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2012年6月

2012年6月30日 (土)

フジ「HD-R」のレンズは、噂を飛び越し驚愕の写り

前回のエントリで、何枚かの写真だけアップして、
さて何のレンズで撮ったでしょう、といじわるをしてしまいました。

もちろん、世の中には優秀なレンズがごまんとあります。
それこそ、今回撮影したNEXには、
先日、Carl Zeiss Sonnar T* E 24mm F1.8 ZAが発売されて、
その圧倒的な描写力と(Zeissとしては)リーズナブルな価格で、
予約しても買えない程の人気を集めておりました。
恐らく、この24mmでも、この程度の描写は約束されたものだと思います。

しかし、「カネを出せば良いレンズが買えて、いくらでもいい写真を撮れる」
なんてのは、ごっさん的には全然おもしろくないのであります。
(ビンボーのひがみ、とも申しますが…)

じゃあ、一体何で撮ったかと申しますと…

Dsc7268

じゃ~~~ん!

また、何だか無茶な事をやってしまいました(笑)

この、ちょっと心許なくなるような小さなレンズで、
前回のエントリの写真を撮影しました。

これは、「Fujinon 38mm F2.8」というレンズです。

38mm、という焦点距離を見れば、
あぁ、これはコンパクトカメラのレンズだろう、
と察しが付く方も多い事でしょう。

これは、富士フイルムが発売していたカメラ、
「HD-R」に取り付けられていたレンズなのです。

Dsc7273

レンズをくり抜かれて、何とも「あられもない」姿になっていますね(笑)

この「HD-R」を始め、「HD-M」「HD-P」など、
フジの「HDシリーズ」と言われるカメラは、
簡易防水や生活防水など、
過酷な条件でも対応できるカメラとして人気がありました。
後に、コニカが「現場監督」を発売したので、
お株を奪われてしまった感がありますが、
HDシリーズは70年代末の「HD-1」以来の伝統があり、
派生型の工事用カメラ「K-28」は2000年代まで製造されていたようです。

この、HDシリーズに搭載されている38mm F2.8は、
非常に写りの良いレンズとして知られていました。

とはいえ、コンパクトカメラの単焦点レンズで、
「隠れた銘玉」が多いのは、フジに限った話しではありません。
なので、当初はそれほど気にもしてませんでした。

このHD-Rも、300円かそこらでジャンクを買って、
だけど液漏れが酷くてメンテナンス不可と判断し、
すっかり放置していた個体でした。

しかしその後、写真仲間がこのHD-R(M)で撮影した画像をいろいろ見てて、
「いや、これは単なる『なかなか良く写る』レンズなんてシロモノじゃ無い」、
と気づき始めて、それじゃあ、と一念発起して、NEXマウント化を実施してみました。

NEX化するにあたっては、ジャンクの「NEX-CONTAX G」のアダプタがあったので、
それを分解し、マウント基部のみ利用。
そこに、プラ板を切って挟んでピントが合うように調整しました。

更に上から、光線漏れをしないように、
隙間という隙間をパーマセルテープで覆いまくって、
出来上がったのが、1枚目の写真。
何とも「変態」仕様だな、と我ながら呆れます(汗)

でも、操作性は意外といいです。
剥き出しになったレンズの枠に指をかけると簡単に回るので、
ピント調整も非常にスムーズで、かつ、正確です。

NEX用のレンズは、折角の小型ボディが台無しだよ、
と思える大型レンズが多いですが(純正の16mmなど例外はあります)、
この自作レンズだと、その16mmとほぼ同じ長さなので、
「レンズにボディがぶら下がっている」ような不自然さもありません。
コンデジ感覚で気軽に持ち歩ける大きさ、重さです。

絞りは、本来は「シャッター兼絞り」になるので、
レンズだけでは「開放」の撮影しか出来ません
(前回エントリの中の、東急5000系とあじさいは、絞り無しの絞り開放)。
そこで、後玉に丸くくり抜いたパーマセルを貼って「絞り」にしてます。
これも、前回エントリの写真で言うと、
ネコや「ホタルが~」と書いてあるのは「F6.3」相当、
少し丸を大きくして「F5.6」相当にしたのは一番下の2枚。
目下は、その「F5.6相当」が常用になっています。

絞り開放だと、さすがに周辺画像に「やや」甘さや流れがありましたが、
2段絞った「F5.6相当」だと、全体に均質でシャープな写りになりますし、
その状態でも、寄れば綺麗にボケるので立体的な写真になります。

正直、この「見た目悪し」のレンズ、非常に気に入っています。
当初、NEX用の標準レンズとして、
シグマの19mm F2.8を買おうか、と思っていましたが、
当面、その必要もなさそう、と思える程です。

改造してNEX化、はさすがに面倒だと思いますが、
「HD-R」や「HD-M」は非常に良い写りのカメラですし、
見た目が「こんな」なので値段も安いですから、
お近くのカメラ屋で安く売っていたら、是非買って撮ってみて下さい。
フィルムでも、その「圧倒的」な写りは実感できると思います。

※個人的には、HDシリーズ初代「HD-1」のグリーン仕様を見つけたら、
一も二も無く買い求める気がします(笑)

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2012年6月29日 (金)

圧倒的な描写のレンズ!その正体は…!?

Dsc3039

Dsc3017

Dsc3073

Dsc3076

Dsc3111

いずれも、SONY NEX-5で撮影した画像です。

解像度、色合い、ボケ、画像周辺の安定性など、申し分なし。
微妙な色合いの再現性も素晴らしい。

さて、これらを撮影したレンズは…?

答えは次回(笑)

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2012年6月23日 (土)

「ぎょぎょっと20」に絞りを付ける改造!

※当記事の記載に基づき改造をされて問題が発生した場合でも、
執筆者は責任を負いかねますので、あらかじめご承知置き下さい。

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ニコンが「おもしろレンズ工房」を発売した時の衝撃は、
今でも痛烈に覚えています。

「あのニコンが、本気で作った<おもちゃレンズ>」。

当時はキヤノン党だったので横目で見ていただけでしたが、
「こんなレンズなのによく写る」という評判は聞いていましたし、
何より、魚眼やマクロなどで「遊べる」という事で、
羨ましく思っておりました。

Dsc2989

※奥は、400mm F8「どどっと400」(残念ながら、ちょっとクモリ)、
手前左は、組み替える事でマクロにもソフトフォーカスにもなる、
「ぐぐっとマクロ(120mm F4.5)」or「ふわっとソフト(90mm F4.8)」、
そして、手前右、D7000についているのは「ぎょぎょっと20」(20mm F8)です。

その「おもしろレンズ工房」の一式を、
muk camera serviceの小菅さんから譲ってもらいました。
当時購入されてたみたいですが、もう使わないから、という事で。

果たして、D7000クラスのデジイチでも、
「なかなかよく撮れる」という評判は通じるのか、
果たして実用に耐える物か、を試してみたい、と思いました。

しばらく使ってなかったから、という事で、
まずは各レンズ、バラしてメンテナンスしてたんですが、
その折、20mmの魚眼レンズ「ぎょぎょっと20」の後玉カバーを外してみますと、

Imgp0647

おや?カバー開口部に比べて、レンズは大きめなのね…。

ここで、ひとまず「ピーン」と来ました。
この後玉カバーは、それ自体が「絞り」の役割を果たしていて、
被写界深度を稼ぐ(ピント固定レンズなのでパンフォーカスにするため)事と、
絞り開放ではきっと収差だらけでヒドイ写りがするのを低減させているんだろう、
と理解できたからです。

カバーを外した状態で、恐る恐るカメラに取り付け試写してみると、
なるほど、確かにソフトフォーカスのかかったような甘い写りでした。
シャッター速度は、デフォルトの絞りF8状態に比べて2段ほど早い数字だったので、
おおよそ「絞り開放はF4.0」である、という事になります。

そんな「ソフトフォーカス」状態もなかなか楽しいものの、
それだけじゃおもしろくない、どうせなら、可変の絞りを取り付けて、
撮影状況や被写体などによって操作できる方がいいなぁ、と考えてた時に、
ふと思い出したのです。「そうだ、絞り、持ってるじゃないの」

Imgp0649

これもやはり、muk camera serviceが取り扱っている「虹彩絞りユニット」です。

この絞りを取り扱い開始する時に、試供品を1つ、頂いていたのです。
丁度、「ニコンミニ」のレンズをLマウント化する改造をやったりして、
後付け絞りがあれば、みたいな話しをしていたからだと思います。

でも、何に使うべきか、と考えあぐねて、まだ改造してなかったのですが、
こうして、後玉カバーを外した「ぎょぎょっと20」に載せてみると、
まるで神が導いたか、と思えるほど「どんぴしゃ」!
よしそれなら、という事で、接着剤で絞りを固着して「絞り取り付け改造」を実施しました。

Imgp0659

さすがに、外からレバーで操作するのは無理があったので、
レバーは取り外してしまい、
絞りの操作は、絞り自体を指でつまんで回す、という方式にしました。
当然、絞りを操作するには、レンズをボディから取り外す必要があります。
「絞り値」は、マウント内側に貼ったシールで分かるようにしました。

さて、こうして「絞り」の取り付け改造(改造って程でもないですけど)を実施しましたが、
果たして、絞り値を変える事で画質に変化は現れるのでしょうか。

絞り値変えて試写した画像から、ピクセル等倍で切り出したものを並べて見ました。

Gyogyo20

こうしてみると、設定した絞りで画質が大きく左右されるのが分かります。

開放F4.0は、さっきも書いた通り、ソフトフォーカスがかかったような画質です。
このボケボケを、絞りの役割をするカバーで誤魔化していたわけです。

絞りをF5.6に1段絞るだけで、グッと「普通の描写」に近づきますが、
まだソフトさが残っています。
これはこれで、なんとか使い道がありそうな気もします。

絞りF8.0、すなわち「このレンズのデフォルト絞り値」だと、
かなり普通の描写になりました。
「おもちゃレンズ」である事を考えれば、これでも充分過ぎる程です。

そこからF11まで絞ると、更にシャープさを増します。
これぞニッコール!、と言いたくなるシャープさです。

更にF16まで絞ると、さすがに回析の影響でしょうか、
光源など、むしろ解像感が損なわれているように見えます。
F16までは絞らない方がいいレンズのようです。

という事で、絞りを操作できるようになった事で、
F11まで絞って隅々までシャープに写すか、
あえてF5.6まであけて、花や動物、人間など柔らかく写すか、
といった「やりくり」が出来るようになりました。
これは、かなり衝撃的な改造だったと思います。

※「ちょっとソフトのF5.6」と「がっつりシャープのF11」
の間のF8で固定されていたのも、それが中葉の画質という事で、
理屈の上でも納得のいくところです。

とはいえ、焦点距離が20mmの魚眼レンズです。
これをD7000につけると、28mm相当くらいになってしまいます。
魚眼とは呼べないほどトリミングされる割に、
そもそもが魚眼なので「まっすぐ」な物は「曲がって」写される事になります。
「魚眼の出来損ない」「収差補正が出来ていない広角レンズ」
みたいな中途半端な立場に変わりはありません。
正直、APS-CセンサーのD7000だと、撮影に難儀します。

35mmフルサイズで撮ると真価を発揮するのかな、とも期待できるので、
いずれ、フィルムのニコンに装着して試写してみるつもりです。

Dsc_6681
Nikon D7000
ニコンおもしろレンズ工房「ぎょぎょっと20」改(20mm F4.0~16)
1/100秒 F5.6 (ISO200)

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2012年6月21日 (木)

興和の工業用レンズ「LM16XC」で撮る

興和」という会社名を聞くと、
何を真っ先に思い出すでしょうか。

やはり、「キャベジンコーワ」「ウナコーワ」「キューピーコーワ」
といった薬品類を思い出す方が多いのではないでしょうか。
あるいは、そんなコーワのイメージキャラクター?である、
カエルの「ケロちゃん」を連想される方も多い事でしょう。

そんな興和が、かつてはカメラやレンズを作っていた、
という事実は、ご存じない方も多いのでは、と思います。
1970年代末にはカメラ事業から撤退しているので無理もないですが、
その頃の名残で、今もスポッティングスコープを作っているので、
いまだ「光学機器メーカー」としては第一線にあります。

そんな、「光学機器」のメーカーとしての興和が、
工業用の超ハイスペックレンズも作っている、というのは、
僕も最近まで知りませんでした。

今回取り上げる「LM16XC」というレンズも、そんな「超ハイスペックレンズ」の1つです。

Dsc_6816

※奥に見えるのは、かつて興和が作っていた「ベスト判」の一眼レフ、「Komaflex」です。
もう購入して1年以上になりますが、なかなかここに書ける程の成果がなく、
ようやくチラリとご登場願いました。

主に製品検査など工場内の製造ラインで用いられる工業用レンズ、
用途が用途だけに、「完全無収差」の設計がなされています。

興和の工業用レンズの中でも最も新しいシリーズである「XCシリーズ」は、
Cマウントの工業用レンズの中では極めて異例の「4/3型」のイメージサークルを持つレンズです。
4/3型と書きましたが、つまりは「フォーサーズ」です。
Cマウントのアダプタを使えば、オリンパスやパナソニックのミラーレス、
「マイクロフォーサーズ」規格のカメラに取り付ける事が可能です。

で、今回は、そのXCシリーズのレンズを、
無謀にも、APS-CセンサーのNEX-5で使うとどうなるのか?
同レンズを写真用に販売している「muk camera service」の小菅さんから、
テストモニターの依頼を受けてお借りしてきました。
今回は、その試写の中から数枚をアップしてみました。

お借りしたのは、XCシリーズとしてラインナップされている
「12mm」「16mm」「25mm」「35mm」「50mm」のうち、
16mmの焦点距離のレンズ「LM16XC」です。
本来の4/3型の感覚なら「35mm判で32mm」となりますが、
今回はAPS-CセンサーのNEX-5での撮影なので「24mm相当」くらいの広角レンズ、
という事になります。

本来4/3型のイメージサークルで作られたレンズを、
果たしてAPS-CのNEXで使うとどうなるのか?使い物になるのか?、
を検証するのが、モニターの役割と捉えて試写を続けております。

今回は、その中からいくつかの写真を公開します。

Dsc02507
1/800秒 F4.0 (ISO200)
JR根岸線 桜木町-関内間
2012年5月12日

Dsc02510
1/1000秒 F2.0 (ISO200)
JR根岸線 横浜-桜木町間
2012年5月12日

Dsc02535
1/1600秒 F4.0 (ISO200)
京浜急行電鉄 横浜-戸部間
2012年5月12日

Dsc02701
1/125秒 F2.8 (ISO800)
JR山手線 秋葉原-御徒町間
2012年5月18日

Dsc02714_2
1/250秒 F2.0 (ISO800)
御徒町「2k540」内
2012年5月18日

特記以外は全て、
SONY NEX-5
Kowa LM16XC (16mm F2.0)

ブログ用に縮小すると、
本来のこのレンズの「良さ、凄さ」が伝わりにくいのが残念なところです。

まず、ピントが凄いです。
そもそもが工業用で製品検査をするようなレンズなので、
焦点の合ったところの「合い方」が半端じゃありません。

それは逆に、ちょっとでもピントを外すと「全然合ってない」写真になる、
という怖さと表裏一体でもあります。
NEXの液晶では常に拡大表示で厳密にピントを合わせておりました。

また、全体に写りが軟調である事。
工業用、なんて言うと、恐ろしくガチガチでシャープ過ぎる程、
というイメージを抱きがちですが、むしろ真逆。
どことなく、オールドレンズで撮影しているような柔らかさがあります。

そして、コントラストがそれほど高く無い事。
割と全体的に落ち着いた雰囲気の色合いになりました。
「ポジと言うよりはネガ」、と申し上げるとイメージしやすいかもしれません。

お借りしたのは16mmという短焦点レンズですが、
開放がF2である事もあいまって、非常に深度の浅い写真が撮れます。
24mm(ないし24mm相当)のレンズはいろいろ持ってますが、
これだけ「背景をボカして立体的に」写せるというレンズは、
意外と無いと思いますし、しかもボケが非常に綺麗です。

第一印象としては、「これはまさにスペシャルなレンズだ」、という一言に尽きます。

もちろん、そもそもが「写真撮影用」として作られていないので、
操作性は、必ずしも「快適」とは言い難いものがあります。

なお、ご覧の通り、画像周辺には「減光」が見られます。
やはり、4/3のイメージサークルを謳うレンズなので、
APS-CセンサーのNEXだと、どうしてもケラれてしまいます。

しかし、下の2枚は、画像のアスペクト比を「16:9」に変更して撮影。
これだと、減光の傾向は見られず、全体にほぼ均一な画像になっているものと思われます。
Kowa XCシリーズをNEXで使う場合の「逃げ道」の1つになるだろう、と思われます。

※折良く、本日発売の『日本カメラ』誌の2012年7月号に、
「デジカメWatch」の記事でもお馴染み澤村徹氏の執筆により、
同XCシリーズ中の「LM50XC」を取り上げた記事が掲載されています。
恐らく、商業誌レベルで、工業用レンズを用いた作例が載ったのは初めてでは、
と澤村氏は申しています。
こちらも、是非手にとってご覧下さい。

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2012年6月16日 (土)

渋谷~原宿散策

Dsc7048
1/10秒 F8.0 (ISO200)

Dsc7057
1/80秒 F5.6 (ISO1600)

Dsc7072
1/30秒 F5.6 (ISO800)

Dsc7077
1/60秒 F5.6 (ISO1600)

Dsc7117
1/3秒 F5.6 (ISO800)

※機材は全て、
Nikon D7000
RMC Tokina 17mm F3.5 (SL17)
JR山手線 渋谷-原宿間
2012年6月6日

6/6(水)、風邪に痛風に声枯れに、とボロボロだったので、
会社を途中で休みにして、渋谷に「ペンスケッチ展8」を観に行きました。

でも、声が出ないので話しも出来ないし、それじゃむしろ迷惑かも、
と思って早々に会場を出て、そこから、原宿まで歩いて行きました。
その時に撮った写真です。

この時は、痛風の痛みが無くなっていたので、歩いても平気でした。

山手線の渋谷-原宿間って、前も歩いた事がありますが、
その時の印象は「写真を撮れるような場所は無し」でした。
が、今回歩いてみて、いろいろ目について、どんどんシャッターを押してました。
同じ場所でも、また改めて行ってみると違う景色に見えるもんだな、
と強く実感したところです。

レンズは、以前も当ブログで紹介した事のある、トキナーの17mm。
あのOMマウントのレンズは、結局、クモリが酷かったため、
実用性なしと判断し、将来の「ニコイチ修理」待ちの指定を受け、眠っておりました。
先日、ペンスケに出展されていた方が、フジヤのジャンクで安く見つけた、
と購入されたものを、無理をいって譲って貰ったのが、今回のレンズ。

ニコンマウントなので、D7000の出番ですが、いやぁ、よく写る事。
トキナーを代表する銘玉と言われる所以が分かるってものです。

広角の弱かったD7000の「新標準レンズ」になりそうなレンズです。

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2012年6月 1日 (金)

「一家に一台」の便利カメラ?SONY Cyber-shot DSC-HX100V

うちの子も、早いもので2月に3歳になり、
春からは幼稚園に通っております。

で、入園式に行って写真やビデオを撮ってたんですが、
その時思ったんです。

「このカメラでは、敵に勝てない。」

※↑「ヤマト2」に出てくる真田さんのセリフのパクリ。

ちなみに、その時はNikon D7000でスチルを、
Cyber-shot DSC-TX7で動画を撮影。
(後、記念写真用にMamiya-6も。)

しかし、子供の手を引っ張って連れて行ったり、
他にも当然子供がいっぱいいる中で、
大きいカメラを振り回すのはなかなか難しい。
まして、静止画と動画のカメラを持ち替えながら撮るなんて、無理。

一方で、TX7だと、ズームのテレ端が全然足りなくて、
遠くにいる子をしっかり撮る事が出来ない、という問題も発覚。

結局、今後の幼稚園や学校など行事ものを撮りに行く時の事を考えると、
今持ってる機材だけではどうにもならないらしい、という結論になりました。

で、いろいろ考えあぐねた末、辿り着いた回答は、
SONYのCyber-shot DSC-HX100Vでした。

Dsc_6804_hx100v

他にも、オリンパスやパナソニックのマイクロ一眼や、
動画主体でビデオカメラなど、いろいろ考えた中で、
「水準以上の静止画」「動画はAVCHD」「超高倍率ズーム」
「望遠動画で手ブレ補正がしっかり効く」
「動画撮る時に構えやすいよう、液晶がシフトする」
などなど、様々な条件で絞り込んでいった時、
最終的に残った選択肢は、このHX100Vと、
松下の「LUMIX FZ150」のいずれか、でした。

ちなみに、HX100Vは型の古いカメラで、
現行型は「HX200V」なのですが、
どうも1800万画素の掃き出す画はイマイチ感があり、
まだ、先代の1600万画素の方がマシなようだ、
という結論になり、都内いろいろ探し回って、
なんとか、川崎ヨドバシアウトレットで「最後の1台」を購入できました。

本来は、細かな「画質評価」をするべきなんでしょうが、
購入目的が「必要な条件を満たしたカメラ」という事になるので、
写りの良し悪しは、条件としては優先度が低く、
あまり細かくは触れないでおこうと思います。

と書くと「やっぱダメなんじゃ?」と勘ぐられそうですが、
そんな事は全然ありませんでした。
ピクセル等倍に拡大すると、解像感が足りないな、とか、
絵の具を塗りたくったようなグッチャリ感などもあり、
デジタル一眼レフの描写には及ばぬ物でしたが、
下の作例のように、縮小してみれば何とも思わないレベルです。

まず、鶴見線ホームで撮影した「スイングパノラマ」の作例。

Dsc00073

これは、「スイングパノラマ」の中でも、
「HRモード」という、最も高解像度のモードで撮影したもの。
以前から持ってたTX7には無いモードで、
オリジナルの解像度は、実に「幅10480×高さ4096」と広大なものです。

とはいえ、さすがにここまでの高解像度だと無理が生じているようで、
手すり部分が、激しく「ガタガタ」になっています。
ノーマルモードだと、ここまで酷くなる事はありません。

高解像度のスイングパノラマは、まだ搭載されるようになったばかりなので、
今後、更なるブラッシュアップで改良されていくものと思われます。

このHX100Vの特徴の1つは、
35mm判換算で「27-810mm」相当という高倍率ズームです。

下の作例は、GWに「多摩動物公園」に行った時のもの。
3枚とも「ほぼテレ端」で撮ってます。
ライオンのコマなどは、肉眼では居場所も分かりづらい程でしたが、
800mmにもなると、すぐ目の前にいるような感覚で収める事が出来ました。

Dsc00144

Dsc00154

Dsc00218

これらの超望遠で撮影している時は、
当然ながら、腕がぷるぷるして、非常に「手ブレ」しておりましたが、
このカメラは、動画の超望遠撮影にも対応しているだけあって、
非常に強力な手ブレ補正機構が内蔵されており、
手ブレで解像感が失われるようなコマは、ほぼ皆無でした。

※シャッターを半押しして「手ブレ補正がON」になった瞬間に、
液晶のプレビュー画面でも、それまでプルプルしていた画面が、
突然「ピタッ」と止まるのを確認できるので、感動できます。

コンパクトカメラの場合、レンズ交換ができない分、
手ブレ補正の効き方も「このレンズで最適なアルゴリズム」
に特化した設計がされているはずで、
さすがに、デジタル一眼レフのそれとは、効き方の次元が違うな、
という印象を受けました。

その、超望遠で、スカイツリーを撮ってみたのがこの写真。

Dsc00230

これは、うちから車で数分の、調布市内の某所から撮ったものです。
肉眼だと「えーっと、スカイツリーはいずこに…」と探しそうになる程、
小さな豆粒(棒状だから、爪楊枝の先、とか言った方がいいのかな)
でしか見えないものが、テレ端だと、ちゃんとフレームに収まります。

しかも、このカメラ、デジタルズームを使うと、
テレ端が何と3240mm相当!にもなってしまいます。
これは、「麻布十番」から、東京タワーの先端少ししたで行われている工事の様子を、
覗こうという気は無かったものの、電子ズーム有効でズーム最長で撮ったもの。
もちろん、ノートリミングです。

Dsc00022

撮ってる自分が恐ろしいです。
デジタルズーム有効とはいえ、
昔のデジカメみたいに「いかにもディザリングしました」
的な不自然な画になってないですし、
さっきも書いた通り、手ブレ補正の効き方も半端ないので、
ぶれて画が甘くなるような事もありません。
昨今の「超高倍率・超望遠ズーム搭載コンデジ」の威力は凄いな、
と見せつけられる思いでした。

最後に、真っ当な?写真を。
先日、「東武鉄道博物館」に行った時のもの。
ズームは、ワイド端の27mm相当の広角です。

Dsc00283

東武の博物館、10年振りくらいに行きましたが、
すっかり綺麗になって、置いてある車両の数も増えて、
こじんまりしている割には結構楽しめる施設になっていました。
これなら、何度でも子供を連れて行けるな、と思いました。
リニューアル後はまだ行ってない、という方にはオススメです。

そもそも「作品撮り」を目的に買ったわけではないHX100Vですが、
(コンパクトカメラとしては大きいものの、一眼レフに比べれば)
小型軽量のボディで、ズームは広角から超望遠まで使え、
手ブレ補正のおかげでラフな感覚で撮影でき、
チルトする液晶のおかげで撮影も楽だし、
使ってみると、実に「便利」なカメラだ、と分かりました。

子供の成長記録専用、と思っていますが、
これなら、ちょっとしたお出かけなら全権を任せられる、
機能と(最低限の)描写を持ったカメラです。
まさに、「一家に一台、あると安心、ネオ一眼」。

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