ニコンとキヤノンの古いカタログ~(2)Canon製品カタログ
大沢カメラさんで、1冊50円(笑)で買ってきた、
約45年前のニコンとキヤノンの製品一覧。
前回は、ニコンの方を紹介しましたが、今回はキヤノンの方を。
ニコンの方でも少し触れた通り、
ほぼ同時期と思われる両社のカタログを見比べてみると、
かたやニコンはNikon Fを筆頭に一眼レフが主なラインナップであり、
1950年代まで主力商品だったレンジファインダーカメラは、
アクセサリのページに、ごくわずかに取り上げられている程度なのに対し、
キヤノンの方は、「Canon 7s」「Canon 7」両方が併売されており、
また、Lマウントのレンズも19mmから1000mm!まで、
実に19本も取り揃え、まだまだ現役バリバリ、という雰囲気が漂ってきます。
結果的に、キヤノン最後のRFカメラとなった7s。
ところで、キヤノンの「7s」と名の付くカメラは、
そのカテゴリで最後のカメラになる・・・、
という予言?をした事がありますが、
現行型デジイチは「EOS 7D」。
もし、次はマイナーチェンジで「EOS 7Ds」なんて名前で出たら・・・、
あの記事を書いた頃はミラーレスなんて出てなかったので、
「まさかねぇ」と思いながら冗談半分で書いたことが、
なんだか現実の話しになりそうな予感がしてきました。
あ、閑話休題。
この7s、7用のLマウントのレンズとして、
19本ものレンズが「現行品」として掲載されています。
おもしろいのは、R/FLレンズの方も、
同じ数の19本がラインナップされています。
また、そちらのレンズ群の紹介文として
「19mmから1000mmまで」と謳われていますが、
Lマウントの方も、同じ焦点距離のレンズが揃っています。
一眼レフも距離計連動も、選べるレンズは同じですよ、
というアピールをしているように感じられます。
しかも、Lマウントの方は、35mm F1.5や、50mm F0.95にF1.2など、
一眼レフの方では到底作れない、あるいは大変困難を伴うレンズ
(当時の話しです)が並んでおり、
「高級ないいレンズはRFの方で」とアピールしているようです。
にしても、35mmにF2とかF1.5とか、いいのがありますねぇ。
しかも、F2の方はかなり安い。
是非、この時代に遡って買いに行きたいくらいです(笑)
望遠レンズの方は、こんな「ビゾフレックス」っぽいものが用意されています。
キヤノンも、こんなのを出していたのは知りませんでした。
カメラ屋でも、見たことがありません。
うちのキヤノン7でもSuper Wide Heliarが使えるように、
このシューアダプタが欲しいんですが、これもなかなか見かけません。
1200円ですって。いいなぁ。
このカタログを見ていると、ニコンがRFをバッサリ切ったのとは対照的に、
キヤノンが「一眼レフも売りたい、でもRF機も捨てがたい」
というどっちつかずの状態だったんだなぁ、というのが分かります。
とはいえ、恐らく、RF機をこれだけ「押せた」のも、
このカタログの頃が最後だったんじゃないかな、と思います。
キヤノンが、一眼レフのフラッグシップ機「F-1」を出すのは、
このカタログの後、約5,6年後の話しです。
既存のRF機を払拭するため、
そして、一眼レフで先行するニコンやペンタックスを追撃するため、
FDレンズを核とする一大カメラシステムを構築するべく、
この頃のキヤノンは、裏で研究開発に没頭していた頃でしょう。
さて、他に気になった事。
「キヤノネックス」だそうです。
先日、ヤフオクでこれを見かけて
「何じゃこりゃ?」と思ったばかりだったんですが、
キヤノンも、レンズシャッター一眼を出していたんですねぇ。
キヤノンが引き延ばしレンズを出していたとは知らなかったですが、
加えて、なんと現像タンクまで!
これで今でも現像されている方、いらっしゃいますか(笑)
また、R/FLや、L39の各レンズの諸元一覧を見ると、
コーティングの色を書いてあるのが興味深いです。
FL50mm F1.4は「アンバー」。
FL85mm F1.8には「マゼンタ・パープル」。
FL200mm F3.5は「マゼンタ」など。
ネットでも古い情報を知る術はいくらでもありますが、
やはり、当時のものを読み込んでみると、
仕様や数字では分からない事がいろいろ分かり、
おもしろいものだ、と関心した次第です。
| 固定リンク
「カメラ」カテゴリの記事
- ペンタックス「フィルムカメラプロジェクト」に寄せて(2022.12.20)
- KamLanの魚眼、8mm F3.0 Fisheyeで上野駅撮り(2022.08.21)
- PEN EES-2散歩(2) 跨線橋の隙間(2022.08.17)
- PEN EES-2散歩(1) 生麦駅(2022.07.10)
- Lomography DigitaLIZA+を導入、デジタルデュープの決定版となるか?(2022.06.12)
コメント