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2011年5月15日 (日)

やっと初撮り、Petri FTEEと、「ちゃんと写る」レンズ2本

110502_22_ftee

110502_26_ftee

Petri FTEE fully automatic
Petri C.C Auto 55mm F2
1/500秒 F11
Konica-Minolta Centuria Super 400
JR中央線&西武国分寺線 国分寺駅西寄り
2011年5月2日

去年10月にフィルムを詰めたFTEE、
先日の連休でやっと撮り終え、現像する事が出来ました。

muk selectの小菅さんから頂いたFTEE。(その時の顛末

先日、念願のリアル店舗を開設され、
カメラ修理業務も併設して「エムユーケーカメラサービス横浜関内
として再スタートを切られた、との事。

実は、このFTEEの件があって少ししてから、
「どこかでカメラ修理の勉強でも出来ればー」
とおっしゃっていたので「それなら、東京カメラサービスでやってますよ」
と軽く呟いた事が、ここまで人生を狂わせる(?)事になろうとは、
思いも寄らぬ事でした。

と、話しがそれましたが、
そんな「頂き物」のFTEE、ようやく現像する事ができ、
スキャンしたデータを目にして「うん、ちゃんと撮れとる」と満足しました。

上の2枚は、いずれも「銀鏡胴」の55mmで撮ったもの
(これは、フジヤカメラで千円でした。前枠ひしゃげてるジャンク)。

シャッター速が1/500までしかなく、フィルムが400だったので、
F11まで絞っての撮影ですが、1枚目はそれなりなボケが結構綺麗な感じ。

2枚目も、野川源流付近ののどかな感じがします。

が、少々問題もありまして、
画面の左の方が少し暗いです。
これ、一応修正試みてるんですが、やっぱり暗い。

恐らく、FTEEのシャッター幕の動きが悪くて、
幕速が出てないため左右で露出が均一になっていないからでは、
と考えられます。
ちょっと残念。小菅さんのところに里帰りさせて直してもらうかな(笑)

FTEEは本調子じゃなかったですが、
もう1つの収穫は、Petriの望遠ズーム
(最初のFTEE顛末エントリーで、FTEEに取り付けているレンズ)が、
非常にいい描写をするのが分かった事です。

101024_03_ftee
Petri FTEE fully automatic
C.C Petri Zoom 85-210mm F4.5 EE AUTO (135mm)
1/500秒 F4.5
Konica-Minolta Centuria Super 400
JR総武線 水道橋駅
2010年10月24日

101024_09_ftee
Petri FTEE fully automatic
C.C Petri Zoom 85-210mm F4.5 EE AUTO (135mm)
1/250秒 F4.5
Konica-Minolta Centuria Super 400
東武伊勢崎線 堀切駅
2010年10月24日

この日に、EOS D60で撮った写真は、
既にその日の内にエントリにあげております

撮ったレンズは、ペトリの数少ないズームの1つ、
EE仕様の85-210mmですが、「純正」ではありません。

同時期、ズームレンズのメーカーとして知られた、
Sun(ゴトーサン)の出していた同型ズームのOEM品です。

当時名を馳せたズームレンズメーカーと言えば、
三協光機コムラーも知られていますが、
そちらと同様、今は既に無いレンズメーカーの1つです。

「駄目なメーカーとの烙印を押されて消えていった」
という話しを聞いたことがありますが、実際撮ってみた印象も、
「なんだこれ、全然しっかり撮れるじゃないの」。

同じレンズのSun純正品なら、
他のマウントで、それこそ千円するかしないか、
程度のジャンクをゴロゴロとよく見かけます。
正当な評価を下さないといけないズームの1つだな、と再認識しました。

「ペトリで、ガッチリした鉄道写真を撮る」
というお遊び?をしたいと思ってましたが、
少なくとも、レンズはこのズームで全く問題ありません。

後は、安定して動作するボディがなかなか・・・。
FTEEは、この通り1/500秒に難あるし、
黒のFTEは、時々ミラーが降りなくなるし
(今触ったらちゃんと動いてやがるけど。)
最初にかったFA-1は、まだ直っていないし・・・

ま、「お遊び」ですから(笑)

ちなみに、ちょっとお遊びで、珍品を試してみました。

アローカメラの「我楽多屋」で買ってきた、
ペトリマウント用の「ケンコー3倍テレコン」です。
このエントリを読んで買いに行った

焦点距離3倍という事は、露出係数も3倍なので、
最初に紹介した55mm F2に付けると「165mm F5.6」になります。

どんなもんかなー、と試し撮り・・・、
既にファインダー覗いている段階で妖しさ爆裂でしたが・・・

101024_08_ftee
Petri FTEE fully automatic
Petri C.C Auto 55mm F2 + Kenko Auto Teleplus 3x (165mm F5.6相当)
1/500秒 F5.6
Konica-Minolta Centuria Super 400
JR中央線 水道橋-御茶ノ水駅間
2010年10月24日

なんじゃこりゃ!(笑)

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コメント

伊太郎旅唄様

貴重な昔話をありがとうございます。
倒産後は双眼鏡などを細々と作っていた、
という話しを聞いたことがありますが、
その会社ももう無くなったような話しも聞いたような?覚えがあります。
ペトリのカメラ、独特な作りで個性的なものも多かったですが、
ちょっと壊れやすいところもあったようで、
もう少し精度があればもっと評価されたのかな、と思ったりもします。

投稿: ごっさん | 2022年7月10日 (日) 23時38分

今日は、ごっさん殿 伊太郎です。今ペトリのカメラ、レンズを集めております。病気をする前に報道で大相撲の写真を撮ってました。本来私はキヤノン派で仕事ではニコンの機材を使用してました。当時足立梅田に
住んでいた頃は、近くにペトリの会社が有ってもピント来ませんでした。ただ何とストの多い会社だなと思う印象でした。77年後期に倒産しましたが、ペトリの残党が埼玉杉戸にまだ会社が残っており細々と会社は、今も運営されてるそうです。ペトリのFTEを1/1ooo秒かしてフラッグシップのFT2を開放測光してCCオートレンズをEE化に統一すれば状況は少し変わっていたかも知れません。一時倒産する直前に会社更正法で大株主の三菱銀行が経営陣に乗り出す計画が有ったそうです。労組の反対でボツになったそうです。此の
三菱銀行は、足立梅田に有った千住支店です。

投稿: 伊太郎旅唄 | 2022年6月20日 (月) 11時57分

伊太郎旅唄 様

貴重な証言をありがとうございました。
確かに「ペトリ斗争」を刻印されたカメラを見た事がありますが
(さすがに販売用ではなかったのかもしれませんが)、
大手がAE化を押し進めていた時に内部で混乱していたのは、
大きな痛手だった事と思います。
このエントリーを書いてから10年を超えてしまいましたが、
クラシックカメラが人気と言われている中でも、
ペトリはほとんど顧みられていないのは残念なことです。

投稿: ごっさん | 2022年6月 5日 (日) 23時16分

今日は、私は、大分以前に足立区梅田に住んでいました。自宅から徒歩10分位の所にペトリカメラの本社兼工場がありました。当時は下町のカメラメーカーとしては、東京では有名でした。共産系労組の度重なるストで潰されたの様なものです。経営陣の栗林氏よりは、労組の方が強よかった様です。私は病気をする前は、報道で大相撲写真を撮ってました。ペトリカメラは伝統的は、キヤノンやニコンは太刀打ちできません。かなりの技術力もありカメラの品質の良かったおもいます。

投稿: 伊太郎旅唄 | 2022年6月 3日 (金) 14時57分

小山田春樹様

ペトリのエントリにコメント頂き、ありがとうございました。

ペトリのカメラとレンズは、不思議な魅力が詰まっていますね。
必ずしも「ハイグレード」ではないと思いますが、
現像したフィルムに写る画は、いつも「安心」するものばかりです。

ニコンやキヤノンは、会社の大きさが違いましたから、
ユーザやプロが臨む機材、更に上の機材など、
どんどん開発して世に送り出す事が出来ましたが、
ペトリのカメラは、数十年同じ基本設計、同じレンズ、
というものが多かったようで、
オイルショック後の体力が弱った経済状況においては、
生き残ることが出来なかったのかな、と推察します。

隅田川を渡って堀切にある「ユーシーエス」というカメラ修理屋には、
今も、ペトリにいた人が修理や整備をされているそうで、
実質「ペトリの公式修理屋」のようになっています。
もし今後もペトリで撮る機会があるようでしたら、
是非一度ご検討ください。

http://www.u-cs.co.jp

その後、ペトリのカメラやレンズのラインナップも増えているので、
そろそろ、ちゃんと書かなきゃ、と思っています。
是非お楽しみにお待ち頂けますと幸いです。

投稿: ごっさん | 2013年2月21日 (木) 23時36分

はじめまして、京都市に住む小山田春樹です。
ペトリのズームレンズの記事を検索していたら、貴兄のページを読む事ができました。
私は、中学2年生の時に、初めて買った1眼レフがペトリV6でした。(昭和42年12月)
斜めシャッターが押し易く、レンズが素晴らしく良い描写をしていたので愛用していましたが、フォーカルプレーンシャッターの故障が多くて、何回も修理にだしました。
当時は、ペトリの営業所が九段にあり、親切に応対してくれました。
露主計が内蔵されないカメラだったので、セコニックの単独露出計を使っていました。

私のカメラには、55ミリF1.8の標準レンズが付いていました。
翌年、135ミリF3.5の望遠レンズを買い、学校の行事の撮影などに使いました。

ペトリのレンズは、非常に解像力が高く、ピントがシャープで、抜けの良い発色をしていました。
ツアイスのレンズに共通する、繊細な描写で、ニッコールとは違った味わいのあるレンズでしたね。

ペトリのズームは、85〜210ミリF4.5があったのは覚えています。

作例写真を拝見して、単体レンズのようなすっきりとしたカラーバランス、シャープなピントに驚きました!
ペトリは、残念なことに1970年代中頃に倒産してしまい、労組が自主再建を目指したもののうまく行きませんでした。

レンズは素晴らしいので、レンズ専門メーカーに転身するなどの経営方針をとれば、生き残れたかもしれませんね。

投稿: 小山田春樹 | 2013年2月21日 (木) 16時06分

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