「ワンテン」最終章(1)~三田でauto110の実力を知る
いつもフィルムを買っている「かわうそ商店」さんに、
期限切れ・冷凍保存の110フィルムが入荷、
という話しが聞こえてきました。
「こりゃ、今のうちに買っておかないと。これが最後かも」
と思って、3本セットを注文して購入しました。
うちには、Canonの「110ED」というカメラがあります。
距離計がついた「高級モデル」で、
実際、1本だけ撮っただけでも「こ、こりゃよく写る・・・」
と驚いたものです。
でも、考えたんです。
最後の110フィルム、本当に撮りたいカメラがあるのではないか?、と。
110で唯一の「レンズ交換式一眼レフである、
ペンタックス伝説の名器、auto110。
これで撮らない限りは、110を締めくくることは出来ないのではないか?
そう思ってカメラ屋を覗いてみたら、
ジャンクコーナーに、24mm標準レンズのついたauto110を発見。
ちゃんと動作してるし、レンズ自体も充分に綺麗。
これに、4年前に購入して放置していた
(随分昔のエントリで取り上げておりますが)、
Sollarisの110を装填して、撮影してみました。
レンズに関しては「m4/3につけて撮影しても全然OK、
超高解像度で撮れる」とは聞いていたので、
後はフィルムの問題か、と思っていたわけですが・・・
PENTAX auto110
PENTAX-110 24mm F2.8
Ferrania Solaris FG PLUS 200
2011年10月27日
いやはや、充分素晴らしい描写ではないですか。
手のひらにすぽっと収まるような小型一眼レフ、
小指先大の標準レンズで、これだけの写真が撮れるとは、
110EDの時以上の驚きでした。
こんな事なら、もっと早く110のミリキに気づいておくべきだった・・・
と、言うは易し、なんですが、実際はそうもいかなかっただろうと思います。
今回の写真は、110のフィルムを、
EPSON F-3200というフィルムスキャナの
「中判用ホルダ」のガラス面の上に載せて、
なかば「無理矢理」スキャンしておりますが、
それでも、充分な高解像度でスキャンする事が出来ました。
これだけ小さいフォーマットだと、
フィルムに直接光を当てて印画紙に投影するより、
一度スキャンして、グレインまで分かるような高解像度の画像にし、
そこからプリントする方が、綺麗だろうと思われます。
果たして、110が登場した時代に、
フィルム上に凝縮された情報を、
的確に引き出すことが出来たかどうか、疑問があります。
もちろん、手焼きで追い込めば別でしょうが、
稚拙なDPE現像機では、110が持ってるポテンシャルを、
存分には生かし切れなかったろう、と思います。
で、フィルム上の情報を余すところなく引き出せる時代は、
イコールデジタルの時代でもあり、既に110は過去のものになっていた、
あるいは、トイカメ好きな一部の方のみのおもちゃになっていた、
というのが、現実だったように思われます。
ちなみに、110のフィルムをベースごとスキャンしてみると、
本来の110の画面サイズ(13mm*17mm)よりも、
広い面積に像が結ばれている事が分かります。
110のフィルム送りは、各コマに用意された穴がガイドとなり、
そのガイドまで送ったらストップ、また巻き上げたら次のコマで、
の繰り返しになるわけですが、何と言っても小さなフォーマットなので、
ちゃんと穴で止まったとしても、誤差が出る事はやむを得ない所です。
なので、本来の13*17のフォーマットよりも、
多少広めにイメージサークルを用意してあったのかな、と思われます。
折角なので、その辺の「ちょっとはみ出した部分」も、
110をスキャンする時は「画」として残してみようかな、と思っています。
上記の写真も、そういう形で「イメージサークルいっぱい」の画にしてみました。
あまり、パーフォレーションも残して画像にする、
みたいなの、そんなに好きじゃないんですが、
なんとなく110は、少々ごちゃごちゃしている?ので、
それもまた楽しいなぁ、と思って見たり。
手元にある110のフィルムは、残り、フジが2本とコダックが1本、
それに、「かわうそ商店」で買ったアグファが3本の、計6本となっています。
そうしょっちゅう撮影する事もないですが、
そうは言っても、もう期限が切れているフィルムばかりですし、
110の現像自体、果たしていつまで出来る事やら、でもあるので、
おおよそ2012年中には、「ワンテン最終章シリーズ」の、
第7回まで撮影しきりたいと思っています。
*最初にあげた集合写真には、
後に買い足した「18mm」「50mm」も写っています。
ヤフオクで落としたジャンクセットに含まれていたもので、
ワインダーとストロボも、そちらに付いていたものでした。
(後、壊れたボディも。それはそれでまた分解してみよう。笑)
これで、ほぼauto110の主要アクセサリーとレンズが、
ほぼ揃ってしまった事になります。
*最上部の写真みて「ん?Verichirome?サクラカラー?」
と思われたかもしれません。
うちの実家に、大昔からあったフィルムです。
期限は1981年に切れています(笑)
もうさすがに撮る事はないですが、折角なので、
集合写真に入ってきてもらいました。
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コメント
いつもご覧頂きありがとうございます。
いわゆる「同時プリント」の質は、
今も昔も劣悪だなぁ、と思います。
昔は、機械自体の性能の限界があったでしょうし、
今は、写真をよく分かっていないバイト君(ちゃん)のために、
機械にフルオートの機能が満載になっていて、
本来のフィルム写真らしいプリントが出来なくなっています
(今のDPEの機械は、スキャナで読み込んでから印画紙に投影するので、
スキャンの時点で、フィルムの情報が欠落したり、改竄されたりします。)
恐らく、auto110が発売されていた当時、
auto110で撮ったフィルム上にどれだけの情報が詰め込まれていたか、
誰も知らなかったんじゃないかな、と思います。
ペンタックス、なんととんでもないカメラを作っていたんだろう、
と驚かざるを得ませんね。
投稿: ごっさん | 2011年12月19日 (月) 01時33分
お久しぶりです。
auto 110 懐かしいですね。
実は私は 110 カメラは所有したことがないんですよ。
76年、修学旅行でコダック 110 で撮ってもらったのが酷い画質でしたんで。
でも auto 110 は魅力的でした。
ミニチュアサイズでありながら、本格一眼レフ。
独自規格でありながら、交換レンズも用意されていて、ワインダーまで。
惜しむらくば、マニュアルモードが無かったのが残念です。
私はマニュアルが好きなんで。
にしても、よく撮れてますね。
修学旅行んときとは雲泥の差です。
ディスクカメラもそうでしたが、現像、プリントの効率を追求して肝心のプリントの質がおろそかになっていたんじゃないでしょうか?
近年あったAPSも酷かったですが。
投稿: プルト君 | 2011年12月16日 (金) 16時01分