Nikon1 J5を1型撮像管レンズ用に購入する
キヤノンの「1型(1インチ)撮像管」用のCマウントレンズ、
「Canon TV Zoom V10x15 (15-150mm F2.8)」については、
2019年のエントリーで取り上げた事があります。
なかなか良い写りのレンズで気に入りましたが、
いかんせんマイクロフォーサーズのGX7との組み合わせでは、
画面周辺まで像が来なかったりするなど、
ベストな組み合わせとは言えませんでした。
レンズが1型用ならカメラも1型センサーがいいに決まっている、
となると選択肢はニコンの「Nikon 1」しかありません。
2011年にニコンが放った新しいミラーレスのシステム「Nikon 1」は、
1型(1インチ)のセンサーを採用した意欲的なものでしたが、
世の中に受け入れられる事はなく、
2015年に発売された「J5」を最後にシリーズ終了。
会社そのものもかなり傾いて危うい状況になりましたが、
その後、ニコンはフルサイズ/APS-Cのミラーレスシステム、
「Z」を世に送り出し、すっかり息を吹き返したようです。
今じゃ「Nikon 1?そういやそんなのあったっけ」
と記憶にすら残らない存在になりつつありますが、
おかげで中古市場価格も暴落気味。
最終モデルの「J5」は裏面照射型で2000万画素と、
非常に高画質が期待できるものでしたが、
標準レンズ付きで2万円少々で見つける事が出来ました。
細かい事はまたいずれ機会をみて書こうと思いますが、
本日はそのJ5にV10x15を組み合わせのて試写を敢行しました。
Nikon 1 J5、本当に小さいボディでビックリです。
V10x15との組み合わせはなかなかの違和感です。
Nikon 1にマウントアダプターを組み合わせて撮影をするのは、
実に骨が折れる事をご存じの方も多いと思います。
J5の写真モードの場合、
レンズの絞りや本体のシャッター速度を調整しても、
液晶の明るさは常にオートで「適正値」を表示するので、
表示されている明るさで露出を合わせる事ができません
(幸い、動画モードだと明るさが変動するので調整が可能です)。
また、NEXやLumixやFuji Xなら、ピントを正確に合わせようと思うと、
どこかボタンの1つでも押せば中心部が拡大してくれますが、
Nikon 1ではそのような親切な機能はありません
(純正レンズとの組み合わせならできるんですが)。
なのでピントが合っているかどうかをしっかり確認しようと思うと、
実際に写真を撮って、再生してから拡大表示する、
という一手間が必要になります。実にめんどくさい!
なので、↑こんな無駄なカットを撮らないといけなくなります。
そんな事で、J5とV10x15の組み合わせは、
さすがに「手持ちで写真を撮る」には全く不向き、という事になります。
ただ、そもそもJ5は「動画」用に購入したつもりなので、
三脚に設置し、事前にピントと露出をあわせておくような撮り方なら、
あまり問題無く使用する事ができます。
てな事で、中央線の浅川橋梁まで出向き試写を敢行。
実際に撮影した動画を編集しYouTubeにアップしました。
E233系の合間に、回送の211系やEH200なども撮影できました。
209系が来なかったのは残念!
撮っている時点から、「お、いいじゃん、これ」と好感触。
拡大できないピント合わせも、
小さい液晶をジーッとよく見ながらじっくり合わせると、
案外「山」が見えるもので、ちゃんと合わせる事ができました。
このレンズ、前にGX7との組み合わせで、
画面右側の像が乱れるな、と思いましたが、
その後改めてバラして組み直したりしたものの、
今回の試写でもその傾向を見ることが出来ました。
残念ながら、このレンズの「片ボケ」は改善しないようなので、
その前提で(目立たないように)撮影するしかなさそうです。
とはいえ、撮像管時代の古いレンズですが、
2000万画素のCMOSで写真を撮ってもちゃんと解像度が出る、
しっかりした作りのもので満足しております。
また、Nikon1 J5も、いろいろかゆい所に手が届かない不満はありつつ、
肝心の「写り」については非常に素晴らしく、
Nikon 1システムの底力を充分に感じさせるものでした
(それだけに、ニコンはいいものを無駄にしちゃったんだなぁ、
という残念な気持ちも湧いてきます)。
V10x15との組み合わせはクセがありますが、
標準ズームだとコンデジのように気楽に使う事が出来ます。
なかなか良い買物が出来ました。
最近のコメント