無名の銘玉?Mamiya Sekor SX 21mm F4
Yahoo!オークション(ヤフオク)を見ている時は、
だいたい、欲しい商品が決まっていて、
それが安く、ないし適当な価格で出品されているかどうか、
を探す事が多いんですが、ごく稀に、
ボーッと見ているときに「ん?なんじゃこりゃ?」
というのに出くわし、即断して入札&落札、という事があります。
最近だと、Acall 180mm F3.5が、それに該当する取り引きでした。
先日、なんとなく、「レンズ」のカテゴリの検索窓に、
「(18 19 20 21)」と入力して検索してみました。
※()で括ると、その中の「どれか1つ」でもヒットすると、全て表示される。
レンズのカテゴリでこのワードで検索すれば、
18mmや20mmなど、超広角のレンズがヒットしてくるからです。
広角レンズは元々人気があるので値段が高いのですが、
特に最近は、m4/3やNEXなどの台頭もあり、
FDやMC/MDなど、これまでデジには縁が薄かったレンズも、
どんどん値段が高くなるようになってきました。
「そうじゃないレンズってあるのかなぁ」、
と疑問に思って検索してみたわけです。
すると、1つ、入札の入っていない広角レンズがあります。
マミヤのセコールです。マウントは、M42のスクリュー。
「はぁ、マミヤのM42って、一癖あるんだっけ…」
人気があってもおかしくないレンズが敬遠されるのは、
著しく壊れているか、出品者に問題?がありそうか、
そもそもこの商品を生かす方法が無い、あるいは何かと大変である、
といった理由が考えられますが、このセコールの場合、
1番目が少々ありつつ、主には3番目の「手に負えない」になるのかな、
と思われました。
そういうのに、ついつい手を出してしまうのです(笑)
で、届いたブツをしげしげと見ながら「はぁ、なるほど。」
真ん中にある赤い丸。
これは、絞り値をカメラ本体に伝える伝達ピンです。
フジのFUJINONレンズも絞り伝達ガイドがついていて、
いわゆるマウントアダプタへの装着の際に障害となるため、
取り付ける事が出来ないのですが、セコールについても同様。
更に、青く着色した、絞り輪の縁が、
マウント面よりも1mmほどはみ出しています。
赤丸のピンも、青い部分のはみだしも、
SPのような「M42マウントのカメラ」の場合は、
本体マウントの外周に避けられるので問題ないんですが、
マウントアダプタを使ってデジイチ等で使おう、という場合に問題が出てきます。
これが、マミヤのM42レンズを避けられる原因のようです。
結論から言うと、その解決策は、
「レンズとアダプタの間に1mm圧のプラ板を挟む」
という事にしようと考えております。
「おいおい、そんな事したら、無限でなくなるじゃないの」
とツッコミが入りそうですね。まさしくその通り。
でも今回のレンズ、いつものごとく分解整備して
(ちなみに、絞り動作不良で、これは組み立ての問題でした)、
無限の調整の仕方が分かりましたので、
あえて「プラ板を挟んだ時にちゃんと無限があうように調整」
しようかなぁ、と思っております。
で、最終的には、これをPEN Fの標準レンズとして使えないかなぁ・・・!、
というのが、そもそもの「野望」でありました。
PEN F用の広角レンズって、めっちゃ高いんですよねぇ~。
何とか、マウントアダプタ使って他社製レンズで対応したい、
と思っておりました。
現状既に、KマウントのCOSINA 20mmや、
そもそもDA 21mmも持ってるのに何故あえて落札したのかは、
そういう理由があったわけです。
とはいえ、そもそもこのレンズの性能が分からない事には、
そんな改造も出来ないし・・・、という事で、
まずは、所定の整備を済ませて、PENTAX SPにつけて試写してみました。
で、正直、驚き!
1/500秒 F4.0
1/250秒 F8.0
1/125秒 F4.0
※画像クリックで原寸画像に飛びます
(EPSON F-3200にて3200dpiでスキャン、約2MBのJPEGに圧縮)
1/500秒 F5.6
※特記以外は全て
ASAHI PENTAX SP
Auto Mamiya Sekor SX 21mm F4
Kodak Gold 100
2011年7月16日
渋谷駅-道玄坂近辺
3枚目にだけ、縮小していない、スキャンしたままの解像度のデータを置きました。
超広角なので四隅の歪みが出るのは仕方ないとして、
隅々まで至ってシャープだし、
何と言ってもコントラストが高い。
例えば4枚目の写真は、約200KBあります。
当ブログの縮小した画像は、ほぼ100KB前後に収めていますが、
この4枚目の場合、これ以上圧縮すると画がグチャグチャになるので、
ここまで収めるのが限界でありました。
それだけ、画像の中に情報が多い、という事でもあります。
マミヤのセコールレンズの良さは、
既に、スプリングカメラのMamiya-6で充分に存じておりました。
マミヤと言えば中判カメラのイメージが強く、
35mm判の一眼レフは、
(ほぼ)新しくカメラを出す度にマウントを変更するのでユーザが定着しなかった、
というのが有名な話しです。
もし、マミヤが、一眼レフでも力を入れて取り組み、
固定したユーザをしっかり取り込んでおけば、
「セコールの写りのために」と、多くのユーザが愛用したのではないか。
そんな事を確信させてくれるだけの、衝撃的な描写を見せてくれました。
このレンズは、今後、相当大きな戦力になってくれそうです。
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