2012年10月末に購入した、ニコンの「COOLPIX P310」。
「価格.com」の最安価格が急に上がったため、
今のうちに安いものを買っておこう、と慌てて購入したのでした。
その後は、じりじりとまた価格が下がり始め、
現在は、量販店でも1.5万円前後で購入できるようです。
でもその間約2ヶ月の間に千枚ほど写真を撮れたので、
充分「元」は取れたのではないか、と思っております。
安くなったせいもあってか、ブログの検索ワードでも、
ここ最近「P310」のアクセス数が急増しています。
COOLPIXの最高グレード「P」を名乗っているカメラが、
1.5万円ほどってどうなの?、と気にされる方が多いって事だと思います。
以前に「P310雑感」として、主に悪口?メインで書いた事がありますが、
新しい作例を含め、改めて「P310」というカメラの存在価値を考えたいと思います。
Nikon Coolpix P310 (100mm相当)
1/8秒 F4.9 (ISO800)
2012年12月7日
※アスペクト比3:2で撮影
同じ「COOLPIX P」を名乗るカメラである「P7100」「P7700」との違いは、
必ずしも「一も二もなく、画質を重視」、という作り「ではない」事と考えます。
1/2.3型で1600万画素のCMOSセンサーは、
これだけ小型・高画素の割には充分満足のいく描写だと思いますが、
それでも、純粋に「写り」だけで言えば、1/1.7型の「P7700」や、
他社の2/3型、1型といった中・大型センサー搭載のコンデジの方が、
遥かに「いい写り」をするはずです。
もし、一眼レフやミラーレスを持ってない方が、
メインのカメラとしてP310を検討されているなら、
「それなら、他の高級コンデジないしミラーレスの方が」と薦めるでしょう。
P310を使ってて、一番いいと感じる部分は、
同じニコンのデジタル一眼レフ「D7000」を使っている感覚が、
ほぼそのまま適用できる操作性、描写傾向にある点にあります。
例えば、上の東京タワーの写真は、アスペクト比を「3:2」にしています。
通常、コンデジのアスペクト比は「4:3」で、昔のテレビの縦横比と同じです。
一方、フィルム(35mm判)やデジイチでは、少し横長の「3:2」となっています
「この構図なら3:2の方がいいなぁ」と思う場面で、
上下の解像度をやや犠牲にして「3:2」を選択する事が出来ます。
Nikon Coolpix P310 (50mm相当)
1/25秒 F3.3 (ISO800相当)
小田急 南新宿駅
2012年12月11日
※モノクロモードで撮影
P300からP310にモデルチェンジした時、新たに追加された「ファンクションキー」には、
いくつかの機能を割り当てできますが、その1つが「Picture Control」。
実は、この「Picture Control」自体が、
日頃、D7000を使っている感覚がダイレクトに適用できる部分です。
D7000では、「Picture Control」を「スタンダード」ないし「モノクローム」を選んで撮る事が多いです。
また、それぞれの項目の中に「コントラスト」「輪郭強調」といった調整項目があります。
この「Picture Control」が、D7000でもP310でも(ほぼ)同じなので、
日頃、D7000で撮っているパラメータを、P310でも生かす事が出来ます。
また、明暗差を抑えて撮影する「アクティブD-ライティング」も、
P310には搭載されているので、「この構図ではアクティブD-ライティング使いたいなぁ」
と思う場面で、同様に適用させる事も出来ます。
画作りの上で、日頃D7000で行っている作業を、
ほぼそのままトレースできる、というのはP310の大きな強みだと感じます。
Nikon Coolpix P310 (24mm相当)
1/20秒 F2.8 (ISO1600相当)
小田急 南新宿駅
2012年12月21日
※モノクロモードで撮影
デジイチと同じ感覚、という意味でもう1つ重要なのは「ダイヤル操作」です。
同じニコンのミラーレスカメラである「Nikon 1」では、
上位機種を除いて、ダイヤルが搭載されていません。
P310では、メインの電子ダイヤルが上面にある他、
セレクトダイヤル自体もダイヤルになっているので、
実質、これがサブ電子ダイヤルのような扱いになります。
夜景を撮る場合など、シャッターも絞りもマニュアルで、
というケースが多いだけに、2つのダイヤルでシャッター速度/絞りを、
同時に調整できるのは、これもやはり、デジイチの感覚が適用できる部分です。
Nikon Coolpix P310 (28mm相当)
1/4秒 F2.8 (ISO800相当)
東京モノレール 浜松町-天王洲アイル間
2012年12月10日
小型・高画素センサーとしては、高感度に強いのも特徴です。
とはいえ、常用は1600まで、と考える方が良いかもしれません。
逆に、800くらいなら、もう「高感度」という意識をする必要もないか、
と思えるくらいの画になります。
いつもは、1600の手持ちで夜景を撮ることが多いですが(VRのおかげで出来る事です)、
この写真は、ミニ三脚を持参し、感度を落として撮ってみたものです。
一般に、コンデジの明暗コントロールは「内蔵NDフィルター」というケースが多いですが、
P310は、コンデジとしては珍しく「絞り」が搭載されています。
という事は、絞り値の設定によって「画質」が変わる、という事になります。
開放では(比較的)被写界深度が浅くなり、画像も「周辺像」が甘くなります。
絞ればシャープになりますが、F5.6より絞ると、逆に回析で甘くなってきます。
絞り値による画質差がある事から、露出制御は、
自然と「シャッター速度か感度か」という事になってきますが、
被写体を止めるか動かすか、を考えると、やはり「感度」をいじる機会が増えてきます。
なので、自分は「ファンクションキー」に感度を設定し、
いつもちまちまと「ISO100」「ISO400」だ、などと設定をいじっています。
Nikon Coolpix P310 (50mm相当)
1/4秒 F3.3 (ISO800相当)
東京モノレール 浜松町-天王洲アイル間
2012年12月10日
※アスペクト比1:1にトリミング
以前、P310の雑感を書いた時、AFが遅くて合わない、と書きました。
実際、その感想に変わりは無く、とにかく「合わない」「迷う」と感じる事が多々あります。
一方、絞り開放であっても被写界深度が深い(焦点距離が短いので)事から、
最初からフォーカスの設定を「MF」にし、無限遠固定にしておけば、
おおよそ2mから3mくらい先は既に「無限遠」の範囲に入っており、
そもそもフォーカスを合わす、という作業自体がほぼ不要です。
余程、特定の被写体にグッと近づく事がない場合は、
はなから「MF」「無限遠」固定にしておけば、フォーカスを合わせる時間を省けるので、
ストレスなく撮影を行う事が出来ます。
Nikon Coolpix P310 (100mm相当)
1/20秒 F4.9 (ISO1600相当)
小田急 下北沢駅
2012年12月21日
※アスペクト比1:1で撮影、更にトリミングを実行
P310で問題視される部分の1つが「RAWで撮影できない事」、と言われています。
しかし、実際撮影したJPEG画像をPhotoshopで開き、レベル補正をいじってみると、
本体液晶でのプレビューでは「白トビ」「黒ツブレ」してる、と思った画像が、
意外と「トバず」「ツブレず」ちゃんと残っている事に気づきます。
いわゆる「ダイナミックレンジが広い」って事になると思いますが、
レタッチ特性が充分にあるJPEGなので、RAWでなきゃいけない、
という事にはならないと思います。
今回アップしている作例は、いずれも、大なり小なりレタッチしてるものばかりです。
※あまり参考にならないかもですが、
HD動画をYoutubeにアップしておきましたので、貼っておきます。
最初にも書いた通り、このカメラはそもそも「メインを張る」ものではない、
という印象です。RAWで作品用に撮影、という使い方は向かないカメラであり、
それなら、P7100/P7700の方を、あるいはNikon 1のいずれかを薦めたいです。
既に、ニコンにデジタル一眼レフを使っている人が、
同じ感覚で使えるコンパクトデジカメ、
「デジイチのスーパーサブ」として使える事が、P310の価値かな、と感じます。
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