写真

2020年8月 9日 (日)

いすみ鉄道、夏2020 ~(番外篇1)ネオワイズ彗星は遠くなりにけり

せっかく都会を離れて千葉の山奥に行き、
しかも梅雨が明けて空は快晴、となれば、
7月中毎日夜空を見上げながら
「あぁ、今日も彗星は見えず」
と落胆していた借りを返すべく、
夜空にレンズを向けてみました。

月が明るい夜でしたが、
東京ではとても拝めないような満天の星空で、
これならば、と期待に胸が膨らみます。

しかし、天体アプリを頼りに、あの辺りに彗星がいるはず、
という方向を見上げてもそれらしい星を見つける事ができず。
おかしいなぁ、と思いつつも、
目で見えなくても写真には写る、という話しもありましたので、
何はともあれ何枚か撮って液晶でチェック。
どこかに写ってるはずなんだけどなぁ、とジロジロ見ていると…

Img4347_raw
PENTAX K-50
SMC PENTAX-M 35mm F2
10秒 F2.8 (ISO800)
2020年8月1日

あれ?あの緑色の、少しボヤーッとしたような星は…
(※下の方、真ん中よりちょっと左)

実は徳島でかろうじて彗星を撮影できた、
という兄にプレビューを見せると、「間違いない」。

別カットを拡大してみます。

Img4348_raw
PENTAX K-50
SMC PENTAX-M 35mm F2
6秒 F2.8 (ISO1600)
2020年8月1日

ホウキは、ほとんど見えません(泣)

彗星が見られるのは7月中でしょう、
って話しでしたが、実際こんなに小さくなっていたとは…。

かろうじて撮影できたものの、
もっと立派な彗星写真を撮りたかったなぁ、
とあの連日の雨模様だった7月を呪うばかりでした。

※その昔、「百武彗星」と「ヘール・ボップ彗星」
を撮影した時の写真を、過去のエントリーにアップしております。

またあんな立派な大彗星を撮影したいなぁ。

| | コメント (0)

2020年5月29日 (金)

ノベライズ「言の葉の庭」の、目に見えるような景色

180522_13
Canon P (Poupulaire)
LZOS Jupiter-12 35mm F2.8
Fotokemika efke KB25
2018年5月22日

「君の名は。」で新海誠の世界に一気に引きずり込まれてから、
過去の作品も一通り目を通してみた。
もちろん、一目見て全てに惚れ込んだ「君の名は。」も好きだし、
青春の甘酸っぱさや男の弱さをさらけ出す「秒速5センチメートル」も好きだけど、
今の所、新海誠作品で一番好きなのは「言の葉の庭」だと言っておきたい。
(本文改訂時点で既に「天気の子」も観たけど、
それでもやはり、「言の葉の庭」は新海誠作品で一番好きな映画だ。)

靴職人を目指す高校生タカオと、
同じ高校で古典の教師をしているものの、
心に傷を負い学校に行くことの出来ないユキノ。
雨降る日の公園の東屋でしか出会わない、
そんな二人の淡い恋の物語…

現実世界では許され無さそうな二人の関係も、
新海誠が描く、果たして現実なのか空想なのか、
分からなくなるような映像世界の中だと純粋で汚れ無いものに思え、
そしてなぜか自分自身の過去に戻ったような感覚さえ覚えるのが不思議でもある。
そんな経験はなかったはずだし、理想も持ち合わせてなかった…はず、なんだけど。

映画は僅か45分ほどの短編だけど、新海誠本人のノベライズ版は、
映画ではワンカットしか出てこないような端役のキャラも含めて詳細に語られていて、
タカオとユキノの世界で起きている出来事を事細かく描写している。
アニメを観てからノベライズを読むと世界が広がるし、
ノベライズを読んでからアニメを観ると、
アニメにはなっていない部分も脳内で勝手にアニメ化されて再生される。
「言の葉の庭」を少しでも好きになった人は、
ノベライズ版にも目を通しておく方が絶対にいい。

例えば、映画では一切触れられていない中学生時代のタカオの回想シーンも、
小説版では細かく描写されている。
特に印象的なのは序盤、年上の女友達だったミホと二人で明治神宮へ行く場面、
代々木のドコモビルが見える、と書かれている一文がある。

これを読んだ時、まさに頭の中には、この写真の光景が蘇ってきた。
あぁ、あの場所でタカオとミホは…と。
アニメの中で現実世界との境目を曖昧にする新海誠だけど、
まさか文字だけのノベライズでも、
まるで目の前に本当の景色が見えているか、あるいはアニメを観ているのか、
と勘違いを起こしそうな程、はっきりとした情景を描く事に成功している。

都会の喧噪を離れ、木々に囲まれ鳥のさえずりの中で時が止まったような明治神宮…の彼方に、
実に異質にそびえ立つドコモの電波塔。
ここは、参道から本殿に辿り着き、その抜けた先という立地。
現実を忘れて全てが浄化されたような気持ちでこの場所に辿り着いた時、
ふいにあのビルが姿を現すと、
強制的に現実世界に引き戻されてしまうような戸惑いを覚える。

現実と非現実が混ざり合わずに存在しているこの場所は、
リアルとアニメの境目を飛び越えていくような錯覚を覚える新海誠作品の、
特徴そのものが具現化された場所であるように思えなくも無い。

そして、現実の東京の(しかも新宿近辺の)景色をうまく作品に盛り込む新海誠の、
映画にはなってない、だけど非常に印象に残るそんな一コマ。
頭の中ではかなり明確に描写されたワンシーンを、
レンズ越しに写真にしたくなり、この場所までやってきたのでした。

※2年前、facebookに投稿していた記事を加筆修正し、転載しました。

| | コメント (0)

2020年5月27日 (水)

「氷の世界」と「秒速5センチメートル」

180522_11
Canon P (Poupulaire)
LZOS Jupiter-12 35mm F2.8
Fotokemika efke KB25
小田急 参宮橋-代々木八幡間
2018年5月22日

新海誠の初期の名作「秒速5センチメートル」の物語は、
小田急参宮橋駅近くの踏切で始まり、17年後の同じ踏切で終わる。

「秒速」の世界では、この踏切の元に立派な桜の木があって、
「花びらの落ちる速度は秒速5センチメートル」と、
まだ小学生だったアカリがタカキに教える。
17年後、タカキは同じ踏切でアカリ(と思われる女性)とすれ違い、振り返る。
だけど、通り過ぎた電車の向こうに、人影はない。

アニメを観て、そしてノベライズも読み通した後、
ひょっとして「秒速5センチメートル」という表題には、
「サクラ、チル」の意味にも掛けられていたんだろうか、と想像された。
だとしたら、物語の始まりから結末は暗示されていたのかもしれない。

ところで、踏切と通り過ぎる電車、そして恋人、というシチュエーションから、
自然と、井上陽水のアルバム「氷の世界」の事が思い出された。

1曲目「あかずの踏切」では恋人に会いたいのに踏切があかず、
じらされ、早く早くと前のめりな気持ちが溢れ出ているようなのに、
6曲目の「白い一日」(作詞は小椋桂)では対照的に、
遮断機があがって振り向いた君はもうオトナの顔をしている、
と悲しげで悲壮感を漂わせて歌う。
まるで、第1話(中1)のタカキと、第3話(オトナ)のタカキを見比べるかのようだ。

そして、3曲目の「帰れない二人」(忌野清志郎との合作)では、
街は眠りにつき、星も帰ろうとしているのに、
手と手のぬくもりで互いの気持ちを感じる二人が歌われている。
これも、雪で帰れなくなったタカキとアカリが、
雪明かりに浮かぶサクラの木の下で口づけを交わし、
互いのぬくもりで一晩を共にするシーンが不思議とオーバーラップする。

作られた時代もストーリー性も全く異なる「秒速」と「氷の世界」。
きっと、新海監督は「氷の世界」から微塵もインスピレーションを受けてないだろう、
と想像されるけど、おかしなもので、
「氷の世界」の歌詞カードを読みながら「秒速」の事を考えると、
いろいろな場面が脳内で勝手にシンクロし、思いがけず世界が広がっていくのが面白い。

アニメを観てノベライズを読んだら、
居ても立っても居られなくなり、カメラを持ってあの踏切に行ってみた。
とても新海誠の色彩感を再現する事は出来ないだろうからと思い、
白黒フィルムをカメラに詰めた。失われた色彩は脳内で蘇らせる事にして。

目の前の電車が通り過ぎた時、
遮断機の向こうにあの人が立っているんじゃなかろうか…、
そんなセンチメンタルな感情を抱くことを少なからず期待していたけれど、
いざ現場に立ってみるとそんな事を考える隙もなく、
ただ「ちゃんと頭がフレームに入るように」と、
レリーズを切る瞬間の指先にしか神経を集中する事が出来なかった。

得てして、写真を撮るとはそういう事だったりする。

※2年前、facebookに投稿していた記事を加筆修正し、転載しました。

| | コメント (0)

2020年4月23日 (木)

さらば、ピールアパート 【撮影&現像、一部始終動画】

4/17の投稿で写真を投稿したように、
先日のいすみ鉄道撮影の折り、
RB67のポラバックに入ったままになっていた、
富士フイルムのピールアパート式インスタントフィルム
「FP-100C SILK」の撮り納めをしました。

そのラストカット撮影時、
すぐ傍らにGX7を設置し、
その一部始終を動画に収めておきました。

もう二度と体験する事のできない「撮影&現像」の儀式、
せめて動画に収めて後世に残しておきたい、と思いまして。

長い写真人生の中でも、
インスタントフィルムとの出会いは割と最近の事で、
8年前の2012年に久留里線撮影に行った時の写真が記録にあります。

その頃には既に本家ポラロイドは撤退してましたので、
富士フイルムの互換フィルム「FP-100B」「FP-400B」
などを買って楽しんでましたが
小田急下北沢駅の地上ホーム最終日を白黒で撮影しました)、
徐々にラインナップが減っていき、
そして最後の砦だった「FP-100C」が2016年に生産終了。

ネガフィルムともデジカメとも違う、
そして「チェキ」とも全く違うピールアパート独特の風合いを、
もう新たに体験する事が出来ないかと思うと残念でなりません。

無理な願いではありつつも、
またピールアパートで撮影できる日が来ることを夢見て。

| | コメント (0)

2020年3月26日 (木)

鯨の背骨

Dsc_1210_so02k
SONY Xperia XZ1 Compact (SO-02K)
東京メトロ銀座線 渋谷駅
2020年1月17日
(Photoshopでレタッチ)

| | コメント (0)

2019年8月30日 (金)

旧信越本線「めがね橋」の橋上から幻影を見る

家族旅行で軽井沢、草津温泉方面に向かう道すがら、
かつて信越本線が66.7パーミルの勾配を登った碓氷峠、
その旧線の痕跡である通称「めがね橋」に足を運びました。

当初は「下から見上げる事が出来れば」というつもりでしたが、
調べてみると、最近は遊歩道として整備されている、という事なので、
熊ノ平駅(跡)近くの駐車場に車を停めて、
少しばかりの散策を楽しみました。

※写真は全て、
Panasonic Lumix DMC-GX7
Lumix G Vario HD 14-140mm F4.0-5.8 ASPH. H-VSO14140

「熊ノ平駐車場」道向かいの階段を登ると、
そこに、旧熊ノ平駅(信号所)の跡が残っています。

来てみて驚いたのは、
1997年の北陸新幹線開通・信越本線横川-軽井沢間の廃止から22年、
まだ線路や架線など、ほぼ当時のまま残っていた事です。

1060171

「まるで、今にも列車が走ってきそうな」とはありふれた例えですが、
そんな言葉が自然と脳裏をよぎらざるをえない光景が目の前に広がり、
一瞬にして「異空間」の中に連れ込まれたような不思議な感覚を覚えました。

1060176

左に2つ見えるトンネルは、1963年に開通した新線。
右に見える少し小さいトンネルが、
アプト式の旧線。遊歩道はこちらに整備されています。
(更に右、木に隠れているところに、
入れ替え用のトンネルもあります。
貫通しておらず、あくまで入れ替え用。)

1060223

レンガで装飾された明治時代のトンネル。
立派な作りですが、歩いてみると、
時々上から「ポタッ、ポタッ」と水しずくが。
そのため、足下はぬかるみ、
うっかりすると滑ってこけてしまいそうな有様でした。

1060183

「あれ?出口じゃ無いのに光が差してる」と思ったら、
天井や壁面に穴が開いている所が何箇所か。
てっきり崩れたのかと思いましたが、
しっかり装飾された穴なので、
排気のために開けられたものだろうな、と推察。
一本垂れ下がる草の茎が、
どことなくラピュタ感を醸し出しています。

1060184

柔らかな光差し込む開口部から、
緑美しい山並みを眺めるのも、おつなものです。

1060213

ところどころにある、退避用?のくぼみ。
明治時代、手彫りで掘ったトンネルなんだな、
という事が分かる、荒削りな岩盤が印象的です。

そんな調子でいくつかのトンネルを抜けると、
いよいよ、一番の名物「めがね橋」です。

1060203

写真では何度も見てた有名な橋ですが、
実際この目で見ると、その迫力は想像を絶するもので、
碓氷峠の名所としてたくさんの人が訪れるのも当然だな、
と納得のスケール感でした。

1060197

1060199

土から作ったレンガを用いた橋ですから、
緑に囲まれても不思議と違和感を感じず、風景に溶け込んでいます。

さて、この「めがね橋」の真ん中から、
山の方を見てみると、そこには、
コンクリートで出来た真新しい橋を臨む事が出来ます。
「熊ノ平駅」からトンネルに入った信越本線の新線は、
アプト式の旧線から離れて、あんな遠くを走っているわけです。

1060190

ズームレンズを押したり引いたり、
またカメラを縦にしたり横にしたりして、構図を決めます。
空を大きく入れるか、でも今日は曇っているから、
手前の緑をメインに距離感を出して見ようか。
と、あれこれ悩んだ末に、

1060195

よし、構図はこれで決まり!
後は、ロクサンを補機につけた189系「あさま」が来るのを待つばかり…

と、ついつい「鉄」な行動をひとしきりし終えてから
「あ、そうだった!」
ついさっきも書いたばかりです。
あの新線は、22年前、1997年に廃線になっています。
待てど暮らせど、189系が峠を下っていく事はありません。

それでも、ついこの場に陣地を構えて、
その時が来るまでジッと待っていたい、
思わず「撮り鉄」の衝動に駆られる瞬間でした。

実は、このブログを書きながらいろいろ調べてましたら、
この新線、線路も架線もほぼそのままなのは、
再び電車を走らせよう、という構想があるからだそう。
だとしたら、この「めがね橋」からの構図で、
あの走る列車を撮れる日が来る事も、
あながち夢、幻とは言えないのかもしれません。

実は頓挫しているらしい、という計画に思いを馳せつつ、
目的の「めがね橋」より、あのコンクリートの橋が忘れられない体験だった、
旧信越線散策の短い探訪を終えました。

1060227

| | コメント (0)

2018年12月 2日 (日)

ひたすら12mmで上野公園を撮る

181202_10

181202_11

181202_14

181202_17

181202_22

※写真は全て、

PENTAX SuperA
SIGMA 12-24mm F4.5-5.6 EX DG ASPHERICAL (12mm)
Rollei RCN640
上野公園
2018年12月2日

続きを読む "ひたすら12mmで上野公園を撮る"

| | コメント (0)

2017年5月28日 (日)

AKI-BA

170528_08
Mamiya RB67 Professional S
Sekor 360mm F6.3
1/400秒 F6.3
Fujicolor Superia X-TRA 400
2017年5月28日

続きを読む "AKI-BA"

| | コメント (0)

2016年8月15日 (月)

金沢にて~(7・完)西外惣構跡

160729_11
Mamiya-6 KII
Setagaya Koki SEKOR S. 7.5cm F3.5
Rollei RPX100
西外惣構(そうがまえ)跡
2016年7月29日

続きを読む "金沢にて~(7・完)西外惣構跡"

| | コメント (0)

2016年8月14日 (日)

金沢にて~(6)宮内橋詰遺構

160729_10
Mamiya-6 KII
Setagaya Koki SEKOR S. 7.5cm F3.5
Rollei RPX100
宮内(くない)橋詰遺構
2016年7月29日

| | コメント (0)

より以前の記事一覧