いにしえの銘機、キヤノン PowerShot S1 IS
子ども用にお古のコンデジ(Optio SViや、Optio M70)を持たせていましたが、
電池の保ちが悪くなったり、落としてズームの動きが悪くなったりしたので、
じゃあ違うものを、と思って、少し前から「動くジャンクのコンデジ」を探していました。
物を選ばなければいくらでも売ってるんですが、
折角なら、何か「良い物」が欲しい。
良い、とは言っても、クオリティが高い、という意味ではありません。
品質なら、P310やP330で充分堪能していますし、
同じ物をジャンク品に求められるはずもありません。
ブログのネタに丁度いい物、という方が正しいかもしれません(笑)
とはいえ、また落として壊すかもしれないので、高いものだと困ります。
マックス1000円、できれば500円くらいが理想。
当然、「使え」なきゃ意味が無いので、壊れてても困ります。
実は一度、リコー「Caplio RDC-i500」というデジカメを500円で見つけたんですが、
見た目は非常に綺麗だったものの、残念ながら起動せず、エラーを吐いてしまいました。
近未来的な横長スタイルがおもしろかっただけに、残念でなりません。
そんなこんなで、あれでもないこれでもない、と巡り合わせが無かったんですが、
うまく、そんな「無茶な要望」にかなうカメラを見つけました。
ハードオフで見つけたキヤノン「PowerShot S1 IS」です。
今風に言うと「超望遠搭載、一眼レフスタイルのネオ一眼コンデジ」
という事になるでしょうか。
まぁ、ファインダー=EVFの搭載は、当時としては珍しい事ではありませんが。
ズームは、38-380mm(相当)で、光学系にはキヤノンお得意の「IS」(手ブレ補正機構)
も搭載しています。ズームやフォーカスも、キヤノンのEFレンズでお馴染みUSM。
レンズキャップのロゴも、一眼レフと同じデザインを使って統一感をアピールしているように見えます。
300万画素で、長辺が2048ピクセルの画像が得られます。
丁度、facebookにアップできる最大解像度で撮影できる、という事になります。
コンデジやスマホでも、1000万画素超が当たり前の世の中にあっては、
こんな画素数で大丈夫か、と不安になりますが、
実際には、モニタでの鑑賞も、プリントアウトも、特に問題はないと思います。
(今後、PCモニタも4Kクラスが当たり前の時代になると、
さすがにチープさを覚えるようになるかもしれませんが・・・)
とはいえ、広角端で風景を撮ると、さすがに「情報量の少なさ」を実感してしまいます。
望遠だと、画がギュッと詰まってるので、あまり気にならないんですが。
モニターやEVFの品質が、今時のカメラに比べて「著しく」悪いのは、
致し方ないところかと思います。
パッと撮って再生されるプレビューが、実際の写真に比べて「えらくオーバー」に表示されるので、
「果たして露出はあってるのか?」と不安になります。
撮ってプレビューして反省して、という事は、あまりしない方が良いカメラのようです。
実際に撮ってみたのが以下の写真です。
今回は、リサイズ以外は、撮ったままでアップしています。
オートホワイトバランスが、並べて比べるとイマイチ揃ってない印象を受けますが、
個々の写真だけを見ると、そう悪いものでもないな、と思います。
望遠の手ブレ補正は、今時のカメラのようには補正してくれないので、
あまり期待し過ぎず、保険くらいに思ってた方が良さそうです。
(晴天下では、あまり気にしないで良いと思いますが。)
ピントとズームの静かさは、さすがUSM、と小膝を叩きたくなりますが、
ワイド端とテレ端以外は、今が果たして何mmなのか、全く分かりません。
「今は何mm?」と気にしながら撮る人ばかりではないと思いますが、
逆に、日頃気にしている人間には、さてどうしたものか、と悩んでしまうポイントです。
実際に手にしてみて、おもしろいな、と思った事の1つは、
このカメラには、EVF近くに「録画ボタン」(赤い点のボタン)がある点をあげられます。
当時のレビューを読むと、「このボタンの意味が分からないので説明書を読んだ」
とありましてビックリしました。確かに、当時は「コンデジで動画を撮る」なんて、
ただのオマケ程度の事で、真面目に機能として使う、という人は少なかったろうと思います。
こうして「簡単に録画できますよ」と説明したところで、
果たしてどの程度の人が関心をしめした事でしょう。
このカメラの数年後に、民生機でもHDで撮れるのが当たり前になってきてから、
背面の赤いボタン=録画ボタン、という認知が広がりつつあるかな?、と思いますが、
まさに、そんな「今時の常識」を先駆けしたカメラだったんだな、と分かります。
とまぁ、10年前のコンデジを、真面目に試写して、レビューを書いても仕方がありませんが、
今時のカメラに慣れてから、デジカメ黎明期に遡ってみると、
まだ技術革新が充分じゃない当時でも、少しでも良いものを、少しでも便利なものを、
少しでも使いやすいものを、と工夫し、努力していたのが分かります。
そんな時代のカメラの方が、むしろ、「より完成された」今時のカメラより、
不思議と魅力的だったり、「いい写真が撮れそう」という気にさせてくれるのは、
決して思い違いではないように思います。
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