Fujica Halfを修理、さすがのFujinonレンズ

元々、ハーフサイズのカメラには興味がありましたが、
夏に「ペンスケッチ展7」に出展させて頂いて以来、
ますますハーフに興味を持つようになりました。

そして、その間に「Petri CompactE」「Konica EYE3」、
それに、この「Fujica Half」の3台のハーフサイズカメラを購入しました。

ホントは、先にペトリとコニカのを紹介するつもりでしたが、
先日見つけたこのフジのハーフが非常によいカメラだったので、
先に紹介させて頂く事にしました。

「新宿中古カメラ市場」のジャンク箱（ショーウィンドウにすら入れてもらえないジャンク）
の中にあったこの「Fujica Half」。
露出計（セレン）の不動と思われる個体で840円。
露出制御がフルオート（プログラム）のカメラにしては珍しく、
シャッターも絞りもマニュアル制御できるから、
と思ってとりあえず買ってみたんですが。

前板を外して、レンズユニットを外すと、こんな状態。

すると、左上のギザギザ部分の露出計針が、ちゃんと動いているんです。
光の強弱に反応して。

おかしいな、セレンは生きてるって事だから、
分解前に露出メーターが動いていなかったのは違う原因・・・？

そこで、レンズユニットをバラしていくと、
ご覧の通り、絞り羽根に油分がベットリ。
あまりにベットリ過ぎて、自動制御部分が動かなかったのが、
不動の原因でありました。

絞り羽根をバラして、ベンジンにつけて清掃。
簡単に書いてますが、ここに辿り着き、再度シャッターユニットを戻すのに、
6時間くらいはかかったかな？、と思います。
まぁ、戻っただけ良かった、ってところですが。

セレンは生きていたので、ちゃんとプログラムで撮れるかどうか、
早速フィルムを詰めて撮ってみて、驚きました。
「随分よく撮れるでないの！」

Fujica Half
Fujinon 2.8cm F2.8
Kodak Gold100 (業務用)
2011年12月22日

コマによって、多少の露出のブレはありましたが、
少なくとも、ネガで撮る分には、致命的な問題になる事はなさそう。

また、ハーフサイズのカメラでは一般的な事ですが、
ピント合わせが「目測」のため、
ちゃんと合ってないと、当然ながら、ちゃんと合いません。
「ハーフは被写界深度が深いのでピント合わせもいい加減でいい」
というのが一般的な認識ですが、
やはり、合っているのと合ってないのとでは、
ちゃんとスキャナで読み込んだ時に、歴然とした違いが分かります。
（今回のは、ちゃんと合った中からの選別です。）

とはいえ、一応、「パンフォーカス設定」をする事もでき、
ピント目盛りの赤い「G」のマークにあわせておけば、
とりあえず、ピントを合わせなくても撮る事ができます。
2枚目の車と銀杏が写っている写真は、確か、そんな感じで撮ったはず。

目測カメラでちゃんと距離を測る、しかもなるべくお手軽な方法としては、
左右の目の視差を利用して距離を割り出す「Human Rangefinder」と、
Androidのアプリとして公開されている「Smart Measure」というのが使えそうですが、
どちらも、まだ実地検証が出来てないので、
詳しくはまた改めて書きたいと思います。

来年の「ペンスケッチ展8」では、前回同様Pen Fで撮るのか、
これもいいレンズでよく撮れたコニカのEYE3で撮るのか、と思ってましたが、
このFujica Halfも、かなりの戦力になりそうで、悩みが増えてしまいました。

意外と見かけないカメラなので、もし安く見かける事があれば、
買っておいても損はないかな、と思います。