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2011年9月22日 (木)

小田急「ドラえもん電車」打ち切りに物申す

「特別電車「小田急F-Train」の車体ラッピングの終了について」(小田急・PDF)

何とも信じられないニュースです。
8月に走り出したばかりの、「ドラえもん電車」、ことF-Trainが、
9月末日で突然の運転中止。

プレスリリースによると、理由は2点あげられています。

1.許可申請を実施しなかったこと:東京都屋外広告物条例第23条
2.広告物の面積が基準(車体1面の10分の1以下)を超えていたこと
 東京都屋外広告物条例施行規則第19条

※参考
東京都屋外広告物条例
東京都屋外広告物条例・施行規則

1.については、小田急法務部の失態と言えるでしょう。
(小田急規模の会社に法務部が無いって事はないでしょう。
大変な裁判も抱えていた事ですし。)
過去、広告電車を走らせた事があったのか無かったのか、
定かではないですが、そういう条例が存在する事は、
やはり知っておくべき事でした。

ただ、2.に関しては疑問は残ります。
特に気になったのは、2年前に走っていた、
山手線のチョコレート電車の事です。

当時の『鉄道ファン』のニュース記事
Google画像検索の検索結果

全身を茶色に塗った(正確には「貼った」かもですが、細かいことは置いといて)電車は、
まごう事なき「編成まるまる明治チョコレートの宣伝電車」だったではないか、
と思うわけです。

でも、そう思うのは、この電車を「生」で見たことがあるからです。

この電車が走り出した時、あちこちのニュースサイトで取り上げられましたが、
どの記事にも、明治チョコ云々は載ってませんでした。

あくまで「山手線開通100周年記念」「懐かしい茶色の電車復刻」
としか書いてありませんでしたし、
また、「側面」をはっきり写した写真も出てませんでした。

そのニュースを一通り目にしていたので、
実際、生で走っている姿を見た時は
「うへ~、なんじゃこりゃ~~」と驚いたのを覚えています。

なんせ、「復刻」を謳っている割に、色は濃茶なので「ぶどう色2号」ではない。
そして、あちこちに書いてある「明治チョコレート」の文字やロゴ。

どこをどうみても、これは「宣伝電車」だな、と思いました。

ニュースで流れている「100周年」の話しと、
実際生で見た「チョコレート電車」の相違に、
何か歯に物が挟まったような矛盾を覚えたものです。

でも、今回の一件で、なるほど、と合点がいきました。

茶色いのは、あくまで「100周年」のための特別なカラーリングであり、
そこに「明治チョコレート」の文字やロゴがある事(すなわち「宣伝」)とは、
相関関係はない、という言い逃れだったのでしょう。

実際、あれだけ「100周年」という部分だけが報道されれば、
茶色い理由は「復刻」である、という既成事実が出来るので、
実物を見てなければ、そういうものなんだ、と自然に思う事でしょう。

でも、ホンモノをみれば、あれが「ぶどう色2号」ではない事※、
そして、あれは「明治チョコレートを宣伝するための茶色」
である事は、一目瞭然であった事と思います。

※ぶどう色2号云々は、分かる人にしか分からない話ですが。

マスメディアまで巻き込んでの「条例逃れ」とは、
JR東日本(ないし、裏で動いている広告代理店)のやる事はずるがしこすぎます。

※しかし、「施行規則第19条」自体が、
チョコレート電車以後に取り決められたもの、
という可能性もあります。そこまで調べがつきませんでした。

ところで、この「ドラえもん電車」、
まぁ確かに「宣伝」のための電車ではありました。
一応、先ほどの小田急のプレスには
「広告には該当しないものと認識」とありましたが、
時期的な事を考えれば、先日オープンした
川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム」宣伝のためだろう、
と自然に感じる事だと思います。

でも、この電車に既に3,4回ほど遭遇した者の目には、
それ以上に「夢を運ぶ電車」だな、という印象を強く持ちました。

F-Trainがホームに滑り込んでくると、
ホームにいる人達の目がキラキラと輝き始め、
やおらケータイなどを取りだし、パシパシ写真を撮っていました。

きっとその後は、その画像を友達にメールしたり、
ブログやTwitterにアップしたりと、
それぞれに、その喜びを発散していた事だと思います。

東京に10年近くいますが、
これだけ人々の注目を浴びる「通勤電車」は見たことがありません。

それを、「条例違反」という、しかも、別に人を殺したとか、
税金をちょろまかしたとか、そんな重篤な犯罪・脱法行為をしたわけでもないのに、
いきなり手打ちで中止に、というのは対応が厳しすぎると感じます。

ただでさえ、人々が夢や希望を失い、
自分以外の他人を信用する事ができない世の中になりつつある、
殺伐とした2011年だからこそ、こういう電車を走らせる事には、
宣伝を超えた意味があると思います。

小田急の落ち度と、現実として条例に引っかかっていた厳然たる事実はありますが、
単に「もう運転やめます」ではない、新しい「夢」を用意してもらえないか、
と強く願います。

Imgp5699
PENTAX K-7
SIGMA 12-24mm F4.5-5.6 EX DG ASPHERICAL (12mm)
1/30秒 F4.5 (ISO800)
小田急 新宿駅
2011年8月24日

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コメント

通りすがり様

はい、そのチョコレート電車です。
ちなみに今は、隣を走る埼京線
(正確には、車両はりんかい線の方ですが)に、
ガチャピンとムックの色をした電車も走ってます。
「一両だけ」真っ赤、みたいな電車なので、
10両編成の1両だと1/10、という言い訳なのか?、
などと邪推してしまいます。

※差し支えなければHNをお知らせ下さい。

投稿: ごっさん | 2011年10月10日 (月) 22時41分

ほんとうですね。まったく問題ない広告。

チョコレートのって、これですか?
http://www.youtube.com/watch?v=q0rBwk0MFNU

投稿: | 2011年10月10日 (月) 09時07分

そういえば、走ってましたね、USJの電車。

「バスなんて全面広告当たり前」の指摘を受けてから、
街行くバスを眺めていると、ホントそんなものばかりで、
すると1/10以下ってのが本来形骸化した規則だ、と思うんですが、
結局、事前申請しなかった逆恨み?なのか、
はたまた単なる嫌がらせなのか。

発表以来、小田急沿線は「撮り鉄」の数が凄いです。
あ、今日が運行最終日か・・・

投稿: ごっさん | 2011年9月30日 (金) 12時55分

これも、おかしな話ですね。こちら大阪で10年前にUSJオープン直前でしたか
JRゆめ咲線車輌が一面、キャラクターがペイントされました。
まだ当時はカメラ付きケータイが発売されたばかりで撮る人は見かけませんでしたが。
通勤に利用していて、不快に思うこともありませんでした。

大阪と東京では条例は違うと思います。
でも、条例違反とひと括りにしてしまうのもどうかと。

私的には、車輌広告は本数制限をかけるとかすれば問題無いと。
(広告の無い車輌はシンプルで残して欲しいです。)
広告は鉄道会社にとって重要な収入源だし、注目を集める為のスポンサーと考えれば納得いきます。

話しはそれますが、アイドルが鉄道職員になって奮闘する「鉄道むすめ」なんか、相当な宣伝効果があったと思います。
来るのはアイドルオタと鉄道オタクばっかりでしょうが。

投稿: プルト君 | 2011年9月30日 (金) 04時22分

かわうそ様

そもそもは、いかがわしい広告を排除するため、
といった目的で制定されている条例なんでしょうが、
この電車に目くじら立てて適用する理由が分かりません。
きっと、「事前に申請しなかった」のが最大の理由で、
気に入らなかったから許さん、ってなもんなんでしょう。

兄上

五輪が絡めば、東京は基本的にNoとは言わんだろうなぁ。
むしろ、公費で「五輪電車」走らせてもおかしくないような。
「相模大野から西の限定運用」にすれば、
東京を通らないから良いんじゃない?と思ったりもするが、
「夢」を運ぶ電車がそんなんじゃいかんのだろうな、やっぱし。

南東風様

> 都営バスは屋根以外全面広告・・・

そういえば、じゃんじゃん走ってますね。
ヨドバシのとか、あれを全面と言わずして何を全面と言うのか。
結局、1/10云々は「さじ加減1つ」であって、
事前に「やらせて下さい」と頼んでおけば
「良きに計らおうぞ」とお上の裁量が下るんでしょう。
小田急に「ロビー活動」の才能が無かったから、
というのが理由なら、何とも悔しい話しです。
子供の夢を奪う事をするのは頂けないです。

投稿: ごっさん | 2011年9月24日 (土) 22時37分

だいたい東京都は
電車にはムチャクチャ厳しいのに
都営バスは屋根以外全面広告・・・
あれは都営地下鉄じゃスポンサーが付かない腹いせ、
かなぁ。

投稿: 南東風 | 2011年9月24日 (土) 22時19分

>茶色いのは、あくまで「100周年」のための特別なカラーリングであり、
>そこに「明治チョコレート」の文字やロゴがある事(すなわち「宣伝」)とは、
>相関関係はない、という言い逃れだったのでしょう。

あー、似たような事がオリンピックでもあったねぇ、マックフライポテト型の聖火。

投稿: gochi-zoh | 2011年9月24日 (土) 22時10分

世知辛いね。 ただその一言しか出て来んよ。

投稿: gochi-zoh | 2011年9月24日 (土) 21時53分

そうですねぇ
夢を与えるものが、杓子定規で線引きされる
夢を与えない、単なる広告は条例の網をくぐって友遊と営業を続ける
こういう世の中だから殺伐としちゃったんだろうけど
これもみな国民がお上に上申し続けた結果なのでしょう
楽しい電車が再び走り出すことを祈念いたします

投稿: かわうそ | 2011年9月24日 (土) 07時46分

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