※今回の写真は全て、
Olympus PEN EES-2
Fujicolor100
2022年7月18日
※デュープ機材
Fujifilm X-T10
Canon New FD50mm F3.5 Macro
金沢出張の帰路、
普段だと新幹線で一直線に帰京するところですが、
時間に余裕があったので、
糸魚川で455系・413系を少々撮影し(それはまた改めて)、
その後、大糸線で南小谷(みなみおたり)へ抜け、
東京までの最長の「あずさ」に乗り換えて帰京、というルートを選びました。
最近、「車に乗って撮影地に向かう」という、
鉄道会社の売上にまったく貢献しない鉄道ファンをしてましたので、
しばらくぶりのちゃんとした「乗り鉄」を堪能できました
(3時間超の「あずさ」はさすがに疲れましたが。苦笑)
さて、期せずして大糸線完乗を1日で達成する事と相成ったわけですが、
ここ最近、その大糸線の廃線を匂わせるようなニュースが聞こえてきております。
赤字ローカル線『大糸線の存続』に提言「糸魚川市には大変厳しい…」
JR東日本、大糸線南小谷駅まで営業係数8,358 - JR西日本区間上回る
大糸線は長野県の松本から、新潟県の糸魚川までを結んでいる路線ですが、
途中、南小谷を境として、南がJR東日本管轄の電化区間、
北がJR西日本管轄の非電化区間と分かれており、
相互直通列車もないので、実質的に別路線として運営されています。
今回はまず糸魚川駅から南小谷行きのキハ120形ディーゼルカー単コロに乗車。
「糸魚川静岡構造線」(糸静線)沿いの姫川に沿ってのんびりとした鈍行の旅でした。
終点の南小谷に到着すると、既に新宿行きのE353系「あずさ」が待機しており、
また長野行きの快速「リゾートビューふるさと」号のHB-E300系も停泊しておりました。
西日本の単コロのディーゼルカーを降りると新宿駅直通の9両編成の特急が待ち構えている、
という様子がなかなかエモく感じられました。
ところで、糸魚川から乗ったディーゼルカー単コロは、
座席はほぼ埋まる程で割と盛況な印象でした
(座席定員は49名らしいので、約40名といったところでしょうか)。
その多くは、いかにも「登山客」です、という身なりの方ばかりで、
驚いた事に、発車待ちのウテシさんが、
そんな登山客の方に気易く声をかけて話しをされていました。
四国の田舎に育った人間ではありますが、
いくらローカル線でもウテシさんがお客さんに話しかける、
という様子は見たことがありません。
しかし、登山客の皆さんは特に驚く様子もなく、
いつもの事、という感じで和気藹々と話しをされていました。
その後、南小谷に向けて約1時間の運用ですが、
途中駅での乗り降りはほとんどなく、
ほぼ全ての方が終点の南小谷に向かっているんだろうな、と思われました。
正直、山登りの趣味は皆無なので、
こういった路線で山に向かう方の存在を全く知りませんでしたが、
南小谷駅には、逆にこれから列車に乗って帰ろうか、
という方も結構いらっしゃいました。
大糸線は登山客の皆さんには重要な路線なんだろうな、
と感じられました。
数十分の待ち時間で駅近辺をうろうろした後で、
今度は新宿行きの特急「あずさ46号」に乗車しました。
1日1往復の南小谷発着「あずさ」は、
南小谷を出るとすぐ白馬に到着。
その後いくつかの駅に停まる度にお客さんは増えていき、
松本に着く頃にはほぼ座席が埋まりました。
その後は立ち席自由席のお客様がドンドンと乗り込み、
車内販売が立ち往生?してるとアナウンスが入る程で、
信州方面から「あずさ」で帰京する人はこんなにいるんだなぁ、
と感心しました。(ちなみに「あずさ」も初乗車でした。
鉄ちゃんとしてはあるまじき…苦笑)
三連休最終日という特異日ではありましたが、
大糸線は割と盛況な路線だな、と感じたところへ、
冒頭の通り廃線の議論がなされている、と知りました。
なので、正直「なんで?」と感じました。
この路線のポテンシャルを生かせてないから儲かってないんじゃないか、
と感じたからです。
たった一度乗車しただけの大糸線ではありますが、
活性化させる方法を少しばかり考えてみました。
これで一気に売上倍増で赤字路線を脱却、
なんて虫の良い話しではありませんが、
一つのアイデアとして提案させて頂きたい次第です。
鍵となるのは糸魚川駅だと思います。
ここには北陸新幹線が停車します。
最速の「かがやき」は停車しませんが、
「はくたか」であっても東京駅から約2時間ほど。
弁当食べて軽く一眠りすると、もう間もなく糸魚川、
という程度の時間で辿り着く事が出来ます。
糸魚川からは、姫川沿いの素晴らしいロケーションを南下します。
この美しい景色をもっと生かす事もできると思います。
JR西日本と東日本の境目が南小谷駅である事もあり、
全ての列車は南小谷が終点です。
しかし、ここから少し南に足を伸ばすと、
別荘地や登山やスキーで有名(らしい。詳しくは知らない。笑)な白馬の駅です。
白馬から更に南下すると、
青木湖や木崎湖の湖畔を走ります。
ここがまた風光明媚な区間でした。
そうこうすると平地(盆地)に降りて、
大糸線の名前の由来である信濃大町駅に達します
(大町-糸魚川の路線なので大糸線)。
この、綺麗な景色を堪能でき、
登山やキャンプなどを楽しむ事ができるこの区間に、
観光急行的なものを走らせる事ができないでしょうか?
南小谷より北を走るので、当然ディーゼルカーになります。
今時のSDGsな時代なら、
最先端のハイブリッド気動車や蓄電池電車でもいいかもしれません。
糸魚川や南小谷以南は電化区間なので、
そこで充電する事ができるでしょう。
観光列車として魅力有る車両である必要がありますので、
デザインにも拘るべきです。
となると水戸岡さんでしょうか?九州の列車みたいになりそうですが(笑)
区間は糸魚川-大町間に限定します。
糸魚川までは新幹線で速達してくる事を前提として、
可能であれば乗り換えに適した「かがやき」を糸魚川停車とする。
間もなく金沢-敦賀が開通する事を念頭に置くと、
下りだけではなく上りの新幹線からの乗り換えも便利なダイヤである事が望ましいでしょう。
(そう、23年末になると、関西から糸魚川方面への移動も、
今よりぐっと短く、身近になる事を忘れてはいけません。)
観光急行とはいいつつ、
景色を堪能して欲しいので表定速度は30km/h程度のノロノロ運転で。
できれば窓はなくて開放にするか、
せめて大きなガラスで景色をたっぷり堪能できる方がいいでしょう。
両数は2両で充分でしょうが、
登山客が多い事を考えれば、
荷物置き場は潤沢に用意してある方が望ましいと思います。
弁当やお酒を売る売店か車内販売もある方がいいでしょう。
(ビールを飲みながら車窓を堪能するのは格別だそうです。
下戸なので気持ちは分かりませんが。笑)
南小谷まではノンストップで、
そこから南は、現在の「あずさ」は白馬を出ると信濃大町までノンストップですが、
観光急行であれば、途中駅の近くにキャンプ場などがあるようなら、
その駅にも停まるように設定する方がいいと思います。
登山客の多くは休日に山へ向かうのでしょうか?
でもリタイアされた方が平日に山登りに、
という事もあるかもしれませんし、
それなら平日も1往復程度は走らせてもいいかもしれません。
休日なら3往復くらいでしょうか?
夜に現地入りして民宿で泊まってから朝に登山へ、
という方もいらっしゃるでしょうから、
運行は朝・昼・晩と幅広い時間に運行する方がいいでしょう。
大糸線の北部は、日常の足である事はこの際あきらめ?て、
風光明媚な景色や、登山、スキーなどのお客様を楽しむための路線、
と割り切った運用をするべきでは、と考えます。
この計画で問題になると考えられる事は、
大糸線の南小谷以北は冬場豪雪地帯のため、
年によっては長期の運行停止に追い込まれる可能性がある事。
そして、最大の難関?はやはり、
JR東日本と西日本で運行会社が分かれている事です。
東日本としては、新宿からの「あずさ」の客を奪われる可能性あり、
こういう計画に積極的に乗ってくるとは思えません。
でも、北陸新幹線を運用している会社でもありますし、
これを気に「あずさ」の大糸線乗り入れをやめる事ができるなら、
逆に経費節減になって良いのでは?とも思えます。
(正直、3時間超の「あずさ」の旅は結構しんどかったので)
たった一度乗車したばかりの大糸線、
個人的にはとても魅力的な路線だと思いました。
こんな思いつきが実現するとも思えませんが、
「赤字なので廃止します」といった単純な話しで終わる事無く、
価値ある路線の魅力を未来に渡って継続して欲しい、と願うばかりです。
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