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2022年11月

2022年11月20日 (日)

「すずめの戸締まり」に出てきたあの場所3選

公開が予告されてから、初日に仕事を休んで観に行くと心に決め、
その日が来るのを日一日と待ち望んでいた「すずめの戸締まり」。
しかし、いよいよ後一週間、というところで、
急病のため救急搬送&入院と相成り、
いの一番での鑑賞を断念せざるをえませんでした。
入院していた病室の目の前に映画館があって、
徒歩数分で観に行く事が出来る距離だと言うのに…。
一週間の入院後も毎日の通院治療があり、
そちらがようやく落ち着いたのを見計らい、
何を差し置いても映画館に行きました。
もはや、新海誠の映画の、ちょっとした依存症?のような体になっています。

今回は映画の感想を書くためのエントリーではありませんが、
一言で言って、監督の尋常ならざる覚悟がビシバシと伝わってくる…、
いや、突き刺さってくる映画でした。
「君の名は。」や「天気の子」ではオブラートに包まれていたテーマに、
真正面から向き合って、ド直球でスクリーンから飛んできてグサッと刺さる、
そんな強い意志を感じさせられました。
もう、新海監督次の作品作れないんじゃないの?と心配になる程です。

過去日本で作られたアニメ作品のオマージュがあちこちに、
なんて記事をネットでみました。
その記事を読んだのは鑑賞後でしたが、
カラスがアップで描写されるシーンが、
「パトレイバー The Moive」…「2 The Movie」だったかな?、
のワンシーンがフラッシュバックしてきました。

さて、今作では、映画上映に先立ち、
先にノベライズ(小説)版が発売される、という新しい試みがありました。
もちろん、こちらも発売日当日に本屋へ走り購入、
その日のうちから読み始めておりましたので、
映画を観る前からストーリーは頭に入っていました。
宮崎から話しが始まり、その後愛媛、神戸、東京…、
と舞台を移していく事も、
途中、淡路道を車で通る事も分かっていましたので、
果たして徳島はアニメではどんな風に描写されるのかな?、
と楽しみにしていました。

そして、実際に映画を観て「あっ!」と思う所が3箇所ほどありました。
なぜなら、そこは以前に撮影のために足を運んだ事があった場所だったからです。

そういえば、「天気の子」を公開初日に鑑賞に行ったのは新宿TOHOシネマズでしたが、
劇中、その劇場の目の前を主人公が走って行くシーンがあって、
「え、そこを走ってる!?」と、アニメの中の事が現実の出来事のような、
不思議な錯覚を覚えた事を今でも鮮明に覚えています。
まさか今回はそこまでの没入感を覚えるタイミングはないだろう、と思っていたので、
全く不意を突かれてしまいました。

まず最初は、フェリーで愛媛に渡った鈴芽が、
ダイジンを探し求めて予讃線のキハ54に乗って移動するシーン。
鉄橋を渡るときに背後にお城が見えます。
ここは、伊予大須駅の近く、大須城をバックに肱川を渡るところです。
2008年、兄と一緒にキハ58・65を撮影に行った場所でした。

Imgp1602
PENTAX K10D
COSINA Voigtlander ULTRON 40mm F2 AL ASPHERICAL
1/640秒 F5.6 (ISO400)
JR予讃線 伊予大洲-西大洲間
2008年9月20日

撮影したのは川の東側の河川敷だったんだろうと思いますが、
映画では、角度的に西側から見た景色だったんだろうな、と思います。
四国のキハがリアルに描かれていただけでも感激でしたが、
撮影した事のある場所が描かれていて大変驚き、声が出そうになりました。

次いで、愛媛から神戸に車で移動するシーン。
鉄橋と平行する高速道路の走行する様子をドローンで空撮している、
という体裁の映像ですが、ここは、土讃線の吉野川橋梁です。

910405_16
Canon EOS630QD
SIGMA 28-70mm F3.5-4.5
Fujichrome100 (RD)
土讃線 佃-箸蔵間
1991年4月5日
※デュープ機材
FUJIFILM X-T10
Canon New FD50mm F3.5 Macro

この写真は、箸蔵駅から俯瞰で撮影していますが、
実際にドローンが飛んでいたのは写真の奥の方になります。

「ん?高速道路が見当たらないようだが?」と思われるかもしれません。
この写真は31年前、まだ高速道路が出来る前のことだからです。
あの風光明媚な景色に、高速道路が出来て残念だな、と思っていましたが、
今回こういう形で映画に登場して、またまた驚いてしまいました。

そして3つめ。今度は四国を離れて関東です。

神戸でのミッション?を終えて、新幹線で東京に向かう鈴芽。
富士山を見損ねた!と嘆いているシーンのあたりで、
新幹線と、東海道線の185系が併走する場面があります。
(映画は「あの地震」の12年後、とセリフにあったと思うので、
すると2023年が舞台?となると185系「踊り子」は既に引退していますが、
そこは新海監督のサービス演出だろう、と思いますし、
アニメの中であっても185系の元気な姿を見られたので感激しました。)

そして、この「185系と新幹線」の併走シーンを、
実際に撮影しておりました!

201231_05
Mamiya RB67 Professional S
Mamiya Sekor C 90mm F3.8
1/400秒 F5.6
Kodak EKTAR100
東海道本線 早川-根府川間
2020年12月31日

映画では、もっと南の方からの俯瞰で描写されておりましたが
(何度も足を運んだところなので、立ち位置もだいたい分かります)、
いくら新幹線は数分おきにビュンビュン走るとはいえ、
185系と並ぶ事はそう機会は多くなかったはずです。
それを、「一撃必中」のRB67で撮影できたのは奇跡的でした。

去りゆく185系を収めるため、と何度も足を運んだ馴染み深い玉川橋梁の景色、
3度目のまさかともなると、もう自分のために描いてくれたシーンなのでは、
という気持ちさえしてくるほどでした。

他にも、東京でのシーンは思い当たる場所がいくつもありましたし、
冒頭の宮崎のシーンは、小説版を読んでいた時に、
2021年に出張で宮崎に行き、
青島から南の方の海岸沿いを車で走らせた時の記憶が、
生々しく思い出されました。
アニメでありながら現実の景色が思い出され、
実際に足を運んだ記憶が鮮明に思い出される新海監督作品の魅力に、
今回も強い親近感と現実感を思わずにはいられませんでした。

お茶の水の、草太が住んでいたアパートの辺りも、
きっとあの辺りだろうな、と想像がつきます。
あえて聖地の検索?をせず、ブラブラと探しに行ってみようかな、
と思っているところです。

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