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2016年3月31日 (木)

FP-100Cの「ネガ化」

160321_01_nega

160321_02_nega

160321_05_nega

前回、富士フイルムのピールアパート(剥離式)のインスタントフィルム、
FP-100Cの写真をアップしましたが、
同じ構図の写真なのに、随分雰囲気が違います。

色は薄く、解像感はこちらの方が圧倒的に高い。

これ、実は、FP-100Cの「ネガ」をスキャンした画像です。

そもそもピールアパートタイプのインスタントフィルムは、
カメラからフィルムを引き抜き、数分して現像が済み、
フィルムから印画紙を「ペリペリ」と剥ぎ取れば、
印画紙じゃない方は「ゴミ」として捨てられる運命にあります。

Dsc_1223

この、一見真っ黒いゴミのようなものが、
実は、「ネガ」そのものだったりするわけです。

ネガの作り方は次回書こうと思ってますが
(そもそも、ネットで集めた情報ではあるのですが。
しかも、もう生産をやめて過去の物になろうとしているフィルム…。)、
FP-100C「本来」の画像である印画紙と、
ゴミから作ったネガからスキャンした画像を並べると、
解像感の違いが一目瞭然です。

160321_05_sample

ネガの方は、かなり小さい文字までしっかり解像しています
(撮影したのがRB67なので、
それだけSekorが優秀である、という理由もあります)

色が薄いのは、これは本来のネガとは存在価値?が少し違う事が理由、
すなわち設計上の意図的な理由によるのかな、と考えています。

ピールアパートでは、シャッターを切った際はフィルムにだけ露光されます。
その後、紙を持ってビーッと引き出す際に、
印画紙とあわさり、かつ、間に現像液が付着する事で、
現像が開始され、フィルムに「画」が出現します。
その現像過程で、フィルムに定着せずに溶け出した色素が、
印画紙側に反応をもたらして「画」になる、
というのが仕組みだろうと理解しています。

印画紙側にしっかり色をもたらすためには、
フィルムにあまり色が残らないでしっかり溶け出してくれる方が、
いい色のプリントになるのは自明の事と思います。
なので、確かに、色は印画紙の方が濃く、いい色が出ています。

でも、本来捨てられるべき運命にあったネガには、
圧倒的に多い情報が含まれているのも確かで、
作業してネガ化しておくのも、決して無駄ではないと思います。

くどいようですが、FP-100Cは風前の灯火のようなフィルムなので、
あまり力説しても仕方ないのですが…。

詳しい作業の仕方は、次回書こうと思います。

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