2013年版・デジイチでフィルムをデュープ【(1)準備と撮影篇】
2013年版・デジイチでフィルムをデュープ【(2)ポジから取り込む篇】
最近は、フィルムからの「データ取り込み」の方法として、
フィルムスキャナではなく、デジタル一眼を用いた「デュープ」(複写)をする事が多く、
我流のやり方をまとめておこう、という事で既に2回書きましたが、
今回は、「白黒ネガ」からの取り込みについて書きたいと思います。
既に書いた2回分を踏まえての話しになりますので、
まずはいきなり、実際のネガをデュープ(複写)した画像から。
※1月に徳島に帰省した時、駅前~新町を歩いた時のネガから、
以前のエントリではアップしなかった画像を使いたいと思います。
※デュープ機材
SONY NEX-5
Canon New FD50mm F3.5 Macro
1/200秒 F5.6 (ISO200)
白黒なので、デュープしたままでは当然「ネガ」(白黒反転)してます。
これを、角度調整(この画像だと「反時計回りに0.3度」程度でした)し、
レベルを表示したものがこちら。
ポジの時も書きましたが、デュープを撮る段階で、
ハイライトが飛んだり、シャドーが潰れたりすると、
後からレタッチする事が不可能になります。
なるべく、レベルの「山」が、真ん中の方にあって、
かつ、裾野が端から離れている方が良いです。
「飛ばす」「潰す」は、後からでも出来ますので。
次に、これを「階調反転(Photoshop Elements 10だと、Ctrl+I)」、
「カラーの削除(同じく、Ctrl+Shift+U)」をすると、こうなります。
階調反転(白黒反転)しているので、当然ながら、
レベルの山の形も「左右反転」しています。
これが、ネガのおもしろいところだな、と思います。
少々脱線しますが、ネガだと「少々露出オーバーの方が、
プリントが綺麗に仕上がる」と感じる事があります。
ポジやデジカメの場合、露出がオーバーになると、
ハイライト(白い部分)が「飛んで」、真っ白になってしまいます。
一方、ネガの場合、それが「反転」してフィルム上に記録されるので、
ネガ上では、ハイライト部分は「黒く」写る事になります。
フィルム自体は透明(色はついていても、透けている事に変わりはない)
なものですが、ハイライト部分は黒く「記録される」事になるので、
少々オーバーだとしても、意外と情報が記録されていて、
後からプリントやスキャン、デュープ時に「復元」する事が出来ます。
ネガで撮影する時、「この状況での露出はどうなるだろう」
と悩んだ時、「少々オーバーで撮っておけば何とかなるだろう」
と判段する事がしばしばあります。
そういうネガは、光に透かしてみると「黒っぽく」見えるわけですが、
その方が、ネガとしては「良質」だろうと感じる事が多いです。
さて、先ほどの画像を最終的に作り込みますが、
白黒だと「色」を見る必要はないので、
単純に「シャドーを潰していいか、どこまで潰すか」
「ハイライトを飛ばしていいか、どこまで飛ばすか」
という2点に絞ってレベルを補正すれば、ほぼ完成となります。
先ほどの写真だと、まずハイライトで気にすべきところは、
「空」(薄曇りの感じを残したいので、飛ばさないように気をつける)、
「建物の壁」(薄汚れた感じが消えないよう、飛ばさないように気をつける)、
という2点。シャドーの方は、
「アーケードは、やや潰れる位で良いだろう」
という1点、に気をつけてレベルの山を動かしてみます。
で、こんな感じ。
今回は、シャドーを全く潰さず(山の左端に矢印を合わせ)、
ハイライトは山の端より少々右の方で止めてみました
(山の端までもってくると、空が真っ白になってしまうので)。
また、いつもだと、「中間の階調」(真ん中の矢印)についても、
少し右に矢印を動かし「0.8~0.9」くらいにする方が、
全体の階調がよりダークになって好みなんですが、
この写真の場合は、ノーマルの「1」のままにしてみました。
以上で完成ですが、今回の写真は、撮影時にネガについていた、と思われる
ホコリの跡が画面隅の方に散見されたので、レタッチで消しておきました。
(正確には、さっきのレタッチの画像ではなく、以前に作っておいた画像なので、
少々作り込みが異なりますがご了承ください。)
Leica M2
COSINA Voigtlander Nokton 35mm F1.2 Aspherical VM II
1/250~1/500秒 F2.0~5.6
Rollei RPX400
2013年1月21日
白黒のネガの場合、ポジと違うところは「階調の反転」があるところ。
一方、「色」がないので、カラーバランスを考える必要がなく、
「シャドー」「ハイライト」に絞って補正すればほぼOKなので、
慣れてくると、簡単な作業だけで「いい感じ」の仕上がりに追い込む事が出来ます。
「手焼き」でプリントを作る作業を、より手軽に、DTPだけで出来るような感じです。
(逆に、この一連を経験しておくと、本当の「手焼き」をこれからやろう、という時も、
シャドーやハイライトの「見方」が分かっているので、会得しやすいのでは、と想像されます)
さて、次回は「問題」?の、カラーネガからのデュープについてです。
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