください。
昨日、私の田舎町(新潟)の踏切に撮り鉄マニアが沢山いました。歩道にパイプ椅子や脚立を持ち込み、車の往来に邪魔になるし、子供や年寄りが良く通る歩道にまで陣取ってました。何かと思ったら、SLが走るのだと後で知りました。柵を越えて、電車にひかれそうになるくらいまで、近づいている人もいました。
ところが事件!! 私はいつもの農道を車で走っていたら、SLが来たので、撮り鉄の邪魔にならないような所で写真を撮ったら、はるか1~2km位の所から車がぶっ飛んできて、撮り鉄オヤジが、何やってるんだ!撮影の邪魔だ!!と言われてこっちは何時間も待ってるんだ!ルールを守れ!皆ルール守っている!土下座しろ!
て言ってきたのです。車のナンバーからSUWAだったので、県外からわざわざお疲れ。
凄い罵声で精神的苦痛を味わいました。
でも良く見ると、皆んな県道、農道に平気で長時間停めていたし、そのオヤジは人の田んぼに戻って行きました。県外の人が人の田んぼに長時間居るのは良いのだろうか?
赤信号みんなで渡れば、正当化?青信号で来た人を怒るようなものでは?
ネットで、撮り鉄のマナーを調べたら、私のようなケースが多い事を知りました。
地元の爺さんが軽トラで線路わきに停めたら、バカヤロー邪魔だドケドケとか、ホームで駅員や客に撮影の邪魔だどけという書き込みが有りました。撮り鉄なりのマナーが有るみたいだが、一般人には理解できません。行列に割り込んだわけでもなく、カメラの目の前にどっかり座ったわけでもなくはるかかなたに居た撮り鉄に怒鳴られるとは、とても悲しいです。
皆さんはどう思いますか? 撮り鉄に人は私が悪いと言うだろうな。
地元住民が他県や撮り鉄さんにこんなことをされるのは、モラルの低下としか言えません。
罵声を浴びせられ、精神的に参っています。
このような人達にルールを守らせる有効な手段(テレビやメディア)は無いでしょうか?
済みません長々とお付き合いして頂きまして有難う御座いました。

投稿: 悦郎 | 2014年3月25日 (火) 22時22分

プルト君、様

コメントありがとうございました。
このエントリー、掲載後1年半になりますが、
今でも多くの方にご覧頂いております。
今から読み返すと、少々「えらそう」ではありますが・・・

常識を知らない人が多いのは、鉄道に絡んだ話しではないですね。
たまたま、この「あすか事件」や、
上野駅での「急行能登」の最終日の騒動などが、
少々「物珍しい」感じでマスコミに取り上げられた事で、
「鉄道ファン=鉄道オタク=迷惑」という図式が、
なんとなく出来上がってしまっている感はあります。

このエントリーでは書かなかったですが、
京浜東北線から209系が無くなる時、
その最終電車?で、一部の鉄ヲタが車両をほぼ「占拠」し、
一般客がいるのに、我が物顔で騒いでいた、
という記事もありました。

そういった「奇行」を、ヲタクだから、常識の無い人が増えているから、
というだけで片付けてもいけないのかもしれません。
割と身近でも、程度の大小はあっても、
それを知らないのはどうかと思うなぁ、という人は割といるように感じます
(東京は、人が多いから特にそう思うのかもしれませんが。)
実は自分も、ある第三者からは、そう思われているのかもしれません。

社会がこれだけすさんできて、何も信用できない風潮が蔓延すると、
人のことなんてどうでも良くて、自分さえ良ければそれで良し、
という空気がますます支配しそうで、なんだかとてもコワイ気がしております。

投稿: ごっさん | 2011年9月19日 (月) 23時15分

はじめまして。
鉄ちゃん マナーで検索してきました。

昔から鉄道マニア、鉄道ファンはいましたが、今とは違っていたように思います。
知り合いの鉄道ファンは国鉄だったと思いますが、列車を撮っているうちに運転手さんに声をかけられ、一緒にツーショットの写真を撮らせてもらってました。
(当時、彼は高校生。友人と二人で撮りに行きました。フィルムカメラの時代です。)

彼らがマナー良くしていなければ、こういうファンサービスはしてもらえなかったはずです。
また、他のファンにマナーの悪い奴がいたら、やっぱりしてくれることはなかったでしょう。
ファンの絶対数が少なかったし、今のように何百枚も撮れるデジカメがなかったことも一因だと思います。

私はオタクではありますけど、鉄オタではありません。

しかし、昨今のオタクには信じられない輩が目立ちます。

以前、路上ライブをしていたローカルアイドルの応援に来たオタが、クルマの通りも通行人も多いのに道路のど真ん中で数人でオタ芸を始めました。
たちまち道路は大渋滞。
なのに当人達は、おかまいなしに気にすることもなく、自分達の世界に入ったままです。

すると東南アジア系の二人組が怒鳴り込んできました。迷惑だからやめろと。

しばらくライブはやめていたのですが、再開するとすかさず、ど真ん中でオタ芸。

また、二人組がやってきて怒鳴られました。
ほどなくして警官が来て、その子らは怒られました。連行はされませんでしたが、涙ぐんでいました。
通報されたのです。

オタどもは一言も謝りはしませんでした。

全部が全部こうではありませんが、どの世界でも常識が無い奴が増えているように思います。

投稿: プルト君 | 2011年9月19日 (月) 22時51分

こんなえらそうなエントリー書きながら、
日頃「人がいないところ」を選びがちなので、
実は同業者と接点が薄いごっさんです。

すっごい初歩的な疑問として、
恫喝してまでアングルを選び確保して撮影した写真って、
後から見返してイヤな気分にならんもんなのかね?
僕はいまだに、20年前の「ジョイフルトレイン大集合」in高松で、
隣にいたおっさんが「どけやこら!」と怒鳴り散らしていたのが忘れられず、
やな気分を思い出して不快になるんだが
(自分に言われたわけではないので悪しからず)

それが原体験だから、
人がいないところを選びがちなのかなぁ

投稿: ごっさん | 2010年2月19日 (金) 21時58分

拙い歳のとり方はしたくない、って痛感しますなぁ・・・
この業界(?)何処へ行っても「歳食った大きなコドモ」の姿には事欠きません。

昔の「58/65/47どつぼ列車」なんて本当酷かったものね。
ハコ乗りで撮影妨害&沿線撮影者晒し用の写真撮ってた奴とか、箸蔵バルブ撮影会での長時間居座り+恫喝による撮影妨害行為とか(同一人物の犯行w)
(そいつが車内へ戻ったのを見計らって列車ライトアップのサプライズが実施されたらしいwww妨害鉄涙目ざまぁw)

とはいえ大半は礼儀正しく済むのも事実ですが、こうも大事件が続くと、ひっそり孤独に心静かに楽しませてくれと言いたくもなってきますな・・・。

投稿: gochi-zoh | 2010年2月19日 (金) 01時06分

やはり、源流はSLブームにあるんですね。
テレビで、「さよなら運転」の模様を観たことがありますが、
ホームからこぼれ落ちんばかりの人が集まり、
大熱狂している様は、確かに異様であります。
「目的のためには手段を選ばず」
「手段の善し悪しも関係なし」という風潮は、
この頃から引きずっているのかもしれないですね。
そういえば、今回の事件、
当事者は若者ではなかった、という噂を小耳にしました。
ひょっとすると、この時代のこの悪しき慣習を、
現代まで引きずっている人だったんでしょうか・・・

投稿: ごっさん | 2010年2月18日 (木) 00時21分

小生は蒸機ブーム最末期に東京に出て来ていて
だんだん鉄から離れつつあった時期でした。
それでも各地のさよなら運転の写真を見ると
機関車の上に人が群がってる、なんてのを
雑誌でよく見ました。
だいたい鉄道車両が引退するからといって
人が集まるようになったのは
かのSLブームの頃からだと思います。
丁度、カメラが普及し始めて
かつ、テレビが社会現象を伝えるようになった時期だと思います。
それまでにも名車や名列車の引退はありましたが
それを伝えるのは趣味誌くらいで
当然趣味人しか買いません。
テレビはブームとして広く伝えてしましましたね。
結局、鉄道がそれほど好きでない輩が
鉄道写真を撮るようになったのでこんな事になったんだと思います。
クジラに興味もないのに反対ばっかりしてる団体と同じですね。

投稿: 南東風 | 2010年2月17日 (水) 23時47分

きっと昔は、
SLの運転室なんて、乗せて!、と言えば乗せてくれたでしょう。
今は、運転室に入ればマスコミ沙汰になるはずです。
いい時代だった、と懐かしむのは簡単ですが、
なぜ今、そういう価値観が通用しなくなってきているのか。
それを認めた時に、何か問題が起こる、起こす人がいるから、
ダメだ、となってくるわけです。誰が犯人なんでしょう?

僕も、マニアとか、オタクとかは言われたくありません。
かといって、ファンは軽い気もするし、
「鉄っちゃん」って歳でもないし・・・
うまく自分を表現できる言葉を模索しています。
「撮り鉄」も、今の時代だと、
脱社会的な人間、というレッテルがつきまとってくるので、
「鉄道風景写真家」とでも形容するようにしましょうか。

ところで、SLブームの時も、
マナーを守らない人はいる、と聞いたことがあるような気がします。
線路の真ん中に立って真正面どアップの写真をとって、
急制動急停車しているのを横目に、
そそくさと車か何かで逃げてしまう人もいた、とか何とか?
実のところはどうだったんでしょうか?
伯備線D51三重連の大騒動は有名ですが、
北海道のC62ニセコ重連など、
多くのファンが殺到したであろう場所では、
特に問題が発生するという事はなかったんでしょうか?

投稿: ごっさん | 2010年2月17日 (水) 01時23分

まったく同感です。
昔の、未だ東海道線西部や山陽本線が非電化の時代
山科の大カーブあるいはセノハチで
どう見たって上下線の間で撮ってるという写真があります。
良い時代だったんですね。
時は流れて現代ではそんなことは許されない。
小生の解釈では
鉄道ファン=趣味人、鉄道マニア=偏執狂です。
マニアはモノマニアのことで一種の精神病です。
いつから鉄道マニアなんて言葉が出来たんでしょうか。
マスコミでも当たり前に使われてるし。
そういえばマスコミも煽りすぎだという声もありますね。
富士ぶさや0系の時にNHKでさえ7時のニュースで流してましたから
今改正の時も大々的にマニアの熱狂ぶりを報道するでしょうね。
「なくなる」ことよりマニア達の狂乱ぶりの方がニュースなんです。

投稿: 南東風 | 2010年2月16日 (火) 23時40分

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