« 2013年4月 | トップページ | 2013年9月 »

2013年5月

2013年5月16日 (木)

Carl Zeiss Touit は Made in Japan 。製造はまさか…?

カールツァイス、ミラーレス用レンズ「Touit」の国内発売日・価格を決定 (デジカメWatch)

カール・ツァイスが、ミラーレス用のレンズを出す、という話しを聞いたのは、
多分去年の後半くらいだったかな、と思います。

ただ、その時点では、あまりその事を意識していませんでした。

既に、ソニーから、NEXのEマウント用に「Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA (SEL24F18Z)
が発売されていたので、その一連でNEX用のが出てくるんだろう、
という程度の認識だったからだろう、と思います。

ところが、そうじゃないらしい、と気づいたのは、
今年2月、横浜に「CP+」を見に行き、ソニーのブースで、スタッフさんと話しをした時。

当然のように、ツァイスのEマウントの開発中レンズが置いてありました。
それを指さして、何か質問を投げかけました。
(詳細失念。多分、おいくらくらい?みたいな感じだったかな、と)

すると、ソニーの人から帰ってきた答えは
「カール・ツァイスさんから借りたものなので、詳細は何とも。」

あれ?でも、Eマウントの24mm出してますよね、貴社から?、と聞くと
「それとは別で、ツァイスさん本体で発売されるレンズなんです」、と。

カール・ツァイスが、「自社」でレンズを発売する?

これまで、日本で(正式に)発売されていたツァイスのレンズは、
全て、日本の会社が、ツァイスの名を借りて出してたものばかりのはずです。

京セラは、「CONTAX」シリーズのレンズとして。
ソニーは、「α」シリーズのレンズとして(内蔵であれば、Cyber-shotなども)。
コシナは、Fマウント、EFマウント、Mマウントなどの交換レンズとして。

いずれも、カール・ツァイス社、御自ら発売したものではありませんでした。

何でまた、自社で出す事に?と不思議に思ったんですが、
新しく発売するレンズが、NEXのEマウントだけじゃなくて、
富士フイルムのXシリーズ用にも発売する、と聞いて合点がいきました。

今後、APS-Cセンサーを搭載するミラーレスがどんどん増えるだろうから、
いろんなマウントに対応できるように、「ソニーのツァイスブランド」ではなく、
自社で、自由な立場で売っていこう、という判段をしたんだろう、と思います。

って事で、いよいよ発表された「Touit」(トゥイート)シリーズ。

上記のデジカメWatch記事にもある通り、まずは12mmと32mmの発売で、
お値段は10万前後という事で、思っていたよりは安かったかな(笑)

で、この記事を見てて、気づいたんです。

レンズに「Made in Japan」って書いてある。

まぁ、「Germany」って事はないかな、と思いつつ、
でも、やっぱり日本製か、そうか、と感じつつ、
じゃあ、実際問題どこが製造してるんだろう?と疑問が。

ソニーなはずはないですね。Xマウント用も出すわけですから。

コシナ?と考えるのが順当なところでしょうが、
それなら、現状の「コシナ・ツァイス」のラインナップに並べて販売、
という選択肢もあったはず。

と、考えているところで、ふと思い出したんです。この記事。

京セラオプテック、カメラ用交換レンズの開発・製造を検討 (デジカメWatch 2012/3/7)

京セラオプテック」?、と不思議に思われる方もいらっしゃるでしょう。

この会社こそかつて、京セラ「CONTAX」のレンズを製造していた会社であり、
更に遡れば、今や伝説とも言われる「富岡光学器械製造所」を起源とする会社です。

日本に数あるレンズ製造会社の中でも、5本の指に入る凄い会社です。

しかも、この記事には、こんな事が書いてあります。

「京セラオプテックには欧州の光学メーカー複数社から
カメラ用交換レンズの完成品および部品・サブアセンブリの開発製造について打診があり、
現在検討している段階という。」

こ、これはまさか!

「ヤシコン」の復活か!?

買わなきゃ!

でも、NEXは「整理ポスト」に入れようか、と思っているところ…(滝汗)

| | コメント (1)

2013年5月13日 (月)

玉川上水新水路跡の隧道(トンネル)

EOS D60で京王線を撮った写真をアップしましたが、
あの日、笹塚の辺りを歩いておりますと、
「十三号通り公園」なるものが目に止まりました。

Crw_3589
Canon EOS D60
SIGMA AF MACRO 90mm F2.8
1/500秒 F4.0 (ISO400)
2013年4月19日

あからさまに「プンプン臭う」名前の公園だったので、
この日、家に帰って調べてみました。

この公園は「都道431号線」沿いにあるわけですが、
そもそもこの道路は、「玉川上水新水路」跡地に作られたものでした。

「玉川上水」自体は、江戸時代に作られて、
この付近で言いますと、京王線に沿うような感じで、
東の新宿方面(現在の御苑あたり)に伸びている用水でした。

しかし、明治に入って、それだけでは足りなくなった&水質汚濁の問題があったため、
新宿の西方に「淀橋浄水場」を作る事になり、
そこまでのバイパスとして「新水路」が作られた、との事。

1898年、「淀橋浄水場」完成にあわせて竣工したものの、
1912年の関東大震災で大きなダメージを受け、
その後、甲州街道の地下に「新・新水路」が完成したのを受けて、
1937年で廃止された、という数奇な運命を辿った用水だったようです。

この「新水路」には何本か橋が架けられており、
新宿方から順に「一号」「二号」と符番されていた、と。

つまり、この公園に近くには「十三号橋」が掛かっていた、という事になります。

て事で、俄然この「水道道路」が気になってきたので、
先日、改めて足を伸ばしてみました。

今回は、京王線幡ヶ谷駅辺りから散策してみました。

※以下写真は全て、
Olympus PEN EE-3
AGFAPHOTO VISTA 200 (PRC)
2013年5月10日
※デュープ機材
Nikon D7000
Canon New FD50mm F3.5 Macro

まず、幡ヶ谷駅少し新宿よりにある商店街、
「六号通商店街」とは、ネーミングがあからさま過ぎます(笑)

130510_07

つまり、この商店街と、都道431号線のぶつかる交差点に、
かつて「六号橋」が掛かっていた、という事になります。

その交差点を新宿よりに曲がり、少し歩いてみますと、
「六号通り公園」という、非常に小さい公園がありました。

130510_07a

その先、また公園が見えてきました。「本町ずい道公園」、とあります。

130510_08

ずい道(隧道)とは「トンネル」の事です。
この辺りにトンネルがある、とは下調べで分かっておりました。

公園構内から、下に降りる階段があったので降りていきました。
(この水路は、高低差の都合、土手を作って高いところに作られたので、
現在の都道も、近辺に比べてかなり高いところにあります。)

すると、ちょっと高さの低いトンネルがありました。「本町隧道」です。

130510_09

このトンネルは、特に珍しい感じの雰囲気が無いので、
何も知らないと、完全にスルーしてしまいそうです。

ここから更に、新宿よりに歩いて行くと、もう一つ、トンネルがあります。

それが「本村隧道」です。

130510_11

こちらは逆に、ちょっと「神殿」のような佇まいが荘厳で、
もし何の予備知識もなく訪れたとしても「ここは一体?」と勘づいたかもしれません。

トンネル自体の銘板は外れて(外されて?)いましたが、
すぐ横に、都道に上がる階段があり、そこに名前がありました。

130510_11a

「本村ずい道南階段」

新水路の土手をくぐるトンネルは、実際は3つあったらしいんですが、
現在は、この2箇所だけが残っているそうです。

この後、更に新宿方面に歩いてみましたが、
「○号橋」があった痕跡(通りの名称で残っている、など)は見られませんでした。

今後更に、環七方面や、旧玉川上水との分岐点である和泉給水場の方など、
より西の方も散策・調査していきたいと思います。

| | コメント (3)

2013年5月 8日 (水)

Kenko Fish-eye Converter 0.16x

当ブログを以前からご覧頂いている方であれば
(遅ればせながら、心より御礼申し上げます)、
カメラやレンズばかりのこのブログに、「魚眼レンズ」の話しが出てこないな、
と不思議に思われる方もいらっしゃるかもしれません。

一応、多少はネタにしてまして、ただ、唯一持ってる魚眼レンズが、
珍品として知られる「Fish-eye-Takumar 18mm F11」だけで、
お世辞にも「使い勝手の良い」レンズでもないし、
「美品・珍品」なのでキズを付けたらどうしようドキドキ、という事もあって、
そうそう持ち出す事も出来ず、数年に一度程度の使用率です。

魚眼レンズに興味が無いわけではないんですが、
かといって、積極的に使いたいから魚眼レンズを買おう、
という程熱心でもないし、という感じで現在に至っております。
(ブツが少ないので、中古でもオクでも、あまり安くない、という理由もありまして)

と、そこへ、ちょっと変わった「魚眼コンバータ」を見つけまして、
購入してみました。

Dsc5868

もう30年程前?の製品で、ケンコーの魚眼コンバータ
「Kenko Fish-eye Converter 0.16x」というものです。

存在自体は知っていて、そして意外と根の張る物だ、と知ってたんですが、
たまたま、ネジが揺るんでガタのあるジャンクが安かったので、
それなら、という事で買ってみたのです。

レンズの前面、フィルターネジ(52mm)のところにネジ込む事で、
50mmレンズなら「全周魚眼」、100mmレンズなら「対角線魚眼」になる、
という触れ込みのフロントコンバータです。

「50mm/100mm」というのは「35mm判」の話しなので、
APS-Cの場合は「35mm/70mm」くらいが適当、という換算になります。

ただ、いろいろ付け比べてみると、同じ焦点距離でも写り方が変わるようで、
あれこれ試してみた結果、ひとまず、手元のレンズで一番「対角線魚眼」
に適しているレンズは、M42マウントの「Jupiter-9 85mm F2」という結論になりました。

Dsc5879

装着してみるとこんな感じです。
ちなみに、Jupiter-9のフィルター径は49mmなので、
間に「49mm-52mmステップアップリング」を挟んであります。

使い方としては、まず、レンズは「無限」「絞り開放」にセットします。
超近接だとピントの調整も必要そうですが、
ほぼ「全て無限遠」に合焦しそうな感じでした。

絞りは、コンバータ側に付いているので、レンズ側は常に開放になります。

コンバータに、レンズの焦点距離が書いてあり、
それによって、絞り値が変わってくる仕掛けになってました。
今回は「85mm」になるわけですが、すると、開放絞りは「F9.5」(F8とF11の間の「・」)
となりました。

しかし、装着するレンズの開放絞りが違っても、この絞り値になるなんて、
「ホンマかいな」と疑っていたんですが、ちょっと実験してみました。

ある構図で、コンバータの絞りを「F22の少し手前」(F19くらい?)にセットし、
「絞り優先AE」で撮影。その際のシャッター速度が「1/200秒」。

ついで、レンズを交換し、AEモードを「シャッター速優先AE」に切り替え。
シャッター速度を「1/200秒」に設定し、似た構図で撮影。
すると、カメラがはじきだした絞り値は「F19」。

うゎ、合うてるやん!

疑ってスイマセン(汗)

って事で、試写画像はこちら。

Dsc5731
1/20秒 F14.5 (ISO1600)
京王電鉄 井の頭線 渋谷駅

Dsc5749
1/200 F19 (ISO400)
渋谷駅前

Dsc5768
1/60秒 F19 (ISO200)
東急東横線 渋谷-代官山間(跡)

※以上3枚、
SONY NEX-5
LZOS Jupiter-9 85mm F2 / Kenko Fish-eye Converter 0.16x
2013年5月6日

85mmのレンズに「0.16倍」のコンバータなわけですから、
焦点距離は「13.6mm」となります。
カメラがAPS-Cなので、35mm判に換算すると「19mm」ってところでしょうか。
魚眼としては、少々物足りないのかも、と感じます。

丁度、3枚目の構図は、以前、「SIGMA 12-24mm」の広角端で撮った事があります。
それと比べると、似たような画角になっていると分かります。

一方、APS-Cのデジではなく、フィルムカメラで撮るとどうなるのか。
丁度、PENTAX MXを持っていたので、何枚か撮ってみました。

まずは、同じ85mmで。これだと、「円周魚眼」と「対角線魚眼」の間になるはずです。

130506_13
PENTAX MX
LZOS Jupiter-9 85mm F2 / Kenko Fish-eye Converter 0.16x
1/60秒 F19
DNP CENTURIA 200
JR山手線 渋谷-恵比寿間
2013年5月6日

実際、そんな感じになりました。

では、50mmを付けるとどうでしょう。

130506_16
PENTAX MX
Petri 55mm F1.8 C.C Auto (M42) / Kenko Fish-eye Converter 0.16x
1/125秒 F13.5
DNP CENTURIA 200
JR山手線 渋谷-恵比寿間
2013年5月6日
※スクエア判にトリミング

綺麗な円周魚眼になりました。
上下の余白も、多少あるように見えますが、
ファインダー倍率が100%ではないカメラだと、
この余白でも「ファインダーでは欠けて見える」程度なので、
丁度いいくらいかもしれません。

ちなみに、日付が写り込んでいるのは、MX用のデータバック「Dial Data MX」を付けて、
日付の代わりに「シャッター速」「絞り値」を設定して撮影したためです。
これが、コマ間だと実用的なんですが、画面内だと、さすがに目立ちますね(笑)

実は、こうして撮る前は、「円周魚眼って特殊な用途に使うものだから、
現実的に使えるのは、対角線魚眼の方になるかな」と思ってました。
なので、Jupiter-9につけて撮っていたわけですが。

でも、こうして円周魚眼で撮ってみると、自分の見ている光景のほぼ全てが写ります。
この感覚は非常におもしろい。写真歴23年で、初めての体験でした。

しかも、普通の魚眼と違って、このコンバータを使う場合、
レンズの長さが非常に長くなります(望遠レンズなみに)。

すると、画角が全周180度もあるのに、あまり自分の「足」が写る心配がありません。

この、MXで撮った2枚の構図も、陸橋のフェンス隙間からヌッとレンズを出して撮ってるので、
陸橋自体の写り込みも、最小限に止まっています
(実際は、下の方の周縁部に写っているんですが)。

コンバータ使用なので、周辺部の写りがどうもイマイチなのは仕方ないとして、
画面中心部の解像度はかなり高いですし、
何より、今持っているレンズをいろいろ組み合わせる事で、
画角や画質などを試しながら撮れる楽しみもあります。

なかなかおもしろいおもちゃが手に入ったのでありました。

| | コメント (1)

2013年5月 4日 (土)

Nikkor-S Auto 50mm F1.4の内部構造も違っていた件

Ai Nikkor 50mm F1.4の内部構造が違っていた件 (2009/2/9)

3年前のエントリです。
見た目ほとんど同じ「Ai Nikkor 50mm F1.4」をばらしてみたら、
えらく中身が違ってました、という内容。

ちなみに、2本とも、もう手元には無く(汗)

生産台数の多いレンズですから、
同世代のものでも、設計変更で中身が変わる、
という事があっても、決して珍しくはないんですが。

今回は、同じ50/1.4の古い世代のレンズ、
「Nikkor-S Auto 50mm F1.4」についてです。

Dscn2403

右上の「Nikon F Photomic Tn」と、その付属の50mmは、
前々職の先輩から、メンテ依頼にてお預かりしているもの。
こちらの方が、古い世代のレンズになります(S/Nは47万台、66~67年頃製)

一方、左下の「Nikon F」についているのは、自分の50mm。
こちらは、より新しい世代になります(S/Nは83万台、70年前後製)

パッと見た目は、ほとんど変わりません。
しかし、マウント側をみると、えらく違います。

Dscn2389

右が、お借りしている古い方、左が、より新しい自分の方。

※こうして見比べると、コーティングが全然違いますね。
古い方は黄色っぽい、いわゆるアンバー系のコーティング。
新しい方は紫っぽい、パープル系のコーティング。
紫というとマルチコートっぽいですが、
Auto Nikkorのマルチコート世代のレンズは「.C」が付きますので、
更に新しい年代のレンズになります。閑話休題。

見比べてみると一目瞭然。古い物は、ネジがありませんね!

一瞬、「えっ!?」と思いました。
だって、レンズをバラすなら、まずはマウントを外すのが定石。
マウントを外せないとなると…。

じゃあ、前から?と思って頭を悩ませてみましたが、
どうしても「そうなるはずがない」。さて、なんでだろう。

と思っているうちに、一つの仮説が浮かんできました。

「絞りが先に取れるのでは?」

もし絞りが取れるとすれば、絞りそのものが「ネジ込んである」のかも、
と思い立ちました。

絞りリングに刺さっているネジを一つ外し
(リングで設定した絞り値を、内部の絞り機構に伝えるもの)、
絞りリングをクルクル回し始めると…、

回って回って回って回る~~~♪

やはり、でした。絞りリングそのものが、
「非常にピッチの細かいネジ」によってネジ込まれていたのです。

て事は、絞りを「1.4~16」にコリコリと回す動作は、
実はネジを「締める、緩める」の動作を、非常に短い距離で行っていた、
という事になります。

こんな固定の仕方があるとは!、と新しい発見でした。

一方、「ありふれたネジ止め」に見える、左側の新世代。

かなり固いマイナスネジを順に回していきましたが、
向かって「一番下」のネジが、どう頑張っても回らない。
親の敵!、と思って回そうとしてもダメ。

なんで?と思いつつ、少しマウント爪を触ってみると

「グラッ」

あれ?もう緩んでる?もう取れる?

で、引っ張り上げると、スポッと抜けました。

(改めて)なんで?と思って、マウント面を裏から覗くと…、

その「どうしても取れなかったネジ」の裏には、
棒が一本伸びていて、そこにスプリングが固定されてました。
そのスプリングは、絞りレバーに繋がっており、
絞りを動作させるための役割を担ってました。

つまり、他のネジに比べて「より一掃固く」固着されていたわけです。

どうりで、最大限踏ん張って回そうとしたところで回らないはずです。

「マウント面のネジは、一通り外さないと、マウントは外れない」
という常識が通用しないレンズも初めてで、これも新発見でした。

他にも、バラしていくと、「こっちはこうなのに、あっちは違う!」
という部分が散見されました。

Nikkor 50mm F1.4の分解方法だけで、
一冊の本が出来て、しかも何章立てにも分けられそうな勢いです。

| | コメント (4)

2013年5月 1日 (水)

コダックのフィルム、ひとまず安泰?

去る4月15日、コダックのスキャン事業をブラザーが買収、との一報が流れました。

ブラザー、米コダックのスキャナー事業買収へ (日本経済新聞)

この中では、フィルム事業については一切触れられておりませんでしたので、
「さて、フィルムはどうなるのか、やはり事業終了か」
などと不安に思っておりました。

ところが一転、4月30日、コダックとブラザーの合意は破棄され、
写真フィルム事業とスキャナ事業、包括で売却、との報道がありました。
コダックからも、正式なプレスリリースが出ております。

コダックが英コダック年金プラン(KPP)との包括的和解を発表 (コダック)
コダック、スキャナー事業売却 ブラザーと合意白紙 (日本経済新聞)

これによると、売却先は、イギリスの退職者ファンドである「英コダック年金プラン」。
最大の債権者であり、28億ドルの支払いを求めて訴えていたそうですが、
それを取り下げ、かつ、両部門を6.5億ドルで買収する、との事。

この合意を受けて、コダックは事業再編計画を提出した、との事。

米コダック、早ければ7月にも破産法脱却へ (ロイター)
コダック:債務と株式の交換提案-破産裁判所に再編計画提出 (ブルームバーグ)

経済の専門家では無いので、これらの動きについて細かく説明する事は出来ません。

ひょっとしたら、ブラザーとの合意にフィルムが含まれていなかったため、
英退職者ファンド(仮にも、コダック退職者に年金を支払う基金)側が、
「じゃあ、フィルムはどうなる。コダックからフィルムを消すわけにはいかない!」
と考え、債権放棄や買収を決めたのかな、とか…。それは考えすぎですかね。

いずれにしても、ひとまず、「フィルム事業の切り捨て」は無くなったようで、
少し胸をなで下ろしています。

一方、同じタイミングで、フィルムの値上げが告知されています。

コダック製品フィルム価格改定のお知らせ (EAST WEST)

値上げするという事は、逆に言えば、EKTARや400TXなど、
引き続き生産され、入手できるという事ですから、素直に喜びたいと思います。

ますます「ふところ具合」が淋しい事にはなってしまいますが(汗)

フィルムカメラが好き、フィルム写真が好き、という事であれば、
少しでもフィルムを消費し、「市場」がある事を証明していかないと、
そう遠くない将来、コダックやフジから「撤退」の2文字が聞こえてくるかもしれません。

デジカメの進化が半端なく進んでいる昨今ですが、
フィルムカメラが手元にある方は、是非、フィルムでもいっぱい写真を撮っていきましょう!

| | コメント (5)

« 2013年4月 | トップページ | 2013年9月 »