千代田光学(ミノルタ) A-2のジャンクを修理
★2022年12月29日追記:
当エントリーは10年以上前に執筆したもので、
記載事項以外の細かい内容は既に失念しておりますので、
コメントでのご質問はご容赦ください。。
また、あくまで素人メンテの記録ですので、
当エントリーを元に分解修理をされて不具合が生じたとしても、
責任は負いかねますのでご承知置きください。
-----
中野の某カメラ屋ジャンク館(笑)で買ってきた、
2100円のMinolta A-2です。
見た目は傷らしい傷もなく綺麗で、
レンズもカビやクモリは認められず。
しかし、シャッターが不動でした。
当時は、まだ社名は千代田光学のはずで、
レンズにも「CHIYODA KOGAKU OSAKA JAPAN」の字が踊っています。
シャッター動かないだけなら、
ちょいちょいバラして直せばいいよね~。
なんて、軽い気持ちで買ってきたのがそもそもの間違い(笑)
当初は、どっか部品がかみ合ってないだけじゃないの、
と思って軍艦部を外したり(これやると、戻すのが大変。
巻き上げ部のゼンマイのおかげで・・・)、
底蓋を外してみたりしましたが、
どうも、内部のシャッター(シチズンのMV)の粘りが原因かな、
と結論づけ、分解を敢行。
(分解手順は、いつものように「続き」の中へ。)
粘りが原因ならベンジンで掃除すればいいよねぇ~、と、
やはり鼻歌交じりな感じで作業進めましたが、
どうも様子がおかしい。
シャッターをチャージし、レリーズを切ると、
「カシャ」、と音がしてシャッターが・・・、
あれ?、開かない。音はすれども羽根は動かず。
???
なんでだろうと、内部を覗き込んで挙動を確認。
ガバナーも降ろして、隅々まで見て、まずは不良箇所を特定。
シチズンの、というか、コンパー系のシャッターには持病らしい、
シャッター羽根を動かすこの部分の挙動がおかしい事になっていました。
赤丸左側の「M字」の切れ欠きのあるエバーが、
赤丸右下の半月状の軸(羽根に繋がっている)を押し出し、
シャッターが開く、という制御になっています。
本来なら、チャージをすると、このレバーと軸が噛み合い、
シャッターを切ると、レバーが「エイヤ」と軸を押して羽根が動く、
となるはずなんですが、写真の通りわずかに噛み合わなかったので、
レバーが「空振り」をして羽根が動かない、という事でした。
じゃあ、油を差せばいいよね・・・、と思ってレバーの根本に注油するも、
動きは全く軽快にならず。こりゃまったく困った事になりました。
仕方ない、部品全部ばらして徹底メンテかな・・・、
と思って上からばらし始めたら、
別の部分のバネを変形させて、危うく修理不能になるところに!
この時点で腰が引けて、分解メンテは中止。
どないすんじゃ~。
いろいろ灰色の脳細胞を駆使して、楽な(手抜きな?)方法を模索し、
辿り着いた結論はこちら!
軸部分にビニテ(赤く染めた部分)が巻いてあるのが分かりますでしょうか?
レバーが軸にちゃんとくっついて(吸い付いて)くれるよう、
軸の表面に抵抗感を与えるといいんじゃないかな、
と思って貼ってみたんですが、これが当たり!
ちゃんとレバーが噛み合ってくれるようになりました。
実際は、ビニテだと粘着力弱くてすぐはがれてしまったので、
セロテープを巻いてみました。
正直、こんないい加減な修理は、
自分で使う事しか考えていないから出来るようなもんで、
人様のを直すとか、直して売るとかを考えると、
やってはいかん方法なんであります。
きっと、数年、へたすりゃ数ヶ月後には、
テープが剥がれたり劣化したりで、
吸引効果が薄れる事は目に見えているのです。
でも自分のカメラですから、またバラして直せばいいですもんねぇ。
直して撮る、また直して撮る、というのも、
カメラ趣味の1つの方法として楽しいかな、と思っております。
試写はまだこれからです。
実は、シャッター速が怪しくて、全速ちょっと速い気がするんだなぁ。
その辺のテストも兼ねて、これから撮ってみようと思います。
※分解方法覚え書きは、続きの中へ。
距離目盛りが書いてある枠(写真の①)の、
外側から3箇所止めてあるイモネジ(3つの赤い丸、場所はイメージ)を緩めて取り外す。
フロントパネル(写真の②)を外す。
青い○のうち、右上はストロボの接点、あとの3つはネジ。
※写真では「CITIZEN MV」と書いてあるパネルも外してますが、
ここは外さなくても大丈夫なはず。
前玉を止めているカニ目を外す。
絞りより前群はこれで取り外せます。
絞りが丸見えとなりますが、
簡単に羽根が外れてしまうようなので、
うっかり傾けたりすると面倒な事になりそうなので注意。
次はヘリコイド、金色の真鍮部分を外します。
まず、外側の3つのイモネジを緩める。
大きなネジ(ヘリコイド)になっているので、くるくる回してとります。
※これは、距離計の調整を行う部分です。
距離計調整を、軍艦部をあけるのではない方法で行うカメラは、
個人的には初めて見ました。非常に合理的かつ正確に合わせられます。
外側の真鍮を外した後の、内側も外から3つのイモネジで止めてあるので、
緩めます。こちらはネジではなく、スポッと取れます。
この内側の真鍮部分は、
ピントの∞を合わせる際に調整する部分です。
シャッターをバルブであけて、
フィルム面部分に磨りガラスをあて、
ルーペを覗きながら∞を合わせていきます。
ピッタリ合う部分で、3つのイモネジで締め付けるわけです。
で、ここも取るとこうなります。
まずは赤い3つの丸のネジを取ります。
すると、セルフタイマーを動作させるレバーを取り外す事が出来ます。
と、その前に、左上の赤丸付近でバネがついていますが、
これも外しておきます。
その後、4つの青丸を外します。すると、シャッターがごっそり外れて、↓
この状態となります。
| 固定リンク
「カメラ」カテゴリの記事
- COSMICAR TV 6.5mm F1.8は、Nikon 1 J5の良い相棒(2023.08.23)
- ペンタックス「フィルムカメラプロジェクト」に寄せて(2022.12.20)
- KamLanの魚眼、8mm F3.0 Fisheyeで上野駅撮り(2022.08.21)
- PEN EES-2散歩(2) 跨線橋の隙間(2022.08.17)
- PEN EES-2散歩(1) 生麦駅(2022.07.10)
コメント
トム様
リンク切れのご指摘ありがとうございました。
当該箇所を削除いたしました。
前の方のレスにも書きましたが、
分解したのはもう10年以上前の事で、
特にメモを取っていたわけでもないので、
細かい事は失念してしまいました。ご容赦ください。
投稿: ごっさん | 2022年12月29日 (木) 01時37分
上記の
軍艦部や底部を外す方法は、
既にコチラに載ってますので、ご参照ください。
リンク先に飛べません
軍幹部を開けたら巻き上げやシャッターが切れなくなりました。
なにかアドバイスをいただけますと幸いです。
おてすうをおかけしますが宜しくお願い致します。
投稿: トム | 2022年12月28日 (水) 21時35分
シンジョウアズサ様
すみません、しばらくブログ放置していたのでコメント気付きませんでした。
失礼いたしました。
ミノルタA2ですが、
バラしてメンテしたのはもう10年以上も前の事で、
細かい事は全く忘れてしまいました。
お役に立てず申し訳ありません。
投稿: ごっさん | 2021年12月15日 (水) 22時39分
初めまして、今日秋葉でミノルタA-2を買っちやいました、外観も綺麗シャッタもスローから高速までok絞りも店でちゃんと動いたのですが、家に帰っていじっていたら絞りリングが、空回りしています、レンズの周りを少し強く押すと絞りばねが、開閉します、アドバイズをいただければ幸いです、よろしくお願いいたします。
投稿: シンジョウアズサ | 2021年10月 9日 (土) 19時48分
静岡のジャンクマニア様
ありがとうございます。
今回のA-2は、不思議なくらいレンズが綺麗で、
ちょっとカビっぽいものもありましたが、軽く拭いたら綺麗になりました。
古いレンズは、ヘタに拭くとコーティングにキズが入るので、
ピップ社の「ベビー綿棒」で拭くようにしています。
これでキズがついた試しはありません。
cocolog障害で試写をアップするのが遅れましたが、
これから書いていきますので、そちらもよろしくご参照ください。
実にいい写りをしております。
今後もよろしくお願いします。
投稿: ごっさん | 2010年8月15日 (日) 21時42分
はじめまして!
キヤノンVL分解の時、参考にさせていただきました。
ありがとうございました。
シューの隠しねじがつるつるして回し難ったです。
それ以来、このブログを時々拝見させていただいております。
東京の中古カメラ情報もためになります。
こちらは静岡のジャンク分解マニアです。
自分も大好きなAを修理してらっしゃるのでついメールしたくなりました。
Aの固体はジャンク棚や、オークションで購入、4台持っていますが、
内2台はバル切れ、他の一台のレンズも隅に薄曇りありと古い個体ですので
きれいなレンズ物は少ないような気がします。
こんな変な格好をしているのにちゃんと写るのが不思議です。
それでは、次の情報更新楽しみにしております。
投稿: 静岡のジャンクマニア | 2010年8月15日 (日) 10時40分