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2013年2月25日 (月)

2013年版・デジイチでフィルムをデュープ【(2)ポジから取り込む篇】

前々回のエントリで、フィルムをマクロレンズで「デュープ」(複写)する方法について、
まずは機材(あくまで我流)の事と、実際の撮影の事について書きました。

実際、撮った画像を、どう作り込んでいくか、の話しに進みますが、
本当は「カラーのネガ」をデュープする方法について一番書きたいんですが、
これが一番厄介なので、まずは、一番手間の掛からない「ポジ」(リバーサル)
からのデュープについて、自己流のやり方を書いてみたいと思います。

※次回は、ポジと同様「比較的簡単」な「モノクロのネガ」について書いて、
その次に、「カラーのネガ」について書こうと思っています。

今回、見本として使うのは、「サンニッパ+コダクロームで小田急HiSEを撮った
画像をアップした事がありますが、その時の取り込み画像を元に書きたいと思います。
是非、そちらのエントリを別タブ等で開いて頂いてご覧いただけると幸いです。

まず、前回のような方法でデュープを撮った「撮って出し」画像はこちらです。

Dsc_6211_1
Nikon D7000
Super-Multi-Coated Macro Takumar 50mm F4
(「muk camera service」製マウントアダプタ使用)
1/6秒 F5.6 (ISO100)

※RAWで撮影したものを、パラメータ変えず、縮小のみ実行。
ただし、ブログ背景と画像の境界が分かりにくいので「白い枠」の追加を行ってます。

ポジの場合、これでも充分「撮って出し」でOK、という感じもします。
実際、そういじる事もありません。
デュープを撮る際、「ただしい露出」で取り込み出来ていれば、
それで充分「デュープ画像」になります。

なお、デュープ撮る時の露出の決め方ですが、
うちの環境の場合、D7000の感度をISO100に、レンズの絞りをF5.6に設定すると、
ポジのデュープの場合、おおよそ「1/5~1/10秒」で適正となるので、
露出モードはマニュアルに設定し、
この範囲でシャッター速度を変えながら数枚撮影して、
最も露出が適当と思われる物を元に画像を作っています。

「最も露出が適当」かどうかを判段するのは、
基本的には「ヒストグラム」のグラフに基づいています。

Dsc01546_2

これは、撮影した画像を、D7000の液晶で再生し、
コンデジで直接撮影したものです。
再生時の表示を、RGB別のヒストグラムにしています。
また、全体表示だと、デュープしたポジの「フチ」の黒いベース色のため、
ヒストグラムに影響を与えるので、「拡大」ボタンを一回押して、
中心部が少々トリミングされたような状態に見えています。

ヒストグラムは、左が「シャドー(暗部)」、右が「ハイライト(明部)」です。
「山」の形が、左端で途切れている場合は「シャドーが潰れている」、
右端で切れている場合は「ハイライトが飛んでいる」事になります。
つまり、この画像の場合「シャドーが潰れぎみ」「赤成分のハイライトが飛びぎみ」
という事になります。

もちろん、ちゃんと「綺麗な山の形」に収まるのがベストですが、
ポジの場合、撮影時の露出が「オーバー」「アンダー」という事も多く、
必ずしも、デュープの時点で「綺麗な山」に出来るとは限りません。
あくまで「目安」「目標」という事になります。

では、デュープしたRAWを、「Photoshop Elements 10」で開き、
フチの黒枠(ベース部分)を削除し
(多少の角度の傾きはあると思うので、
「画像回転」で0.1~0.5度程度の傾きにて補正すると良いです)、
「レベル補正」を開いた状態がこちらです。

Dsc_6211_2

さっきの、D7000の再生画面と同様、
山の左端が切れているので、シャドー(暗部)が潰れている、
という事になります。
HiSEの床下・台車部分が真っ黒なので、仕方ないところです。
ここを無理に引き上げようとすると、
肝心の車両本体の白い部分が見事に飛んでしまうので、
この画像の場合は、シャドーを犠牲にしてハイライトを優先に、
という作戦で臨む必要があります。

では、「ハイライトが飛ぶ」「シャドーが潰れる」とはどんな状態か。
少々極端な例を示してみたいと思います。

まず、今の画像で「ハイライトを思いっきり飛ばしてみる」
と、こんな風になります。

Dsc_6211_3

「レベル補正」の、右の方の白い矢印(赤丸で囲った部分)を、
内側の方にグイッと引っ張ってみました。
これで「OK」を押せば、この矢印より右の「山の裾野」が切り落とされてしまうので、
山の右端も「途切れてしまう」事になります。

なので実際、車両も、完全に真っ白に「飛んで」しまっています。
これでは、折角のHiSEの美しい塗装も台無しです。

※あえて「飛ばす」事で「白」を強調する事もあります。
モデルさんの写真でも、効果的に「ハイライトを飛ばす」事で
「美白」を演出する事もあり、必ずしも「誤り」ではありません。

次に、「シャドーを思いっきり潰して」みます。

Dsc_6211_4

こちらは、「レベル補正」の、左の方の矢印(黄色い丸で囲った部分)を、
内側の方にグイッを引っ張っています。
元々潰れていた「山の左端」の、かろうじて残っていた「裾野」が、
完全に無くなる位置まで矢印を持ってきてます。

撮って出し画像では、かろうじて存在を確認できた「台車」が、
ここでは完全に「暗黒」になっています。
また、左下の線路部分は、まるで「石炭」のように黒いです。

こんな具合で、昨年このブログにアップした画像では、
最終的に、こんなヒストグラムになるように調整してアップしました。

Dsc_6211_5

ハイライトをやや飛ばしぎみにして、
車体の白をギリギリまで「明るく」みせよう、という調整のようです。
「ようです」というのは、画像をレタッチする時の感覚が、
どうしても時期によって違ってくるからです。
今の目で見ると「もうちょっとハイライト押さえておきたかったかも」
という気もします。

レベル補正では、チャンネルの「RGB」という部分を選択する事で
「赤」「緑」「青」(その対色である「シアン」「マゼンタ」「イエロー」も含め)
のカラーバランスを調整する作業も行います。
このHiSEの場合は、デュープ撮った状態では「ややマゼンタ寄り」
かな?と判断し、少々「緑」を足している風に見えます。
そのため、ちょっと黄色っぽくなっている感じも、しなくもありません。

ただ、ポジの場合は、撮ったままの色でも大丈夫なケースが多いと思いますし、
Photoshopの場合、「自動カラー補正」がかなり優秀なので、
ボタン一つで正しい色にもっていく事も、できなくはありません。

以上、ポジのデュープ画像の作り方でした。
次回は、モノクロのネガからの画像の作り方です。

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