« 記憶の中のオレンジ色 | トップページ | ファインダーは左目で »

2010年4月16日 (金)

大丈夫なのかKDDI?

最近のau(KDDI)の迷走ぶり、混乱ぶりを見てると、
「おいおい大丈夫なの?ツブれやせんのか?」
と不安になってくるのです。

J:COM買収騒動では、
あっさりと子会社化が否定され、
おまけに、生みの親である住商の逆鱗にもふれて、
TOBを実施されて筆頭株主にすらなれないという、
信じられない失態を起こしたばかりです。

それよりも、先日発表された「一部機種サービス終了のお知らせ
の方が、インパクトの大きさでは桁違いです。

てっきり、古いA型番の端末だけが対象かと思ったら、
今回、使えなくなると告知した中で、一番新しい端末は2007年に発売されたもので、
なんと最近のW50型番の一部までが対象と言います。

なんせ、auの3000万ほどの契約者のうち、
約900万人が該当する話しと言いますから、恐ろしい話しです。

今回の終了の理由は、800MHzの周波数の一部を、
国に返納しなくてはいけないための措置です。

そもそも、800MHzの返納は、2003年時点で決まっていた、と言います。

KDDIは、その後4年間も、「2012年に使えなくなる」と分かってた端末を、
特に注意喚起するでもなく売り続けていた事になります。

一方のdocomoが、第2世代ケータイである「mova」を、
ほぼ同時期の2012年3月にサービス終了すると告知していますが、
こちらは、実質的に2004年の506iシリーズで新規発売を終了
(ソニエリのpreminiのような一部例外を除く)するなど、
早いうちに対応していたのとは大きな違いです。
(SoftBankの2Gは、先月末で停波済み)

なぜ、auはこんな後手後手の対応を強いられているのか?
その鍵は、「販売奨励金」ビジネスが握っているように思います。

以前は、auと言えば「1円端末」で有名でした。
まだ発売されたての端末が、
1円とか100円とか、信じられない値段で販売されてました。

なんで、定価5万円クラスのケータイが1円なのか?
それは、キャリアであるauが、
端末が売れると、販売店に「奨励金」を渡していたからです。

新しい端末を出す度に、ユーザーは新しくて安い端末へ買い替えていく。
auの目論見では、2012年までにほとんどの端末を巻きとれるのでは、
と考えていたのかもしれません。

しかし、総務省主導により、「奨励金ビジネス」は自制されていきます。

2006年秋、vodafoneを買収したばかりのSoftBankは、
早々に「割賦販売」制を導入し、奨励金制度を実質廃止しました。

2年の契約を約束してくれたら、
端末代金を月払いに分け、
それぞれの月で少しずつ割引をする、という新制度は、
これまでの日本のビジネスシーンには無い物でしたが、
契約を縛られる代わりに安く端末を買えるので、
瞬く間にユーザーに広く受け入れられていきました。

追随するdocomoは、似た感じの分割払い制度である「バリュー」を導入。
端末価格を一括払い、ないし12ヵ月または24ヵ月の分割払い。
端末代は割り引かれないものの、安い基本料金が設定され、
トータルで見ると以前より安くなったので
(そもそもが高かった、とも言う)、
docomoユーザーに思いの外好評に受け入れられ、
MNPによる大量流出の懸念も無くなり、現在に至っています。

さて、auはどうなんでしょう。

docomoがバリューを始めた頃、auも同様の制度である「シンプルコース」を始めましたが、
端末はあくまで一括払いのみ(現在は分割払いも可)で、
割高感は否めなかったろうと思います。
auにとって、あくまで本命は「フルサポートコース」だったからです。
端末価格を2万円(現在は16.800円)値下げする代わりに2年契約を必須としたこの制度は、
旧来の奨励金モデルに近いものです。

しかし「フルサポ」では、端末が一気に1円になるほど劇的には下がりません。
3万円のケータイなら、1万円になります。
以前なら「1円」になったであろうところが、です。
それで、基本料金は変わらず、2年の縛りまで発生。
ユーザに受け入れられないのは、当然と言えます。

なんでauは「フルサポ」を押して、「シンプル」に重心を移さないんだろう?、
と思っていたんですが、恐らく、奨励金ビジネスの成功神話にすがり、
同じ路線で端末を売り続けていこう、と考えていたからのように推察されます。

そして、auが「フルサポ」を始めたのは、2007年の秋です。
一方、今回終了が告知された800MHz(の一部)のみ対応の機種は、
直前の7月にも新機種が販売されていますが、
その後は、2GHz帯および別の800MHzにも対応する機種だけが発売されていきます。

奨励金ビジネスが終焉すると、
これまでのように「1年単位でどんどん機種変更してくれる」
という目論見が崩れる事が予想され、
慌てて800MHz対応を終了したのでは?、と邪推できます。

しかし、運の悪い事に、
同時期にauが採用した新プラットフォーム「KCP+」は、
動作が重くて不安定、これまでと操作方法が異なる、
端末が大きくかさばるようになるなど、
auらしさが全て吹っ飛ぶような問題のあるシステムでした。

「新しいauには、良い端末がない」
「機種変更しない方が良かった」
そんな声を、あちこちから聴きます。
僕も、以前はauの回線を持っていましたが、
最後に買ったのはW53CAで、2年ばかり使って、
買い換える気が一度も起こらないまま、解約してしまいました。

新しい、魅力的な(自称)端末を出していけば、
ユーザはどんどん機種変更してくれる。

そんな常識が、「奨励金ビジネス崩壊」「KCP+の失敗」という、
2つの誤算によって崩れ去ってしまったわけです。

結局、奨励金ビジネスが強制終了を食らった事で、
全てのつじつまが合わなくなっていき、
何もかもが後手後手に回って、今はただ、焦るばかりで収拾が付かない、
という悪いスパイラルに陥っているように見えます。

恐らく、そろそろ小野寺社長の責任問題が浮上してくるでしょう。

そして、SIMフリーやスマートフォン時代の到来など、
ますますauの外堀は埋められていき、
後5年もすれば・・・、

なんて事がない事を祈るばかりです。

|

« 記憶の中のオレンジ色 | トップページ | ファインダーは左目で »

携帯・デジカメ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 記憶の中のオレンジ色 | トップページ | ファインダーは左目で »