「デジタルをインスタント写真に」Piviの魅力、そしてチェキプリンター復活?
2000年代後半に、富士フイルムが発売していた、ケータイプリンター、「Pivi」。
「ガラケー」で撮った「写メ」を、「赤外線」で送信して「インスタントフィルム」に焼き付ける。
たかが数年前の(このブログが始まった頃の)製品ですが、
ガラケーだ何だと書くと、果たしてどんな大昔の事か、と錯覚する昨今ですが。
デジタルの写真データを、何かしらの方法でインスタントフィルムに照射し
(あまり、その辺の具体的な方法は公にはされていないらしい。多分。)、
まるでインスタントカメラで撮影したように、印画紙上に撮影像が現れる。
富士フイルムらしい「デジタルとフィルムの折衷商品」ですが、
発売当時は、かなり売れたらしい、とWikipediaに載っております。
今となっては二束三文なので、去年、試しに一台買ってみたのでした。
何せ赤外線ポートしか受け口がなく、それもガラケーからじゃないとうまく転送できない
(少なくとも、自分のF-05Dからだと、うまく送信できなかった)ので、
印画するには「PhotoshopでVGA程度にリサイズ」「microSDに保存し、白ロムのガラケーに転送」
「ガラケーから赤外線で送信」、という段取りを踏まないといけません。
なかなか面倒ですが、当然ながらインスタントフィルムなので、
印画紙上にジワジワと画が浮かび上がる楽しみがあります。
ここ最近ブログに載せた写真から2枚を、「Pivi」で印刷して、スキャナで読み込んでみました。
比較のため、元の写真を、「Pivi風」の体裁にして並べてあります。
どちらがオリジナルでどちらが「Pivi」で出力したものかは、一目瞭然かと思います。
色味は変わるし、解像感も無くなり、ハイライトやシャドーもどこへやら、
という感じのローファイな品質で出力されます。
それがまた、インスタントらしい雰囲気を出してて良いように思います。
ただ、「Pivi」には大きな問題があります。
フィルム(印画紙)を売ってるところをあまり見なくなった事です。
見た目が同じ「チェキ」とは、互換性がありません。
写真フィルムで言えば「ネガとポジ」の違いだそうで、
もし無理矢理「Pivi」にチェキのフィルムを入れて撮っても、
「ネガ反転した像」が出てきてしまう、と言います。
「チェキ」(Instax Mini)は、このデジタルの世の中にあっても、
非常に好調で、ここ数年は市場が拡大しているそうです。
全盛期越え 「チェキ」復活の軌跡 (R25)
そんな人気に下支えされ、高級志向な新機種が出たのも記憶に新しいです。
こんな調子なので、当然、フィルムの需要も堅調なはずですから、
しばらくは供給に不安がありません。
たいがいのカメラ屋には、チェキのフィルムの在庫があります。
一方、「Pivi」用のフィルムは、新宿あたりの大きなカメラ量販店でも、
フィルム売場の片隅に、チェキの影に隠れてソッと置いてあるだけ。
一度なんか、見つけられなくて買えなかった事もあります。
恐らく、「Pivi」全盛の頃は、ケータイ売場など含め、
潤沢に流通していただろう、と思うんですけどね。
とはいえ、「デジタルからインスタントフィルムに」、というのは、
なかなかおもしろくて、無くすには惜しい存在です。
「Piviを復活させるのは無理でも、チェキを利用したプリンタなら、
作れるんじゃないかなー」などと想像(妄想)しておりました。
そもそも、「Pivi」が出る前は、実際、チェキのフィルムを使った、
「チェキプリンター NP-1」という機械も発売されてましたし。
そういうのを復活させてもおもしろいんじゃ、と思っておりました。
そしたら、本当に、フジが「チェキプリンター」を発売する事になった、
と記事に出ててビックリ!
【CES】新XFレンズやX100Sブラックを出品した富士フイルム (デジカメWatch)
見出しだけみると、チェキプリンターの事など触れられておりませんが、
記事の最後に、申し訳程度ですが、紹介されています。
まさか、スマホなこの時代に、「無線で転送するスマホプリンター」
なんてものが発売されるとは、しかもチェキを利用するものが!
さすが、フィルムとデジタルに強い富士フイルムのやる事です。
惜しむらくは、海外での予価が199ドルという事で、
日本だと2万円前後の価格帯になると思うので、
さすがにそこまで投資できるかなー、という事。
しばらくは「Pivi」で困らないので良いですが、
いずれは「チェキのスマホプリンター」を買えるとおもしろいなー、
と、久しぶりにワクワクさせてもらいました。
*14/1/15追伸:
日本でも、正式に「instax SHARE SP-1」発売が告知されました。
富士フイルム、スマホの写真をプリントできる「チェキ」プリンター (デジカメWatch)
しかし、さすがに「銀写真プリントならでは高画質プリント」は言い過ぎな気がする(笑)
*14/2/28追記:
フジが、Pivi用フィルムの製造販売終了を告知しました。
モバイルプリンター「Pivi」用フィルムの販売が終了 (デジカメwatch)
「スマホ de チェキ」が発売されましたから、
そちらを代替品に、って事でしょうね。
まぁ、当然の流れだと思います。
追加で少々買っておかないとなー。
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コメント
たけぴょん様
レス遅くなりまして失礼しました。
一度、チェキプリンターが無くなってPiviになったのには、
それなりの理由があったのですね。
チェキが流行ってフィルムが安定供給するようになって、
再びチェキに戻ったのはある意味やむを得ない事だったんでしょうが、
時代が時代なら、スマホ対応のPiviも出ただろうに、
と思うと残念ではあります。
昔はノートPCにも赤外線が常備されていましたが、
あれもいつしか姿を消してしまいましたね。
せめてSDカードスロットでもついていれば、
Piviや(昔の)チェキプリンターも、もう少し使いやすかったのに、
と思ってしまいます。
投稿: ごっさん | 2016年6月 5日 (日) 22時04分
検索中よらせていただきました。
今更ですが参考までに記載します。
>何せ赤外線ポートしか受け口がなく、それもガラケーからじゃないとうまく転送できない
自分の機器の場合 XP からの赤外線転送で上手く動作しています。
こんな機器
http://jikken.jp/syasin/pivi/piviIR.JPG
こんな大きさの写真も直接転送できています
http://jikken.jp/syasin/lomokino/lomoin00.jpg
その写真のスキャン。
http://jikken.jp/syasin/pivi/rokokino.JPG
今でも、この機器を使っています。
スマホでチェキはチェキ風にするためソフトで処理しているので解像度がよくありません。
(メーカーも語っています。)
(チェキプリンター、PIVIより悪いです。)
PIVIのフィルムもそろそろ無くなります。
実に残念です。
投稿: たけぴょん | 2016年5月31日 (火) 21時41分
今回の「instax SHARE SP-1」発表を受けて、
「ついに!こういうのを待ってた!」と思う方が多いようで、
初代のチェキプリンター(発売は11年前!)や、
「Pivi」が出ていた頃は、
デジタルからフィルム(インスタント)に、という行為に、
さして興味が持たれなかったというか、必要性を感じる事が無かったというか、
存在そのものを知らない人も多かったようですね。
「Pivi」の最終モデルはUSBプリンタとしても使えるそうなので、
古いのを探すなら、それが良いかもしれません。
じゃないと、印刷するのにガラケーが必要になります(笑)
投稿: ごっさん | 2014年1月16日 (木) 22時55分
これは、とてもためになりました! 全く知りませんでした。
使ってみたいですねー
投稿: MoBlue | 2014年1月16日 (木) 00時52分